表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤龍戦で対局した女流棋士が消失したら、次次と死体が現れた  作者: lavie800


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/60

第五十一話 赤龍

挿絵(By みてみん)

全日本将棋連盟と女流棋士2団体、それに主催会社で合意が取れて、赤龍戦の優勝者は林田初段からはく奪となり、優勝者の名誉は金海五段が初代女流棋士赤龍の称号を名乗ることになった。

賞金については、不正な手段で優勝賞金を手にした林田初段が亡くなっていることから賠償や賞金の行方がまだはっきりしないことや金海五段から赤龍の称号だけで十分との申し出もあり、引き続き将棋連盟と主催者で協議継続となった。

赤龍のタイトルの表彰式を赤龍戦対局が行われた神戸市のオーハシポートホテルで明後日開催されることが決まった。

出席者は、優勝者の金海五段。それに賞金は無いものの今回の特例繰り上げにより準優勝の賞状を北山四段と三島2級に贈呈することも決まった二人の女流棋士も出席する。

表彰は引退棋士の加藤がそれぞれ該当者に手渡すことになった。

また、主催の南場景子社長、協賛の毎朝新聞社の桂編成部長も出席する。


警備の関係で全日本将棋連盟から県警に要請があり、兵庫県警から吉川や何人かの警官が当日は見守ることとなった。


吉川と美都留も、山口県警本部長や鈴木刑事にお礼を言って神戸に戻ることになった。

引き続き兵庫県と山口県警の合同捜査体制は維持されるため捜査の情報は共有される。

吉川は美都留を乗せてレクサスNXで山陽自動車道からバイパスを通り、阪神高速まで戻ってきた。

「夜遅くなったが今日はどこに送ればいいかな?」

「まだ神戸で住むところがないから仮住まいのオーハシポートホテルにお願い。

吉川さんは?」

「私は県警の寮に戻るよ。明後日朝オーハシポートホテルに行くよ」

「明日朝御飯ホテルのロビーでいっしょに食べましょう。

あっ。それからちょっと調べておいてほしいものがあるの。メモしたから渡すわね。明日中にお願いね」


レクサスNXがホテルのロビーに着く。

しばらく無言だった二人だったが、美都留が降りるときに

二人が同時に言った。

「この事件が解決したら」と美都留が言う。

「この事件が解決したら」と吉川が言う。


「あっ。どうぞ、三島さん何に」

「いえ。吉川さんこそ先に言ってよ」

「あっ。いや。明後日に」

「私も明後日に」


吉川は顔を赤らめたままロビーに入る美都留を見送り、レクサスを発車させた。


翌朝、美都留に頼まれた調査をしようと県警に顔を出し、課長に山口での状況を改めて報告をした。

「吉川君、南場景子を任意で明日式典が終わったら県警に呼ぼうと思っている」


吉川は後ろからも声をかけられた。

「吉川さん、私も明日参加することになりました」

山口県警の鈴木刑事だ。

「本部長と兵庫県警の課長で話をしてそういうことになったようです。

明日表彰式が終わったら、任意で南場景子に再び兵庫県警で話を聞くことになったようです」

「そうなのですか。任意で話を聞いて自供が取れたら逮捕ということもありますね」

「はい。そういう可能性もあります。それから、南場景子ですが、山口で前夜祭の夜レンタカーを借りていた記録が見つかりました。

距離もリゾートホテルから高嶺城のふもとの木戸公園の往復よりも走っていることがわかりました。高嶺城山頂まで往復した場合以上の距離を入っていた記録がありました。

レンタカーを借りるときは一人でレンタカー屋に来たそうです。

誰かと木戸公園に居たというのは嘘くさいですね。

これも本部長に報告済で、兵庫県警の課長も知っています。

それから昨日の夜に吉川さんから頼まれた夏山の道場の部屋の写真を撮ってきましたよ」


吉川は課長に美都留から頼まれたことを話すと、鈴木刑事と一緒に調査してもいいということだったので、鈴木刑事と調査に出かけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