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救世主現る!?

 


 はっきりと耳に届いた落ち着いた男性の声。


「お前!次期領主に楯突くのか!」

「ゴルド、お前が領主になる事は無いよ。私が現領主だ」

「何?ばかな!」

「ああ、犯罪者ゴルド・トーラムをひっ捕らえよ!」


 一声で兵士?衛兵だろうか?がトラムやその手下を取り囲みすぐに叔母が救い出された。

 安堵でへたり込む。良かった……本当に良かった。

 誰か知らないけど救世主様様だ。

 金髪碧眼の美丈夫がこちらに近づいてくる。

 初めて会うはずなのに、ほっとしたからか感謝と同時になんだか懐かしい気持ちが込み上げてくる。

 拝んでもいいかな?


「あの!本当にありがとうございました!」

「遅くなってすまなかった、リゼルロッテ。ずっと探していた」


 ひしと抱きしめられる。

 驚きすぎて涙が引っ込んだ!?

 誰!?


「やっと会えた!愛している!」

「だ、誰なんですか!?」

「……え?あ!すまない!僕はオーランド・シュルベイン。このシュルベイン領の領主だ。もっとも先程なったばかりだ」

「り、領主様……」

「そして、リゼルロッテの婚約者だ」

「……え?」

「正確にはその話の締結時に君のご両親はそいつに殺された」


 ついと顎指した先にはトラム。


「俺は領主と、次期領主の約束を交わしている!お前が領主なのがおかしい!お前ら領主に逆らってこのままで済むと思うなよ!!」

「よくも父を脅し廃人寸前まで薬を使ってくれたね。もちろんそれ以外にも殺人、殺人未遂、脅迫、諸々お前の犯罪歴は洗ってあるよ。ああ、この証書は先程国王から届いたばかりだお前が知らなくて当然だな」

「何!?ばかな!そんなはずは」

「上手く隠していたつもりかもしれないがエフェル夫妻を事故に見せかけ殺した辺りで父も保険をかけたんだよ。いつか自分にも牙を剥くと悟ったんだろうね。跡取りの私を秘密裏に王都に逃して、兄弟達も理由を付けて領内から出し、自分がおかしな事をした場合速やかに王都の私の元に連絡、国王へ報告が行くようにね」

「なん……だと」

「所詮は小物なんだよ。前世では子どもだったから遅れを取ったけれど、今回は間に合って本当に良かった。さ、神官殿縁切りを」

「へ?は、はい?はい!」

「さあ、たくさん説明することや、聞きたい事があるだろうけど、まずは縁切りをしよう。『鬼瓦崎権左ノ助』と縁切りを願いたまえ、私も共に願おう」

「は、はい」


 立て板に水の如く次から次へと紡ぎ出される事実に無言で空気になるしかなかった私は何やらイカつい名前を聞いて私の前世の名前を口にする。


「神官様、貝園さくらと鬼瓦崎権左ノ助の縁切りを」

「神官よ、岬瞬と鬼瓦崎権左ノ助の縁切りを」

「あい承った。夢紡ぎ、縁切!貝園さくらこと、リゼルロッテ・エフェルと鬼瓦崎権左ノ助こと、ゴルド・トーラム縁破!続いて、おや、領主様お名前は?……何シュルベインでしたっけ?」

「オーランド・シュルベインだ」

「夢紡ぎ、縁切!岬瞬ことオーランド・シュルベインと鬼瓦崎権左ノ助ことゴルド・トーラム縁破!」




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