ミッション
人間と動物を融合、その他、クローン作成など神の領域に足を踏み入れようとしている科学組織を必ず誰もが一度は耳にしたことはある。
「NDU…」
リエが呟く。
「でもその科学組織は五年前の内戦で解散したんじゃないのか?」
「世間ではそうなってるけど、実際には影で今もとんでもない実験で様々な生き物を生み出しているのさ」
マサシの問いにシュウが答える。
「五年前、内戦が起きた理由はNDUの研究員達が子供達を誘拐してキメラの実験台にされた事で始まった。その時の内戦に俺たちは軍隊として参加していた。結果的に俺たちはNDUの組織とその実験施設を征服したが子供達は実験に失敗して命を失った。そして数人の子供達を埋葬しようとした時、ある男が現れた」
「ある男?」とマサシが聞く。
「仮面の男さ」
ユウトとマサシが反応した。
「ユウト知ってるの?」
リエが聞く。
「隕石を落とした奴だ」
「あれはやっぱり偶然じゃなかった?」
「話を続けるぞ、その仮面の男は指を鳴らしただけで斬撃を繰り出し一瞬にして百人以上いた兵は死んでいった。奇跡的にシュウと俺は生きていた。」
ジンは目を閉じその時の状況を思い出した。
「くそったれが、お、お前何者だ?NDUの研究員か?」
血を吐きながら仮面の男に聞く。
「そうですねぇ、ま、彼達はただの研究員ですが、あなた達によって消えちゃいましたねぇ…なので」
仮面の男は手を空に上げ指をまたパチンと鳴らした。
ジンは空を見る。
気温がとてつもなく上昇し、気を失いかける。
太陽が近づいている。
もう一度仮面の男は指を鳴らすと太陽も気温も元どおりなった。
「お分りいただけたと思いますが、今の私はこの世界を一瞬にして消す事ができます…取り引きをしましょう、あなたがあるアイテムを私に渡してくださればこの世界は見逃しましょう」
意識が朦朧とする中、ジンが仮面の男を睨みつける。
「貴様、何が目的だ」
「私たちはある女性を追っています…これから私が頼むアイテムは彼女を探す手がかりになるのです…しかしその前にせっかくなのであなた達が私のミッションにクリアできるかどうか試させて頂きます」
「まさか、融合か?」
「賢いですね」
「もし、NOと答えたら?」
「分かるでしょう〜♪消すに決まってますよ…それにもう一人の方は死にかけてますよ♪何もせずに死を待つか、一か八か実験に成功し、生き延びるか」
仮面の男は胸元から注射を二本手にした。
「実はこの二本の内一本は必ず成功できる注射です」
「どういうことだ?」
「どちらかが必ず死ぬ事になりますね♪相棒さんは瀕死状態なので失敗すれば一瞬で死ぬことができますが、あなたは失敗すれば運悪く生命力が高すぎるので苦しみを味合わないといけないですねぇ」
「もし俺が外れを引いた時、シュウは生きるという事だな」
「その通り♪」
ジンに注射を差し出す。
ジンは覚悟を決める。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
広い砂漠の戦地にジンの声が鳴り響く。
腕や足が変形する。今でもバラバラに飛び散りそうだった。
(力を貸してやろうか?)
何者かの声が聞こえる。
「誰だ!!!」
苦しみに耐え頭を抱えながらジンが叫ぶ。
仮面の男は首を傾げる。
(申し訳ないがこのままではお前はここで死ぬ、一つだけ生き延びる方法がある。)
「どうすればいい!!」
(俺と契約することだ、契約すればお前は常人ではなくなるが生き延びる事ができる…どうする?)
「俺は絶対に生きる!!!何があってもこの世から悪人共を消してやる!!!!」
ジンの言葉を聞き入れた声の主は笑いながら答える。
(おもしろい!俺の力をくれてやる!見せてもらうぞ!!お前のその野望を!!)
雨でも曇りでもない青い空から赤い稲妻がジンの元へ着き落ちる。
そして悲鳴と苦しみが収まった。
赤い鱗で覆われた身体。鋭い爪、鋭い目つき、大きな翼、正にドラゴンだった。
ジンは仮面の男に身体を向ける。
「おー!素晴らしいですねぇ、おめでとうございます」
仮面の男は拍手した。
「お前はどちらかが死ぬと言っていたが悪いがシュウも生きる」
「?どういう事ですか⁇」
「この世に絶対はないと言う事だ」
ジンはもう一本の当たりの注射をシュウに打ち込んだ。
二人は死ぬ寸前から生き延び、世界を滅ぼそうとする、仮面の男を止めるため、あるアイテムを探しに行く。
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