〜第二章〜I・miss・you〜壱〜
スランプ状態で誠に有り難くも御愛読なされていらっしゃる御方々を御待たせしてしまいました。
すいません。
ではお楽しみください。
〜壱〜
ガナン国は勝利の宴に酔いしれている。
林檎は一生懸命、これを機会に、全てのガナン国民に和の料理の文化を思う存分に堪能して貰おうと林檎が生前に植えつけられたコナトゥスの種が、栄養管理に長け、抜群の調理師の腕前を持つ【賄霊{マカナイ}】の氣に開花して、【切る】【焼く】【煮る】【蒸す】【揚げる】すなわち全てひっくるめて【五法{ごほう}】を極めしチカラを存分に発揮して、林檎総監督のもと、ガナン国全栄養士及び全調理師と一致団結して、刺身、寿司、天麩羅、味噌汁、貝汁、蟹汁、焼き魚、煮魚、鮭のホイル焼き、餃子、焼売、サザエの壺焼き、鶏の竜田揚げ、鮪の唐揚げ、酢の物、カツ丼、天丼、親子丼、中華丼、うなぎ丼、海鮮丼などの丼物、おでん、すき焼き、水炊き、モツ鍋、キムチ鍋などの鍋物、肉天玉うどん、釜揚げうどん、ざるうどん、ざる蕎麦、素麺、つけ麺、醤油拉麺、味噌拉麺、豚骨拉麺……その他、ガナン国民の主に好んで食べるデミグラスソースのハンバーグやカレーライス、ハヤシライス、サラダ、パスタ、海老フライ定食、そして食後のデザートに夏にピッタリの餡蜜や更には、林檎と恋仲のミクルの大好物の洋風ツインペッパーハンバーグをアバンもそれが同じくも大好物だと言うので2人分作り、ガナン国民全員分、ありとあらゆる山の幸や海の幸の和食や洋食を作った 作った 作った 作った 作った 作り上げまくり調理して居る。
通力使いの精鋭たちの一騎当千のチカラを見せつけられたアバンは林檎たちが【料理の戦場】となって居て料理の完成を待つ間、ミクルと一緒に、それぞれの愛タバコを吸いながら会話している。
アバンは王太子として忙しい数日でこの最近、ロクにタバコを一服する余裕がなかった。
「美味めえぇぇぇぇぇぇぇぇええぇえっ!!久しぶりのタバコぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!この時をずっと辛抱してたんだぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁっ!!しっかし凄いな。お前たちの圧倒的な敵戦力に対してのチカラは。一騎当千じゃないかぁぁああぁぁああぁぁっ!!」
ミクルはその言葉を聞き「王太子殿下。あっしらを感心するのは勝手だが肝心のあんさんの実力を拝見させて頂きましょうか。今のあんさんのクリュサオルの相手は十手で充分。あっしの愛しのハニーがあっしらの大好物を必死こいて調理してる間に腹減らしに実戦のウォーミングアップをしましょう。でしょうがね!!」と言い立ち上がり自身愛用の十手トゥシタを背から抜く。
アバンは「舐めるなっ!!ジジイから剣術の基本はずっと習ってたんだっ!!薙刀は中距離武器だっ!!実際にジジイからクリュサオルを借りたこともあったっ!!その十手という武器は見た目からしてどう考えても近距離武器っ!!相手を近距離まで接近させなければこちら側に勝機はあるっ!!後悔するなよっ!!無礼者っ!!」と頭にきたのか叫ぶ。
アバンはタバコを灰皿に捨て立ち上がり、クリュサオルを背中から抜き構える。
対峙する2人。
ナップルがいつの間にか現れ、観ている。
ミクルはアバンの望み通り中距離に居る。
アバンはコンサートの時に多少なりとも心惹かれたナップルが自分を観ていることに対して男として【格好いいところ】を魅せようとミクルに意気揚々と立ち向かいクリュサオルを振るう。
「行くぞっ!!ぬえぃやあっ!!」
ガキィンと簡単に十手でミクルはアバンの一太刀を封じ込む。
そして手首を巧みに動かし十手でアバンの抵抗を完全に封じ込む。
アバンはムキになり「ぬがあっ!!ぬぐぅっ!ちくっしょうううううぅぅぅぅぅうううっ!!ちくっしょうううぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅっ!!」とがむしゃらにクリュサオルを動かすが全く身動きが取れずに居る。
「掴まぇたぁ。その程度ですかぁ。でしょうがねっ!!御生憎様。この十手という日本古来よりの武器は遠距離だろうが近距離だろうが中距離だろうが相手の一太刀を封じ込むことこそ真髄。すなわち相手を殴打する武器でもあると共に防具と言っても過言ではないねぇ。でしょうがね!!」
とミクルは言い通力は一切使わず、素早くアバンにトゥシタをクリュサオルを封じたままなめらかに滑らせ急接近して、トゥシタでクリュサオルを勢い良く弾くとアバンの手首をトゥシタで殴打する。
アバンは「痛い…痛い…」と言ってまた泣く。
ナップルが「我、泣き虫ですかぁ♡すぐ泣く♡男のくせに♡クスッ♡」と口にしながら軽く微笑む。
アバンは心惹かれた女性の前で大恥をかき、更にその女性から小馬鹿にされ「ぐうぅぅぅうぅうぅぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅっ!!ちきしょうっ!!ちきしょうっ……」と大粒の悔し涙を流す。
そしてパインとダリスコも少し遠くから2人の闘いを観ていた。
パインの頬はやや赤らんでいる。
ダリスコは3人に「料理が完成したってよ。王太子殿下坊っちゃん。泣いてばかりいないで飯食って元気出せよ。じゃろうがねっ!!」と言うのだった。
この日、アバンは今までの人生で一番ではないかというほどの凄まじい挫折と屈辱…そして完全敗北の味を味わった。
同じくも浮遊術で大空から闘いを見守っていたハロウィン卿は、あまりのアバンの不甲斐なさに「………話にならん。まるで赤子だ………」と、頭を抱え、頭を悩ませるのだった。
御愛読誠に感謝申し上げます。
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