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第三十七話「因縁の終わり」

 Side 緋田 キンジ


 自然豊かな穏やかな場所。

 それ相応にモンスターはいるがそんなに危険な生物はいない。


 そんな場所に場違いな丘群が。

 まるで違う風景画から無理矢理張り付けたような違和感を感じる。

 アレがヴァイパーズとリビルドアーミーの拠点らしい。

  

 上空ではリビルドアーミー同士の空中戦艦同士がぶつかり合い、バードやパワーローダー、ジェスト同士が激突する。


『クソっ!? 自衛隊め!! 何度俺達の邪魔をすれば気が済むんだ!!』


 と、ヴァイパーズのクラーベが緑色のカニ型ロボットに乗って愚痴を吐く。


『そもそもお前達が好き放題に暴れ回らなければ、こうはならなかっただろうが!!』


 と、俺はクラーベの言を否定しながら俺は敵を破壊していく。

 

『数が多いな!!』


 キョウスケも次々と撃破していくが数が多い。

 

『大半は無人機だ!! 雑魚には構うな!! 指揮官機を狙え!!』


 と、上空にいる佐伯 麗子からの指示が飛び、俺は『了解!!』と返した。



 Side リビルドアーミー ランシス


『恐怖の象徴だったリビルドアーミーも地に堕ちればこんなものか!!』


 空中で次々と撃破していく。

 まるで歯ごたえがない。

 弱すぎる。

 いや、元から弱かったのか。


 だとしてもこれは酷い。

 あんまりだ。


 よくこんな腕で生きていけたものだと思う。

 それだけ嘗てのリビルドアーミーが強大だったと言う事なのだろう。


 次々と面白いように攻撃が着弾し、黒い黒煙と小爆発を起こしながら敵側の空中戦艦が不時着する。

 

『ええい若造めが!! 好きにはさせんぞ!!』


 そして黒いアインブラッドタイプが出て来た。

 中はグレムス。

 このリビルアーミーの中心人物だ。


『なぜだ!? なぜこうなった!? なぜ貴様のような若造が!!』


『お前とは違うのだよ!! 満たされていながらただ飢えた獣のようにしか生きられん貴様とは!!』


『ワシが……満たされている!?』


『そうだ!! 満たされている立場いながらそれに甘んじ、堕落し、そして辿り着いた先が今の貴様だ!!』


 空中で激しい銃火を交えながら私はグレムスを糾弾する。


『古きリビルドアーミーは!! この異世界の土地で葬り去られるのだ!!』


『ぬ、ぬぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?』


 ビームサーベルで上から下へと斬り捨てる。

 手応えあり。

 グレムスは爆散した。


『スカーレット(ランシスの副官)!! 降伏を呼び掛けろ!! ヴァイパーズの方は引き続き警戒を怠るな!!』


『はっ!!』



 Side 緋田 キンジ


『ええい!! リビルドアーミーの役立たずめ!!』


『お前との因縁もここで終わらせる!! 覚悟しろ!!』


『黙れ!! お前らを皆殺しにして必ずあの世界もこの世界もわが手に!!』


『山賊風情に出来るわきゃねえだろ!! 現実見やがれ!!』


 クラーベの機体はもう満身創痍だ。

 それでもしつこく後退して部下達や無人機に持ち場を任せる。


 同時に拠点になってる丘の頂上のリフトから20m級の人型機動兵器が這い出てくる。

 まるでカプセルに手足くっつけて様々な武装を限界近くまで載っけたような外観だ。


『まだこんな隠し玉があったのか!!』


『でもやる事は変わらねえ!! ここで倒す!!』


 キョウスケも俺もやる気満々だ。

 皆もそうだ。

 ここで終わらせる。

 ヴァイパーズとの因縁を。


『ええいちょこまかと!?』


『悪いがデカい相手にはもう慣れっこなんでな!! 速攻でケリをつけさせてもらう!!』


 最後にヴァイパーズと決着を付けた後も絶えず戦い続け、この異世界で更なる修羅場に直面した。

 何時までも過去の栄光に縛られて立ち止まっている相手に負ける道理はない。


『クソクソ!! なんでな!? なんでこんなことに!?』


 手当たり次第に全身の火器を乱射するが当たらない。

 逆に全身の火器がウィークポイントになって着実にダメージが与えられていく。

 

『この俺が!! この俺がああああああああああああああああああ!?』


 状況が加速度的に悪くなっていく。

 そんな状況に抗っているつもりなのかクラーベは叫び声をあげる。


『終わりだ!! 合わせてくれリオ!!』


『うん、わかった!!』


 全身の火器を一斉に放出しつつ突撃。

 左右に別れて円を描くように目標を中心に旋回。

 そしてトドメは左右に別れて一斉射撃でフィニッシュ。

  

『そんな、脱出装置が――くそがぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!』


 大爆発とともにクラーベは爆散した。


『呆気なかったね――』


 と、リオが言う。


『まあ、だからこそ他所の勢力と手を組んで暗躍していたんだろう』


 俺は付け足す様に言った。


『ヴァイパーズの連中もリビルドアーミーの連中も、残党はいるだろうがもうこれまでのようには活動できない筈だ――終わったな』 

  

 キョウスケは締めくくる様にそう言った。


『緊急事態だ!! すぐさま帝都に向かうぞ!!』


 安堵とした雰囲気は佐伯 麗子の声でかき消された。 


 一体何が起きた?

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