32 僕がいてこそ
「馬鹿を言うんじゃない」
というのがグレイの弁だった。
「馬鹿を言うんじゃないよ、まったく――軍省副大臣の補佐助官なんて、普通だったらお目に掛かることもないお役人だよ。それをどうしようって言うんだね。きみは大人しくしていなさい。大人しくしていれば大丈夫なんだから、きみはもう、まったく――」
とはいえ、それを黙って聞いている大人しい連中ばかりではないのである。
グレイの言葉に被りに被って、他からも言いたいことがぶち上げられる。
「いや、おれとしてもそれには大賛成なんだけどさ、その前にお願いがあって、」
というのがアーノルドの主張である。
顰め面で正論を垂れる最中のグレイを押しのけかねない勢いで、
「シャーロット、詳しい事情は訊かないでほしいんだけど、とりあえずここにいるみんなが幸せになる道を行こうぜ。スミスさん――じゃなかった、その、ええっと、オーリンソンさん? って人が捕まれば、一件落着なんだろ? 他の誰かを何かの理由で突き出したりはしないよな?」
そしてグレイの正論にもアーノルドの身の潔白の確保にも無頓着に、カラスがかれの主人の横顔に向かってがなり立てている。
「ご主人! 僕への報酬は? もうこの子、妙ちきりんなことさえやらかさなきゃ安全なんだろ? この子が妙なことに手を出す変人だったとしても、僕に責任はないよ!
報酬! 報酬! 報酬を寄越してさっさと僕と縁を切ってくれ! この仕事は呪われてる!」
シャーロットは思わず耳を塞いだ。
「せめて一人ずつしゃべってちょうだい!」
もっともである。
さらにいえば、シャーロットの後ろには魔神がついている。
それをわきまえた全員がぴたりと黙ったところで、シャーロットはマルコシアスを振り返った。
「――エム、オーリンソンって人を捜してほしいんだけど、」
「え、やだ」
言下の拒絶に、さしものシャーロットも唖然とした。
「は? エム?」
「だから、やだ」
きっぱりと言って、マルコシアスは腕を組んだ。
「あんたのことだから、理由を教えろってうるさく言うんだろうけど」
「そりゃあね! 理由を言いなさい!」
「だって、僕が危ないじゃないか」
マルコシアスが真顔で言ったので、シャーロットはぽかんと口を開けてしまった。
マルコシアスがにこやかにその間抜け面を鑑賞すること数秒で、息を吹き返した彼女が、勢いよく作業棟の屋上を指差す。ついでに地団駄も踏んだ。
悪魔を相手にその勢いで迫るので、アーノルドは怖いものから目を逸らす意味で、固く目をつむってしまった。
「危ないことはたった今済んだでしょう!」
マルコシアスは顔を顰めた。
「レディ・ロッテ。僕の名誉を傷つけないでくれ。
ハルファスなんて、僕にとっては危険でもなんでもないよ」
「あ、の、ねぇ」
剣呑に唸るシャーロットを一顧だにせず、マルコシアスはグレイを見遣った。
かれがグレイをまともに見るのは初めてのことだった。
グレイは礼儀正しく、その人外の淡い金色の瞳から目を逸らした。
悪魔の瞳を正面から見ないというのは、実は魔術師の中では有名な護身の方法の一つだった。
マルコシアスは、目を逸らされたことには無頓着に、記憶を探るようにしてつぶやく。
「あんたが、僕のかわいそうな同胞を酷い目に遭わせていた海辺で――」
グレイは気まずそうな顔をした。
リンキーズはすばやく翼の下に顔を隠した。
マルコシアスは冷ややかに笑った。
「――別の魔神を見たんだけど」
アーノルドはすんでのところで、「それって、あの白いオウム?」と尋ねるのを堪えた。
何しろ、アーノルドはその魔神は知らないはずなのである。
そのとき、シャーロットが横から口を出した。
マルコシアスがそちらに視線を移し、グレイもリンキーズもほっとした表情を見せた。
「そんなの、聞いてないんだけど」
「言ってないからね」
マルコシアスはいけしゃあしゃあとそう言って、腕を組んだ。
