地獄の牢獄と
地下監獄で、全員が大暴れし、かつての仲間たちを何人か救出した。
リツレンは、暗闇に閉ざされた監獄で苛烈な拷問を受けていたが、敵は数多く、全てを倒すことは到底不可能だった。
そのため、彼は力の最も強い者――森里に狙いを定めるしかなかった。
次の章では、雷を操るシンギランと森里、二人の男が最終決戦の火蓋を切る……!
神妖軍団の仲間たちに、衝撃の報せが届いた。
――リツルンが捕らえられ、地下牢で拷問を受けている。
その言葉を聞いた瞬間、全員の胸に炎が灯る。怒りと悔しさが爆ぜ、今にも体を突き破りそうなほどだった。
「……ケイ! 牢の場所へ案内しろ!」
拳を強く握りしめ、眼光を鋭く光らせながら、パンが吠える。
ケイは小さくうなずくと、すぐに翼を広げて飛び立った。仲間たちはその背に続く。
目指すは町から十キロ以上離れた地下牢。
曲がりくねった道を抜け、荒れ果てた大地を飛び越える。その道中、冷たい風が彼らの頬を切るが、誰一人として足を止めない。
ただ一つの思い――「リツルンを救う!」
やがて彼らは目的地の真上にたどり着いた。
見下ろせば、地下へのエレベーター口は、不気味なほど静まり返っていた。
「……今しかない!」
パンが低くつぶやくと、全員がためらうことなく一斉に飛び降り、エレベーターに飛び乗る。
降下の間、誰も言葉を発しなかった。ただ、全員の体からは、殺気とも熱気ともいえる凄まじい気配があふれ出ていた。
扉が開いた瞬間、その気迫は爆発する。
空気が凍りつき、護衛たちは息をのむ。視線だけで圧倒され、思わず数歩後ずさった。
「……リツルンはどこだ?」
パンの声は氷のように冷たい。
震える護衛が震える指先で一方向を指した、その瞬間――
「邪魔だ」
ジンギランが低くつぶやき、一閃。
刹那、護衛たちの命は地に落ちた。容赦など、欠片もない。
彼らは奥へ進む。だが、目の前に広がった光景は予想を超えていた。
地下には広大な施設が隠されており、無数の牢獄が並んでいた。
その中には、異形の存在――見たこともない種族が閉じ込められている。
そして、その一角で……懐かしい顔を見つける。
「……テアン!」
かつて神妖軍団の仲間だった男。その彼が、なぜここに?
「……五年前だ。五龍軍に誘われて、俺は軍を去った。だが、神剣を奪うためにこの星へ来た時――怪物に敗れ、捕らわれたんだ」
悔しさに歯を食いしばるテアン。その言葉を聞いたパンの目は、さらに鋭さを増す。
「……他にも、いるんだな?」
「……ああ、あと二人」
その瞬間、緊張が走る。
だが、恐れはなかった。
胸に宿るのはただ一つ――立倫を救う。そのために、何者であろうと倒す!
テアンを解放し、新たな戦力を得た神妖軍団は、さらに奥へと進む。
だが――その時。
空気が重く沈んだ。
頭上から、圧し掛かるような巨大な影。
「……来るぞ!」
叫ぶ間もなく、天井を突き破り、巨腕が大地を砕いた!
仲間たちは一斉に身を翻し、振り返った瞬間、視界に飛び込んできたのは――巨大な影!
「……巨人だと!?」
その巨腕が再び振り下ろされる。圧倒的な威力、まともに食らえば一瞬で全滅だ。
だが――モディアクは鼻で笑った。
「遅い!」
鋼の刃が閃く。巨人の腕が宙を舞い、血飛沫が闇を赤く染めた。
耳をつんざくような咆哮、巨体が地に転がる。モディアクは追撃の手を緩めない。
「――終わりだ!」
精密な連撃。最後の一閃が首を跳ね飛ばし、巨人は無言で沈黙した。
その光景に仲間たちは息を呑み、胸が熱くなる。
「……すげぇ……!」
だが立ち止まる暇はない。彼らはさらに進む。
◆
その時、トアンの耳に懐かしい声が響いた。
「……トアン!」
振り向けば、そこに立っていたのは――かつて五竜軍団第三部隊を率いた男、『ヘビス』!
