001 もふもふなモンスター
私、佐藤甘子はどこにでもいるような女子高生です。
最近したいのは、もふもふのペットを撫でたりブラッシングしたりすることです。
だって、現実では住んでいる家がペット禁止のマンションなんです。さらに、親からも「もふもふのペットは、毛が落ちたりして飼うのが大変だからだめ」と言われているんです。
でも、私は下校中に見たんです。ゲーム屋さんに売っているゲームで表紙にもふもふの動物が写っているものを。絶対にもふもふできますよね?今、少しずつお金をためてVRヘッドギアセットとあのソフトを買おうとしています。そして、もうすぐそのお金が溜まるんです!次のお小遣いの日が来たら、すぐに買おうと思います。
そして、明日はお小遣いの日。楽しみで楽しみで夜しか眠れません!
どんなもふもふな動物がいるんでしょう。大きくて上で寝れるもふもふ...膝の上に乗れるサイズで一緒に寝てくれるもふもふ...
今日はお小遣いの日です!さらに、休日なので時間がいっぱいあります。
お母さんからお小遣いをもらい、すぐに出かけます。ゲーム屋までは少し遠いですが、もふもふのためならいくらでも頑張れます。
「お買い上げ、ありがとうございました。」
ついに買いました!この日のために少しずつお金をためて、欲しい服や化粧品も少し我慢したりしました。全て、もふもふのためだと思ったら頑張れました!早く家に帰って遊びたいです!
お母さんからもしっかり許可を取っているのでもふもふを見つけるまで今日はゲームをしますよ!
家に帰ってきたからヘッドギアの初期設定をします。機械はさっぱりなんですが、説明書を読んだら誰でもできるらしいです。説明書を見てみたらいろんな言語があって、色んな国の人でも遊べそうな感じでした。作っている人はとても優しいんでしょう。
初期設定は結構簡単で、アカウントを作っただけで終わりました。
これで、ソフトを遊べるようになりました!そして、待ちに待ったゲームを始めます!
ゲームの名前は、「Real World Online」らしいです。リアルワールドなので現実世界のような世界なんでしょうか。それならよりもふもふを感じれるかもしれません!
『Real World Onlineをプレイしますか?』
はい!もふもふをもふもふするために遊びます!
『Real World Onlineにログインします。アカウントを確認。ユーザー名を設定してください』
ユーザー名...私の名前は佐藤甘子で甘そうなので「シュガー」にします。
『ユーザー名をシュガーに決定します。アバターを制作してください』
アバターを作るらしいです。全く自分と違う人にもなれるらしいんですが、自分に似た体型にすると感覚が現実に似たものになるらしいです。もふもふをより感じたいので、自分の体の目と髪の色を変えて、身長を少し高くしました。
『利用規約に同意ください。』
一応全部読んで...同意!
『利用規約への同意を確認。Real World Onlineをお楽しみください。』
ありがとうございます〜このゲームのシステムさん。
しばらくすると、何やら昔のような石で舗装された噴水のある広場みたいなところに立ってました。
噴水をのぞくと、私の作った可愛いアバターがいました。若干現実より身長が高くなってる!
もふもふをもふもふするためにもまずはブラシを買おうと思います。
小物屋さんをみつけて、そこでフサフサできれいなブラシを買います。
あ!小物屋さんがありました!中を覗くと、ブラッシングに良さそうなブラシがありました。
少し高くて最初から持っているお金を殆ど使っちゃいますが、これももふもふのためです!
「お買い上げ、ありがとうございます」
ブラッシングされたら気持ちよくなりそうなブラシを買いました。
少しブラシで自分を撫でてみたらふかふかしているのに汚れが取れている感じがして、気持ちいいです。
もふもふをブラッシングしたらもっともふもふになりそうです。
必要なものが揃ったので街の外に探検に行きます。
早くもふもふを見つけてブラッシングしてもふもふしたいです〜
武器は持ってないけど、もふもふじゃないモンスターに近づくつもりはないので大丈夫だと思います。
早速うさぎを発見しました。
そこまでもふもふしていませんが、それでも十分もふもふしています。
うさぎさんに近づいてもふもふするために後ろから近づきます。
そろ〜りそろ〜りゆっくりゆっくり音を立てないように。
結構近づきましたけどまだうさぎさんには気づかれていないようです。
手を近づけて、優しく捕まえるように...
「えい!」
うさぎさんは少し暴れているけどこれも可愛いです。
こういうのを見るために私は今まで頑張ってきたんです。今、努力が報われた気がします。
少しずつブラッシングして、毛についていた汚れが取れ、どんどんもふもふになっていきます。
うさぎさんも落ち着いてリラックスしています。これもまた可愛いです。
そして、念願のもふもふです!
うさぎさんを優しく手に持って、モフります。ふかふかしていて、現実に持って帰りたくなるような触り心地です。もっともふもふが居ると思うと、いても立ってもいられません。
もふもふを探すために少し散歩をします。当然うさぎさんをもふもふしながら。
しばらくすると、中くらいのオオカミさんがいました。結構もふもふしていて、全身でもふもふを感じれそうです。でも、どうやってもふもふしましょう?
オオカミさんなので、近づいたらすぐに逃げられてしまいそうです。
そうだ!後ろからこっそり近づけばいいのです。
音を立てないようにそろーりと。飛び乗れるぐらいの距離に近づいたので、ジャンプして上に乗ろうと思います。乗ってしまえばもふもふし放題です!
「えい!」
うまくいきました!しっぽを掴めました!オオカミさんは驚いて走っていますけど。
引きずられていますが、尻尾がもふもふしているので幸せです...
早く止まって上に乗らせてほしいです。ブラッシングしたり撫でたりしたいんです。
「あっ」
急にオオカミさんが止まりました。足元に石でもあったんでしょうか。
でも、今がチャンスです。止まってくれているなら上に乗ることもできるはずです。
「ジャーンプ!」
上に乗れました!予想通りもふもふしています...このまま寝てみたいです。
あれ?オオカミさんが動きません。怪我でもしちゃったんでしょうか。
「ガルル...」
何かを見つけたんでしょうか。オオカミさんの見ている方向を見てみます。
あれは...大きくてすごいもふもふしているオオカミさんです!この子と一緒に乗ってみたいです!
でも、今乗ってるオオカミさんが怖がってます。いったん街に戻ります。
「街の方に行ってくれる?」
「ガウ!」
言うことを聞いてくれました!さっきまで走り出して止まらなかったのに。よほど大きなオオカミさんが怖かったのでしょうか。私には可愛く見えましたけど。
この子は結構足が速いですね。私の何倍かは速いです。
「ガウ!」
もう街の近くについたんですか?速いですね。
『スキル:モンスターテイムを取得しました』
『モンスターとの関係が既定値を超えたためこのモンスターに名付けできます』
名前をつけれるんですか!?初めて知りました。名前をつければ完全なペットになるんでしょうか。
名前は、もふもふの狼だから、もふ郎にしましょう。
『狼の名前を「もふ郎」に変更しました』
これでいつでももふもふできます!
あと、ウサギさんにも名前をつけましょう。
小さいうさぎだから、ピョン吉にしましょう。
『兎の名前を「ピョン吉」に変更しました』
これでこの子もペットになりました!初めてのもふもふを、2匹もゲットできました!
8/13修正 半角!と?を全角に変更&システムを『』に変更&一部口調を変更
「もっともふもふを!」「癒やされる...」「どんなもふもふだろ〜」
「こんなもふもふが欲しい」「手入れの仕方が間違ってる...」
と思ったら感想を送っていただけるとありがたいです。