「あの魔神が出てくるなら、駄目だ。僕では勝てない」
シャーロットとしては、言いたいことは三つほどあった。
周囲の騒ぎから推して、ネイサンがまだしばらくは戻ってこないだろうと踏んで、彼女は重要度の低いものから口に出した。
「どうして黙ってたのよ?」
「言う必要あった?」
マルコシアスは悪意のない様子で目を見開き、首を傾げた。
いっそきょとんとしたようですらあった。
「僕があの魔神の存在を黙ってたことで、あんたが困ったことが一度でもあった?」
シャーロットは渋面で口をつぐんだ。
「それは、ないけれど」
「なら良かった。あんたを困らせるのは、時と場合を選ぶことにしているから」
嬉しそうに微笑んだ少年の姿の悪魔に、シャーロットは指を突きつける。
「それにお前、ついさっき、私に怪我はさせないって言ってなかった?」
マルコシアスは悪魔の笑みを浮かべて、愛想よく言った。
「そうだね。じゃあ、どうしよう。僕はあんたが、尋ね人を捜しにいかないように邪魔をすればいいのかな?」
「私からの頼みは軽い報酬で聞くって言ってたじゃない」
シャーロットはそう言いながらも、じゃっかん赤くなった。
わけもなく気恥ずかしくなったのである。
とはいえ、マルコシアスはそれを感知した様子はなく、わざとらしく驚いたような表情を作っている。
「そうだね。でも限度があるよ、レディ。僕が致命の一撃を喰らうようなら元も子もない。
いいかな、確かに僕はあんたが好きだけど、それもこれも僕がいてこそだ。分かるかな。
そもそも、僕は負け戦はしない主義なんだよ。悪いね、ロッテ」
シャーロットはむっと顔を顰めたが、興味は惹かれた様子で尋ねた。
「あら、そんなに序列が上だったの?」
マルコシアスは肩を竦め、そのついでのように首許のストールを直した。
「まあ、序列が開いていたから、正確には分からないけどね。僕だって格上に勝ったことがないわけじゃないが、序列が開いているとどうにもね。昔のことだけど、グラシャ=ラボラスには酷い目に遭わされた――」
「――その現場に居合わせたかったよ」
リンキーズがぼそっとつぶやき、とたん、マルコシアスに氷点下の眼差しで射貫かれた。
「あ?」
「すみません、なんでもないです」
うなだれるリンキーズに、「ちょっとは考えてからもの言えばいいじゃん」とアーノルドが囁く。
一方のグレイは、憂い顔でシャーロットを見ていた。
あきらかに彼女を危ぶむ眼差しだったが、マルコシアスはそれをちらりと見るや、ゆっくりとさりげなく立ち位置を変えて、シャーロットの背中をグレイに向けさせた。
シャーロットはその誘導には気づかず、「じゃあ、相手の序列は置いておいて」と、かれに突きつけた指を揺らした。
「いいこと、オーリンソンさんに協力していた魔術師は、あそこでひっくり返っているじゃない。だれかさんのおかげでね」
あそこ、と言いながら、シャーロットは作業棟の屋上を示した。
ネイサンがいるはずの場所である。
なお、言うまでもないが、作業棟を中心とする阿鼻叫喚は収まっていない。
見物人は続々と増え、それを押し留める衛兵の声はどんどん殺気立ち、作業棟の中からは衛兵の苛立った声と役人の悲鳴が聞こえてきている。
ネイサンはさぞかし事態の収拾に苦労していることだろう。
シャーロットたちは衛兵の輪の外側にいる格好だが、そろそろ人の目につきそうである。
そんな作業棟に一瞥をくれてから、マルコシアスは演劇を終えた役者のように愛想よく微笑んだ。
「そうだね。僕に拍手してくれていいよ、レディ・ロッテ」
「あとでね。――つまり、いいかしら、オーリンソンさんに味方している魔術師がもういないんだから、悪魔が動きようがないじゃないの」
それに、と言葉を継いで、シャーロットは腰に手を当てた。
「その魔神、まだこっちの交叉点にいるのかしら。お前がハルファスさんを相手に暴れているときでも、他に魔神が駆けつけてくることもなかったでしょう。あの人が他にも魔神を召喚しているなら、あの場に呼んでいたはずだわ。
