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第四十八話「因縁の毒蛇」

 Side 緋田 キンジ


 危険地帯と言われていた、はじめて自衛隊がその地に足を踏み入れた場所、グレイヴフィールド。


 今も予断は許さないが一時に比べて落ち着いている。


 それでも軍備増強は急務だ。


 リビルドアーミー。


 最近動きを見せてないヴァイパーズ。


 そして裏で暗躍するフォボスなる存在。


 特にフォボスは世界を跨いで暗躍している。


 冗談抜きで世界の危機だ。


 だが世の中には順序と言う物がある。


 状況が落ち着いている今のウチに、まずはヴァイパーズを完全壊滅させる方針となった。


 ヴァイパーズはリビルドアーミーの支援を受けているらしく、戦力的にも油断は出来ないし、何をしでかすか分からない恐さがある。


 また周辺住民にとっても危険な存在でもある。


 ここらで壊滅させといた方が世の中のためだ。


 それに奴達も此方を潰すつもりのようだしな(第三十四話「あれから・・・・・・」参照)


 ヴァイパーズはシップタウンの北西。


 グレイヴフィールドの南西の方角に大規模拠点、あるいは本拠地があると言われていて大部隊が集結しつつあるそうだ。


 ここから西の方角に存在するリビルドアーミーの本拠地、リビルドシティとの方角的にも、リビルドアーミーとヴァイパーズの支援を行うのは都合がいい立地だと言うのもあるのだろう。

 

 様々な情報を統合するに近いうちに本気で一戦交えるつもりのようだ。


 既に末端の連中が暴発して周辺を荒らし回っているらしい。


 戦いはもう既に始まっている。



 Side 五藤 春夫 陸将

 

 危険な手ではあるがやむをえんと思った。


 この世界に来てから自衛隊初の前代未聞の作戦が続いている。


 今度の作戦もかなりの危ない作戦だ。


 作戦案は二つ。


 基地に襲撃を仕掛け、撃滅する。


 敵が動いて進軍しているところを叩く。


 この二つのどちらか。


 あるいは両方行うかになる。


 最低でも此方の戦力の半分を投入する賭けになるだろう。


 フォボスやリビルドアーミーの件もあるし、なるべく戦力を温存しておきたい。


 だがヘタに守りに入ると痛い目を見る。


 どうするべきか悩んだ――

  


 Side 緋田 キンジ


 俺達、第13偵察隊とリオ達はまずシップタウンに向かう事にした。


 安全路が確保されているので多少強行軍でもいける。


 その前にまず、グレイヴフィールドの外側にいるキャラバンの人達と情報収集することにしたのだが――


『ヴァイパーズの連中、本当に活発化してやがる』


 俺はそう毒付いた。

 キャラバンと合流した時には戦闘が始まっており、急いで介入。

 現地にいた自衛隊とキャラバンやトレーダーの住民と一緒に撃退した。

 この分だとシップタウンも危ないだろう。


 無茶になるがシップタウンに急ぐことにした。

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