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赤龍戦で対局した女流棋士が消失したら、次次と死体が現れた  作者: lavie800


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第四十五話

挿絵(By みてみん)

二人目の参考人は、金海女流名人である。

取調べ室には金海女流名人と鈴木刑事が対面している。


「金海さん、これはあくまで参考なのですが、女流名人戦の前夜祭の夜11時くらいですが、どちらに居られましたか。

また昨日の夜9時前後はどうでしたか」


「はい。前夜祭の夜は山口リゾートホテルに泊まりました。

自家発電が故障して不便なら別のリゾートホテルを用意すると事前に連絡がありましたので、山水園亭では不安に思い近くのホテルに宿泊しました。ホテルからはダブルスイートをご用意頂きました。

夜11時15分くらいにアイスコーヒーが飲みたくなりルームサービスを頼みました」

「そうですか」


「昨日は対局に勝ち余韻に浸りたくて一人で山水園亭内にあります食べ物屋さんで一人焼肉をしていました。そんなに長居はしていないと思います。帰るとき加藤先生をかなり前のほうで見かけたと思います」


美都留は食い入るように取調室をみている。


三人目の参考人は、引退棋士の加藤である。

鈴木刑事が尋ねている。


「加藤さん、これはあくまで参考なのですが、女流名人戦の前夜祭の夜11時くらいですが、どちらに居られましたか。

また昨日の夜9時前後はどうでしたか」

「前夜祭か。どうしていたかな。

あの日は山水園亭に泊まったな。

次の日は大事な対局だから、一人で早めに飯を食べて夜10時には床についていたような気がするよ。

それからは昨日の夜9時は、部屋に居たかな。その1時間くらい前迄は三島くんとその恋人の刑事に山水園亭の焼肉で奢られて、気分が良いからお酒をたらふく飲んだ気がするな」


吉川が美都留を見ると、下を向いて次の手を考えているようで、加藤の事は見ていなかった。


「恋人というより、許嫁又は夫なのよ」

いや、しっかり聞いているようだ。


下を向くと三島の胸元が緩いので谷間が見えそうになる。

いや、参考人に集中しなくては。



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