位の高い魔神に、時間のかかる仕事をお願いすればそのぶん報酬も高くつくんでしょ? その魔神、案外もうお仕事を終えて、解放されてるのかもしれないわよ」
言い切ったシャーロットに、マルコシアスが懐疑的に眉を寄せた。
かれが首許のストールを引っ張り上げて、口許を隠して目を落とす。
そうしているあいだに、アーノルドが面喰らった様子で声を上げた。
「えっ、待って――その、オーリンソンって人は魔術師じゃないの?」
「――違うね」
グレイがためらいがちに首肯した。
「副大臣の補佐助官となれば、参考役とは訳が違う――魔術師ではなれないよ」
そう言って、グレイも不安そうに目を泳がせた。
「つまり、あの魔神は、他の誰か――魔術師に仕えていたということになるわけだけれども……」
アーノルドが首を傾げる。
「屋上にいるっていう、例の?」
それに応じたわけではないだろうが、まるでアーノルドの問いに応じるようにして、マルコシアスがつぶやいた。
「――あの魔術師が、あんなに位の高い魔神を召喚できたとは思えないんだけど……」
「どうかしら」
シャーロットが、本職であるグレイの意見を仰ごうと、彼を振り返ろうとするそぶりを見せた。
マルコシアスがはっとしたように手を伸ばして、彼女の頭を押さえてその動きを止める。
シャーロットはマルコシアスの手をそっけなく叩き落としたが、かれは気にせず、彼女の視線を捉えたまま微笑した。
「もちろん、桁違いに良い報酬を示した可能性はあるね。召喚できる魔神の格なんて、しょせんは示す報酬の値しだいだ。
たとえばロッテ、あんたが僕に提示している報酬を示せば、あんたは間違いなくバエルだって言いなりにできるよ」
アーノルドがぼそりと、「バエルってだれ?」と誰にともなくつぶやき、リンキーズが小声で応じた。
「序列一番。だから――人間の手が届く悪魔の中では、いちばん強くてやばいやつってこと」
「やばいじゃん」
アーノルドは目を瞠った。
グレイも、信じがたいものを見るようにシャーロットを見ている。
「ミズ・ベイリー、きみ、何を報酬にしたんだね? 危ないものではないだろうね……」
シャーロットは心の上では耳を塞ぎ、それらの声を封殺した。
何しろ後ろめたさがある。
リンキーズだけが、懐疑的な目でシャーロットを見ていた。
「やっぱりあれだろ……」
それら全てを意識の埒外に置いたような顔で、マルコシアスは小首を傾げている。
「むしろあんたが、欲を出してそういう魔神を呼んでいれば、きっとなんの障害もなかったんじゃない? 海辺の一件については、そいつでも手が出なかったとして、あんたならなんとかなっただろうし。ここで僕みたいに二の足を踏まれることもなかっただろうね。
――ロッテ、なんだって僕を選んだの? まさか、僕より序列が上の連中が全員、留守にしてたってことはないだろう」
シャーロットは溜息を吐いて、目を伏せた。
かれを選んだのは彼女の感傷的な思い入れのゆえだったが、それをここで口に出す気はなかった。
「……ただの、家出のお供のつもりだったからよ」
ややぐったりしてつぶやいた彼女に、マルコシアスは静かな笑い声を零した。
「そういえばそうだったね」
シャーロットは軽く息を吸い込み、目を上げた。
人外の好奇心で自分を見つめるマルコシアスの黄金の瞳に目を細めて、彼女はつぶやいた。
「――じゃあ、こうしましょう」
「うん?」
マルコシアスが首を傾げる。
かれの伸びすぎた前髪が揺れる。
「オーリンソンさんを見つけて、捕まえるように、お前に命令するわ。とりあえずお前はこれを果たしなさい――出来るかぎりでね。
それで、お前の言うその魔神が出てこないことを祈りなさい」
マルコシアスは顎を撫でた。
「ほぉーう? それで、あいつが出てきたら僕はどうしたらいいの?」
シャーロットは肩を竦めた。
