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第五十六話「陸上戦艦制圧作戦」

 Side ヴァイパーズ 陸上戦艦 艦長 グレイドゥ


 コマンダーはこの陸上戦艦で全て粉砕しろとのことだった。


 そのためにまずはシップタウンを粉砕する。


 勿体ないが俺達を怒らせたのがいけなかった。


 後は立ち回り次第ではお坊ちゃん連中揃いのリビルドアーミーを出し抜ける。


 俺はそう思っていた。


「艦長!! 敵の攻撃、ミサイルです!!」


「来やがったか!! 撃ち落とせ!!」


 早速仕掛けてきた。

 次々と前面のパネルには敵の攻撃が表示される。

 だがどれもこの陸上戦艦には届きはしな――


「敵の――空飛ぶマシン!?」


「なんだと!?」


 空飛ぶマシンだと!?

 まさかリビルドアーミーの野郎が裏切りやがったのか!?

 などと思った矢先に攻撃が次々と撃ち込まれ、振動が起きる。


「怯むな野郎ども!! 撃ち落としてやれ!!」


 とにかく潰せばいいだけの話だ。

 リビルドアーミーだろうとジエイタイとか言うお人良し集団だろうと。

 ここで叩き潰してやる。



 Side 五藤 春夫 陸将


 基地の司令室にて状況を確認していた。


 この世界の戦艦の頑丈さはやはりと言うか想定以上だ。

 対艦ミサイル打ち込んでもまだ進撃を続けているらしい。


 余力があるウチに此方も最終手段を切る必要がある。


 そうしないと全てが手遅れに――シップタウンが焼け野原になってしまう。



 Side 緋田 キンジ


 以前語った通り作戦自体はシンプルだ。

 遠距離からの飽和攻撃。

 その隙に空自の戦闘機による対艦攻撃。

 

 それでもダメな場合は最終プランが作動する。


 それは部隊を敵の陸上戦艦に降下させ直接破壊。

 その混乱に乗じて援軍の部隊を送り込むと言うものだった。

 

 選抜されたのは第7偵察隊、第4小隊、


 そして俺たち第13偵察隊だ。


 まだ自分達単独で降下しろと言われないだけマシだろうが――

 

 アルバトロスと呼ばれるレーダーを背負った――戦前の純白の大型飛行機で佐伯 麗子一尉が直接出迎えて来た時は(なんでお前、ここにいんの?)と思った。


「このアルバトロスに搭載されているECMやフレア、チャフを全て作動させて可能な限り接近する」


「なんかロボットアニメの見過ぎみたいな作戦だな……」


 キョウスケも「ああ、正気じゃねえ……」と呟く。


「この世界その者がロボットアニメみたいなもんだろ。新型機を回してもらったんだろうからその分だけ働け」


「クソ、覚えてろよ……」


 なんつー上司じゃ。

 水島 静香 一尉が担当している第7偵察隊の面々が羨ましい。


「なんで? 優しく励ましてもらうのがよかったのか?」


「いや、いい。なんかそれはそれで寒気がするから」


 マジでイメージできねえわ。

 想像するだけでも気色悪い。


「おい、どういう意味だこの不良軍人」


「不良言うが最近は働いてばっかだぞ? 絶えず前線送り状態だぞ? それでも不良と申すか?」


「おちつけキンジ――とりあえず生き延びることを考えようぜ」


 キョウスケに止められて俺は引き下がった。


「なんかキンジ、佐伯さんと話している時って子供っぽくなるんだね」


「ああ、あれはね――」


「うん、その、そう言うのもキンジなんだね」


「はあ……」


 なんかリオに一人納得された。


 そうこうしているウチに作戦開始である。


 後部ハッチが開き、低空飛行――陸上戦艦の真上に飛び乗るように他の部隊――総数七十機近くのパワーローダー部隊と一緒に降下していく。


 陸上戦艦はまるで第2次世界大戦の大艦巨砲主義の戦艦をSFの宇宙戦艦に仕立て直したかのような造形をしていた。


 巨大な大砲に彼方此方に機銃が設置されている。


 俺達はブリッジの真正面に降り立った。


 次々と陸上戦艦の機銃や砲台が爆発していき、そして迎撃のパワーローダーや無人ロボットなどが出現してきた。


『時間はないぞ!! 後数分もすればシップタウンの射程圏内に入る!!』


『つまりそこまでに片付けろってことだろ!!』


 佐伯の指示を俺はそう解釈した。


 奇襲に動揺しているのか敵の戦力は小出しになっている。

 面白いように砲台が破壊されていき、レーダー設備も無力化する。


『後部、左右、前部から敵が這い出てくるぞ!! 警戒しろ!!』

 

 佐伯の言う通り次々と敵が這い出して来る。

 陸上戦艦の動きも心なしか加速していた。


『進路予測完了! 何度やってもシップタウンに向かっている!』


 その佐伯の言葉を聞いて確信に変わった。


『こいつらシップタウンに戦艦を突っ込ませるつもりだ!』


 俺はそう結論づけた。


『内部に突入して動力炉を破壊するか!?』


 キョウスケが提案するが――


『いや、そんな事しなくても推進装置を破壊した方がいい!!』


 俺は代替え案を提案する。


『私も同意見です』


『ヴァネッサ――』


『装甲で隠れていて分かり辛いですが、この陸上戦艦は一種の巨大なホバー走行で稼働しています。ただホバー部分はブロック構造なため、各ブロックを破壊しないと完全には止まりませんが――中に突入して破壊するよりかはまだマシですね』


『早速やるか――』


 俺は行動を開始しようとしたが――


『その前に敵さんが大勢お出ましだぜ』


 キョウスケが言う通り、ワラワラと四方八方から敵が湧きだしてくる。


『此方上空の戦闘機隊、援護に向かう』


『ヘリ部隊も加勢する』


 上空からミサイルや機銃の雨が降り注ぎ、敵を撃破していく。


『敵部隊の発進と増援を確認――こちら陸上自衛隊、戦車部隊及びパワーローダー部隊は陸上戦艦の足止めと艦内部から出てきた敵部隊と交戦する』


 こちらに接近しつつある地上部隊も陸上戦艦から発進した敵部隊と交戦を開始。


 激しい戦いがさらに激しくなってゆく。


 陸上戦艦の甲板での戦いも同じ。

 爆音、銃声が絶え間なく鳴り響いていた。


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