こぼれた夏
こぼれた夏を両手ですくった
奥手なわたしだったから
夏の日のカレンダーを眺めては
当然のように、ため息を放出した
その数は結構なもので
やがて、部屋中に広がり
それは不快指数へと変わりかけた
これじゃいけないと
慌てて予定を立てた
休みの日には
仕事の疲れもあるし
暑さもあるけれど
車の洗車だけでなく
出かけてみようと
どことなく、当て所なく
夏は勝手に過ぎてゆくけど
キミにさっそくTELをする
「やっぱりね、急なことだから」
「行き先はわたしに任せてよ」
そのどちらかの答えを準備しながら
窓の外へ
カーテンが風に押されて
空に打ち放たれた
・・・待っているよ
ある夏の風から
そんなふうに聞こえた
わたしはニコリと笑って
ココロのドキドキは
たぶん、
真っ青な空が
受け止めてくれるはず
読んでいただき、ありがとうございます