そうして、これが何度目か、その仕草がマルコシアスからうつったもののように思えて、なんとはなしに気まずく思った。
「逃げればいいんじゃない?」
マルコシアスの淡い金色の瞳が、きらりと光った。
「あんたを抱えて?」
「まあ、馬鹿言わないで」
シャーロットは目を見開き、本気の声音で言った。
「先に死んでくれなんて、そんな格好の悪いことは言わないわ。お前で手が出せなくて、もうどうしようもなくなるなら仕方ないもの。それでこの件が片づかなくて、入学を辞退させられるなら、そんなのもう何がどうなろうと同じことよ。願い下げだわ。
――もちろん、私を置いていっていいのよ」
「――シャーロット、それはちょっと極論すぎない?」
アーノルドがそっと異議申し立てを行ったが、シャーロットの耳には届かなかった。
〈身代わりの契約〉が念頭にあるグレイとしては、なんとも微妙な顔をせざるをえない。
マルコシアスはシャーロットを眺めて、いかにも悪魔らしい満面の笑みを浮かべた。
「――なるほど。それでこそだ。もしそんなことになったら、僕がさっさとあんたに始末をつけてあげようか?」
シャーロットは顎を上げた。
「そんなことを考える前に、その悪魔が出てこないことを祈りなさいよ。お前への報酬もなくなるのよ」
マルコシアスはおだやかに微笑んだ。悪魔らしい見せかけで。
「それは困るけれど、ロッテ。悪魔が何に祈るっていうの?」
「知らないわよ」
「――ミズ・ベイリー」
グレイが、おずおずと口を挟んだ。
シャーロットが彼を振り返った。
「あまり悪魔を過信したり、馴れ合ったりするのは良くない……」
「確かに、そうだ」
シャーロットが何を言うよりも早く、マルコシアスがにこやかに肯定した。
「僕のレディは賢明だからね。決して僕を過信しない。なんと僕が敵前逃亡することまでお考えだ。すばらしいね、そうじゃない?」
グレイはあきらかに危ぶむ目でマルコシアスとシャーロットを見た。
そして咳払いして、なけなしの威厳を掻き集めたような顔で、おごそかに言う。
「ミズ・ベイリー、行動的なのは大いにけっこうだが、時と場合とわきまえたまえ。いいかな、きみは大人しくして――首相――本当に首相かい? ――の保護を受けていなさい。そうすれば、そのうちに衛兵が補佐助官の行方を突き止めてくれるから。
その悪魔に何を依頼しているのかはおおよそ想像がつくけれども、もう不要だろう。報酬を払ってしまって、さっさと解放しなさい」
シャーロットの眉間に、「不機嫌の縦線」が刻まれた。
彼女は懐疑的な声音でつぶやいた。
グレイへの問いかけというよりは、いっそ独り言じみた口調で。
「――こんなに早く雲隠れされてしまったのに? それで、まだ見つかっていないのに? 誰かがオーリンソンさんに『ばれたぞ』って警告したかもしれなくて、それが誰かも分かっていないのに?」
グレイは言葉に詰まった。
マルコシアスが彼をせせら笑うような表情を浮かべる。
「残念ながら、僕をいつ解放するのかは僕のレディの胸ひとつで決まることだ。あんたじゃないね」
何か察するものがあったのか、リンキーズがそんな主人の頬にカラスの頭を押しつけて頬ずりする。
「――ねえ、ご主人。報酬をちょうだい。ここから先は僕の知ったことじゃないと思うんだ」
グレイは彼の魔精の言い分を無視した。
アーノルドは少しばかり気の毒そうな視線をかれに送ったあとで、ためらいがちに腕を組んで、つぶやいた。
「まあ、確かに、誰がその――オーリンソンって人を見つけるかって言えば、いちばん可能性があるのはシャーロットだよな」
シャーロットは瞬きして、アーノルドを振り返った。
アーノルドは気まずそうにした。
「だってそうだろ、ここで悪魔が大暴れしたっていうんなら、それをやらかしたのは魔術師の誰かさんにしろ、指示はオーリンソンって人なんだろ。
つまり、その人、まだきみの身柄を諦めてないってことだろ?
