誰かが聞いた話9
「船長、今気づいたんですけど船の壁に落書きがあります。」
「えっ、マジか。前の星の奴らに書かれちゃったのかな。」
「多分そうですね。どうしましょうか。」
「うーん、外壁清掃機能は調子が悪いし、このあたりには知的生命体がいる星が無いぞ。困ったな...」
「あっ、この星なら何とかなるんじゃないですか?猿がいますよ。」
「あぁ、遺伝子操作を加えれば何とかなりそうだな。」
星に着陸。一匹の猿を捕らえる。
「...これでよし。さぁ、君はもう人間だ。この材料を集めて、壁の落書きを消してくれたまえ。」
「かしこまりました。」
無事に落書きは消された。
「おぉ、綺麗になったな。ありがとう、ありがとう。」
「船長、この子一人じゃかわいそうですよ。」
「そうだな、他にも何人か増やしといてあげよう。」
数時間後...
「よーし、OK。それじゃあ、行こうか。」
「はい、出発します。」
船は飛び立っていった。
その後、星に残された最初の人間は近くの洞窟に入っていき、壁に落書きをした。
そこには人類最初の文字で「God was here」と書かれていた。
現在、その落書きは残っていない。