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映画デビュー

 Side 緋田 キンジ


【昼間・地球東京都・映画館】


 都内の大きな映画館。

 客席は満員だった。

 

 スクリーンに映し出されているのはフォボスと自衛隊の戦いだった。


 これは日本の上の方々が考えた、広報のための解説付き記録フィルムである。


 全世界を巻き込んだフォボスとの戦いの真相に迫ると言うキャッチフレーズと一緒に放映された。


 まあ堅苦しい説明を抜きにするとダイジェスト映画だった。


 テッキリ、クソ映画になるんじゃないかと不安に思ったが、俺としては楽しめた。


 と言うのも俺やリオ達。

 第13偵察隊メンバーは深層に潜っていたのでその時、他のメンバーは何をやっていたかなど知りもしなかったのだ。


 それを知る上でも中々興味深い映画だった。


(しかしこうしてみるとまんまスターウォーズだな……)


 レールガンやビーム兵器やらが飛び交い、空中戦艦やUFOが激突し、パワードスーツや無人兵器が飛び交う戦場。


 これを見て自衛隊になろうと言う人はいるだろうか。

 

 見せ物としては面白いが、逆に自衛隊になりたがらない人の方が多く出そうな気はする。


 それはそれとして――


『神を滅ぼすつもりか? その手で? 私を滅ぼしてみろ! 待っているのは絶望の未来しか――』


 あの時の事を思い出す。

 フォボスが最後に言った、呪詛めいた言葉だ。


 絶望の未来とは何だったのか思う時がある。


 それはゼレーナやディアボロスの事だったのだろうか。

 それともまだ自分達が知らない驚異の事を言っているのだろうか。


 だとしても抗わないと言う選択肢はない。


 何故なら俺はフォボスを否定した。


 フォボスの管理を否定した。


 だからゼレーナやディアボロスのような敵が現れても――


 本当は戦うのは怖いけれども。


 それでも戦い抜く未来を選択する。


【映画館・ロビー】


「映画で何か考え事してたのか?」


 と、キョウスケに言われた。


「バレたか。ちょっとフォボスの事を思い出してな」


 特に隠す事でもないので正直に言った。


「確かに俺達、ゼレーナやディアボロスとかと戦ってきたけど――謎は多く残ったが何だかんだでどうにかなったじゃねえか」


「ディアボロスの時はこれまでかと思ったけどな。谷村君やヘレンさんがいなければどうなっていた事やら――」


 まさかの3体分裂である。

 ヘレン・P・レイヤーの、今でも謎な隠し玉がなければ危なかった。

 

「そう言えば谷村君は?」


 キョウスケは思い出したかのように、あのディアボロスの事件の時の功労者でもある谷村君の名前を出す。


「プレラーティ博士やヴァネッサと同じく協力者についてくれたよ」


「そいつは心強い」


 谷村君はパワーローダー開発などに協力してくれている。

 また、此方の状況次第では加勢してくれるとも言ってくれた。

 これ程頼もしい事はない。


 パワーローダー乗りとしての実力は世界最高峰。

 

 また内政も出来る。


 とんでもない数の援軍を得た気分だった。


「野郎同士の会話はここまでにしてお互いの女のもとに行きますか?」


 そうキョウスケに提案されて俺も「そうするか」と同意した。 


 未来は不安だらけだが、それでも俺達は乗り越えられる。

 皆と一緒ならまたディアボロスのような奴が現れても乗り越えられる。

 キョウスケと話をしているウチに何故だかそんな確信ができていた。

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