「……ヘビス……本当に……!」
再会の喜びにトアンの目には涙が滲む。ヘビスも同じだった。
だが、感動に浸っている時間はない。
「ディバスが……まだ生きてる。だが危ない……!」
ヘビスの声は必死だった。
彼らは急ぎ足を進め、ついにディバスを発見する。しかしその姿は無惨なまでに傷つき、息も絶え絶えだ。
「……くそっ!」
仲間二人が必死に彼を背負う。時間はない、でも仲間を見捨てることなどできなかった。
◆
再び進む道を塞ぐのは、二体目の巨人。今度は巨大な剣を構え、咆哮と共に振り下ろす!
「やらせるか!」
ヘビスが前に出る。冷たい瞳に宿るのは、かつての隊長の威厳。
刀身を掴み、彼は能力を解放した――『熱流』。
灼熱が巨剣を包み、金属が赤く染まる。
「なっ……!?」
巨人が悲鳴をあげ、剣を手放した瞬間、ヘビスの拳が唸りを上げた。
「――絶対熱拳!!!」
灼熱の拳が巨人の顔面を焼き潰す。
「……終わりだ」
巨体は崩れ、煙が立ち上った。
◆
その頃、偵察を終えたカイが叫ぶ。
「立倫を見つけた! 地牢の奥だ!」
全員の表情に緊張が走る。だが進むしかない。
たどり着いた先で、彼らは息を呑んだ。
――鎖に縛られ、血に染まった立倫の姿。
「……なんてことを……!」
仲間たちの怒りが爆ぜる。
「待ってろ、すぐに助ける!」
ヘビスは鎖に拳を叩きつけるが、びくともしない。力を集中し、熱で焼き切ろうとする。しかし一分経っても、僅かな穴しか開かない。
「くそ……時間がない!」
その時、地牢にけたたましい警報が響き渡る。
「侵入者!? 警戒態勢に移れ!」
敵の司令官――シリアが動いた。半数の兵をエレベーター前に配置、残りは基地内部へ。
しかし、神妖の仲間たちに迷いはなかった。
「立倫を連れて帰る! ――絶対に無傷でな!」
モディアクの目が鋭く光る。
「作戦開始だ。……一歩も退くな!」
ゴウが踏み出す。
「『真空震波拳』ッ!」
拳が空を切り、無形の衝撃が敵を襲う――だが、シリアが笑った。
「その程度で!」
彼の腕に無数の銃口が展開、弾丸の雨がゴウを襲う!
銃声が響き、火花が散り、血の匂いが地牢を満たす。
その中で――
「絶対助ける……立倫!」
ヘビスの叫びと共に、再び炎が燃え上がった。
戦いは、ここからが本番だった――!
別の通路、その足音は静かだった。だが、その存在感は圧倒的。
青き戦闘服を纏い、まるで嵐の中心に立つかのような男が、ゆっくりと歩みを進めていた。
「……来たか。」
新ギランは息を呑み、戦闘態勢を取る。だが――次の瞬間、その男の姿が霧のように掻き消えた。
「なっ……!?」
視界から完全に消える。気配すら感じない。
だが新ギランは、直感で背後に危険を察した。
「読めてるッ!」
振り返らず、背後へと高圧電流を放つ――轟音と共に、雷光が通路を焼き尽くした。
青き男は電撃に飲み込まれ、地面へと叩きつけられる。
だが――倒れたと思ったその瞬間。
「……甘い。」
低い声と共に、男の拳が唸りを上げた。
「ぐあっ……!」
雷を纏った拳。それはただの打撃ではない。
電流と衝撃を同時に叩き込む、まさに電属性の極致。
新ギランの体は宙を舞い、背中から地面に叩きつけられる。
全身を走る痺れと痛み。それでも――彼は笑っていた。
「……ッ、これだ……!これが……電撃戦の快感だッ!」
目の前の男が誰か。新ギランにはわかっていた。
森里――かつて《世界事》の戦闘ランキングで、その名を轟かせた最強の男。
テアンたちを敗北させた本当の王者。
(まさか……この戦場で、こいつと拳を交えることになるとはな……!)
心が震える。血が滾る。
「森里ィ――!」
雷光を纏い、新ギランは立ち上がった。
ここから始まるのは、ただの戦闘じゃない。
誇りと誇りがぶつかり合う、命を懸けた真剣勝負。
神妖軍団の熱は、まだ消えてはいない――
戦火は、さらに激しく燃え上がろうとしていた。
今まで何千文字も書いてきたけど、まだあまり多くの人に読んでもらえていない。この小説をもっと多くの人に楽しんでもらうために、みんな、ストーリーや描写について何かアドバイスをくれないかな。
僕は全力で、みんなが夢中になれる物語を書き上げるつもりだ!