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第7話 牛丼並盛

 買い物を終え、帰宅した僕たち。

 ちなみにバニーのコスプレは購入していない。

 クソッ……意地張らないで買っておけば良かったかな。

 だけどまた行けば売っているんだ。

 もっとリーゼと親密になってから買いに行けばいいだろう。


 布団を下ろし、リーゼは持っていた買い物袋をベッドに下ろす。

 するとリーゼはベッドに座り、僕を見上げながら言う。


「なあ。ベッドがあるのに、なんで似たような物を買ったんだ?」

「だって……いきなり一緒に寝るのはどうかな……と」

「なるほど。一緒に寝るのが恥ずかしいのか」

 

 恥ずかしいに決まっているでしょ。

 それもあなたみたいな美女と一緒に寝るだなんて……緊張して眠れなくなるでしょう。

 受験前よりも緊張する自信がある。

 それぐらいリーゼととこを同じにするのは危険だ。


「夫婦になるんだから、一緒でもいいだろ?」


 また挑発的にそんなことを言うリーゼ。

 僕は顔を赤くしながら、彼女に答えた。


「も、もっとお互いのことをよく知ってから一緒に寝よう。その方がいいだろ?」

「私はそんなの気にしないけどな。だってもう夫婦なんだし」


 そう言ったリーゼの顔は、ほんのり赤く染まる。

 なんだ。本当はリーゼも恥ずかしいんじゃないか。

 やっぱ可愛いな。


「とにかくさ、焦らなくてもいいだろ。夫婦ならずっと一緒にいるんだから。焦らずゆっくり行こうよ」

「分かった。それでいいよ」

「……ってことで、夜食でも買って来るよ。リーゼは着替えて待ってて」

「ああ。美味しい物を買ってきてくれ」

「了解」


 僕はスキップしながらマンションを出て、夜食を買いに行くことにした。

 可愛い奥さんのために買いに行く夜食。

 こんなに楽しいんだ。

 一人の時はとぼとぼ行っていたけど、人のためならこんなに足取りが軽くなるんだな。


 愉快な気分で僕は夜道を行く。

 そして夜食を購入し、リーゼが待つであろう家のことを想像し、行き道よりも早く帰る。


「ただいま」

「おかえり。早かったな」


 リーゼは緑色のジャージに着替えていた。

 ただのジャージだというのに、良く似合う……

 美女は何を着ても可愛いんだな。


 僕が見惚れていると、リーゼはニッコリと笑う。


「似合ってるか?」

「うん。とっても」

「そうか……それでそんなに喜んでるんだなお前は」


 喜んでいるのがバレていた。

 いや、だって可愛いんだもん。

 仕方ないじゃないか。


「これでこんなに喜んでくれるんなら、あのやらしいの着たらどうなるんだろうな?」


 ニヤリと笑いながらリーゼは言った。

 それは僕にも想像できない。

 漫画みたいに鼻血を出すかもしれない。

 それぐらいリーゼのバニー姿は破壊力があるだろう。


「それで、何を買って来てくれたんだ?」

「ああ。これだよ」


 低いテーブルに購入してきたものを出す。

 リーゼは床の座り、それを物珍しそうに凝視している。


「なんだこれは?」

「これはね、牛丼って言うんだよ」

「牛丼……?」

 

 そう。

 僕が買って来たのは牛丼。

 夜食なので少な目。

 二つとも並盛だ。

 リーゼがどれぐらい食べるのか分からないので、とりあえず並盛にしておいた。

 足りなかったら困るし、とりあえずは並盛で様子を見ておこう。

 これが足りなかったら、これから大盛りにすればいいんだ。

 ……特盛が必要だんなんて、言わないよね?


 プラスチックの蓋を開けると、蒸気がぶわっと上がる。

 中には肉が大量に敷き詰められていた。


「……いただきます」


 口に合えばいいんだけど……

 リーゼはスプーンを使い、牛丼を口に運ぶ。

 桃色の口の中に入る牛丼。

 リーゼは柔らかそうなほっぺをもぐもぐと動かす。

 食べてる姿もまた可愛い。

 いつ何時も可愛い人だ。


「うん。美味しいじゃないか」


 リーゼが喜んでくれた!

 それだけで僕は大満足。

 牛丼の味何て分からなくなっていた。


 だが彼女と感動を共有するために、牛丼の味に集中する。

 甘辛く炊いた肉と玉葱。

 それをご飯と一緒に口の中にかき込むと、口内が幸せに満ちる。

 うん。いつ食べても牛丼は美味い。

 安くて美味くて、言うことないな。


「肉が甘くて美味しいよね」

「ああ。それに玉葱がまた甘くて、本当に美味いよ」


 嬉しそうに牛丼を頬張り、あっという間に食べ尽くしてしまうリーゼ。

 少し物足り気な顔をしていたので、僕は自分の牛丼をリーゼに差し出す。


「これ、足りなかったら食べてよ。僕はお腹一杯だしさ」

「そうか? 悪いな」


 本当は少しお腹が減っていたけど、構わない。

 リーゼの喜ぶ顔が、今の僕にとって一番の好物。

 彼女が牛丼を楽しんでいるのが、一番嬉しいのだ。


 しかし……よく食べるな。

 並盛を食べても、まだガツガツ食べている……

 

 結局リーゼは、二杯目の牛丼もペロリと食べきってしまった。

 これはまさかの、特盛が必要になりそうだな……


 僕はまだ足りなさそうなリーゼの表情を見て、苦笑いしていた。

 リーゼのお金だけど……食費が大変なことになりそうだ。


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