それに、おれたちはここできみとしゃべってるから、もちろんあそこにいる――」
と言いながら、アーノルドは作業棟の屋上を示す。
「――魔術師が失敗したことも知ってるけど、肝心のオーリンソンって人からすりゃ、そんなのすぐには分かりようがないだろ? 首尾を聞こうとしているはずだ。
なら、まだ近く――いや、すぐ近くじゃないかもしれないけど、とにかくこの、グレートヒルの中にはまだいるはずだ。だったら――」
シャーロットは指を鳴らした。
魔術師が捕まったことに気を取られて、すっかりオーリンソンは雲隠れしたものと思っていたが、確かに。
「そうね! 私っていう美味しそうな餌がふらふらしてたら、確かにオーリンソンさんから寄って来てくれるかもしれないわね!」
グレイが頭を抱えた。
「そんな、ネズミ捕りじゃないんだからね……」
グレイの常識的な反応にはいっさい頓着せず、シャーロットは輝くような笑顔でアーノルドの顔を覗き込んだ。
「やっぱり頭がいいのね、アーニー!」
アーノルドは顔を顰めた。
彼としては、当初の計画どおり、彼自身が自由な生活を手に入れるために、ぜひともオーリンソン氏には失脚してもらわねば困るのである。
その、保身十割によるひらめきをこうも手放しで賞賛されしまうと、彼としては居心地が悪かった。
「あー、いや、その……」
シャーロットは、アーノルドのその煮え切らない態度には構わなかった。
彼女はすぐさま、決然たる語調と表情で告げていた。
「だったら、ぐずぐずしていられないわ。ネイサンさんたちが大捕り物をしていることが知られたら、今度こそオーリンソンさんが雲隠れしてしまいかねないもの」
グレイが顔を覆った。
カラスがけなげに、「報酬……」と繰り返しているが、その声もどんどん小さくなっていく。
そのとき、大空から大きな美しい青い鳥がゆっくりと舞い降りてくるのが見えた。
晴れた空のひとひらが、鳥の形でゆっくりと落ちてきたかのようだった。
舞い降りた先は作業棟の屋上――
「――あの人の悪魔だ」
アーノルドがぼそりとつぶやいた言葉の意味を正確に察して、シャーロットが慌てはじめた。
「たいへん。あれがネイサンさんの悪魔なら、ネイサンさんがあの悪魔に頼んで、『魔術師は捕まりました』なんて下手に伝言で広めてしまったら、それがオーリンソンさんの耳に入っちゃうかもしれないわ。時間がないわ」
彼女が勢いよく、顰め面を見せる魔神を振り返った。
「エム――」
「はいはい」
肩を竦め、呆れながらも面白がるような表情で、マルコシアスは首を傾げた。
「負け戦にならないうちは、仰せのとおりにいたしますよ。
ご命令をどうぞ、ご主人様」




