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赤龍戦で対局した女流棋士が消失したら、次次と死体が現れた  作者: lavie800


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第二十六話 高嶺城の埋蔵品

「前夜祭の司会お疲れだったね。前夜祭の時に塚本社長と話をしていたら、高嶺城とか埋蔵品とかの話を持ち出された。

そういえば淡路島の別荘で殺された大内のズボンから見つかった古文書みたいな文章にも高嶺城とか埋蔵品とかが記されていたと思う。

塚本社長は大内と懇ろの仲になっていたから、大内から古文書のことを聞いたか、または大内の別荘で古文書を手に入れたのかもしれない」


美都留は早口で吉川に語りかけた。

「古文書には『天正12年12月1日 市川経好の妻 鶴、

ここに大内義長が残した埋蔵品の場所を記す。高嶺城天守から見渡す2九桂へ』と書いてあったよね」

「埋蔵品が塚本社長のいう金銀ザクザクの財宝の在り処なのか。

天正12年というとどの時代だったかな」

「丁度その2年前に本能寺の変が起きて、後の豊臣秀吉が天下をとるまでの移行期間よ」


「市川経好というのは?高校の日本史で聞いたこと無いよな」


「毛利元就の家臣で山口では有名な武将よ。

高嶺城は最初大内義長が築城し始めたのよ。

それをある時に市川経好きが攻略してそのあとで城を完成させたの。

その妻の名前は分からないので市川局と称されているわ。

妻の名前は判明していないの。

市川経好は将棋が好きで、よく強い人を城内に呼んで将棋を指していたと聞くの。

市川経好の姓は元々吉川で、高嶺城の城主として妻の市川局と過ごしていたのでけれど、九州に市川経好が毛利軍の一員として攻め込むために城を留守にしたの。

そうしたら、大内家の残党である大内輝弘という人物が城主の留守を見計らって攻め入ったの」


「良く知っているね」


「興味をもって前に調べたの。

何故かすごい汗を書いたときにこのあたりの夢をよく見るの。

桂馬の指し手も夢に出てくるわ。

夢というか明晰夢というかリアリティ感がありすぎるのよ」


「歴史に興味をもって調べるから夢に出るのだね。それで高嶺城は城主の市川経好が居ないから大内に攻め込まれたのかい」


「それが、妻の市川局が勇敢で天才的な城の守りを固めて籠城したのよ。城の周りを大内の兵に囲まれたにもかかわらず、城から九州の夫である市川経好に大内家に攻められていることを何とかして伝えたの。

城の危機を知った夫の市川経好は急いで九州から城に戻り、大軍で大内の兵を蹴散らして、高嶺城も奥さんの市川局も無事で奥さんは高嶺城を大内の攻撃から守り切ったのよ」

美都留の説明が熱を帯びてきた。


「それから大内義長は高嶺城の最初の主。

今回別荘で殺された大内も名前は義長で全く同じだから、因縁を感じるわ」

そうなのか。戦国時代と今回の事件は繋がるのか。

いや、偶然だろう。


「大内の乱を起こした大内輝弘と、高嶺城の最初の主である大内義長は直接の親子ではないけど縁者ね。

市川経好を含めた毛利軍に滅ぼされる前に大内義長は、大内家の財宝を持っていたとされているの。

大内輝弘が高嶺城の付近や城を攻めようとしたのもその埋蔵されたお宝を取り戻そうとしたのに違いないわ。

現地の山口では大内家の財宝は埋蔵品伝承として語られているわ。

でも正式な史料としては大内家財宝の話は残っていないのよ。」

「そうなのか」

「別荘で殺された大内とは、苗字が同じだから、先祖も戦国時代の大内家ということもありえるわ。だから秘密の古文書を持っていたとかもしれないよ」

かなり熱を帯びた美都留の説明だった。

「今日は時間も遅いし、私はビジネスホテルに戻るよ」


「今日の宿どこなの?実家には行かないのね。」

「新山口駅近くのビジネスイン新山口ホテルだよ。仕事だから実家には寄らないよ。

そっちは山水園亭か。いいね」

「代理でのお仕事だから山水園亭には部屋が空いてなくて。

ここじゃなくてホテルを自分で予約しないといけなかったのを忘れていたの。さっきのホテルに泊まるから案内してよ」

「ビジネスイン新山口ホテルだが」

同じホテルに泊まったとしても、まあ部屋は別だし問題ないか。


「先ほどの前夜祭で、色々な人と話をしていたね。何か分ったかい?」

「南場社長は愛媛の古い神社の旧家の分家だったのよ。先祖の遺産を持っていると人生楽ができるよね。下関のことも詳しかったわ。

今度山口の選挙区で議員に立候補するようなことも言っていたわ。

それから、夏山とか言う将棋の道場主は金海五段を知っているらしくて久しぶりと金海五段に声をかけていたわ」

「そうなのか。明日からの日本女流名人戦も楽しみだよね」


レクサスNXに美都留を乗せてロビーで美都留を下ろし、吉川は車を駐車場に入れてから吉川はホテルのフロントに向った。


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