Nero Bambola
その少女は、一人路地裏を歩く。その目は虚ろで、生気はなく身なりはゴシックロリータと、まるで人形のような感じ。
歩く少女の足音は、コツコツと静寂した路地に響いた。周りをきょろきょろしながら、あちこち歩く、すると、一軒の酒場の前で立ち止まった。
入り口には、二人の大男が立っている。少女が入るには誰がどう見ても似合わない、だが、少女は悠々と入ろうとした。するとやはりと言うべきか、少女は入り口の男に止められてしまう。
「お嬢さん、ここはあんたみたいなかわいい女の子が来るとこじゃないんだ。帰んな」
シッシッと、裏手で払うように少女に向かいその手を振った。だが、少女はその程度では帰らない、もう一度入ろうと無言で通ろうとする。
「いい加減にしろ!このクソガキ!」
男も面倒になったのか、つかみかかろうとしたその時、なぜか逆に男が宙を舞ったのだ、地面に強く叩きつけられそのあとピクリとも動かなくなった。
「き、貴様!いった何者なんだ!?」
少女は、じっと、もう一人の男を睨みその無口な口を開いた。
「nero・・nero bambola(黒き人形)。」
その名を口にした途端、男の顔には恐怖に満ちていた。それもそのはず、その名は知っているものは知っている、国家ぐるみの暗殺者、だがそれがこんなにも幼い少女だと誰が思うだろうか
「た、頼む!殺さないでくれ!」
大の男が、膝をつき手を合わせ必死に命乞いをしたが・・・・
「生きる価値のない、あんたみたいなやつは・・・・」
ひっ!と男は声を漏らしながら逃げたが、少女は小さなポシェットから、PSSを取り出し発砲した。PSSは音のしない拳銃。そのため、だれにも気づかれない。
静かな路地に響くのは、男の倒れた音のみ。
少女には少々大きなドアを開け中に入る、中は酒場の看板があるには静かで、営業しているか怪しい・・・奥へ奥へと進んでいくと、何やら話し声が聞こえる、あまり大きくないので、少女はさらに息を殺してその声のもとへと歩み寄る。
「いいか、政府の人形どもには気づかれるなよ、奴らは、いつ仕掛けてくるかもわからないからな」
息を殺した、少女は背中のギターケースを下ろし中から、KRISS Vectorを取り出し、サイレンサーなど取り付け、ドアに手を伸ばす。
自分の中で、カウントを行いそして
勢いよく、ドアを開けると視界に入る人間を次々と撃ち、リロードを行うため机を盾にし、その背後で弾倉を入れ替える。
「なんだ!」
マフィアは、混乱し自分のいるほうに、乱射し続けてきた。冷静に少女はスカートの中に手を差し伸べその中から、手りゅう弾を取り出して弾が飛んでくるその方向へ、投げた。
激しく爆発し、一瞬攻撃がやんだその少しの間も、彼女にとっては十分だ、一人残らずせん滅するとその先にある、一つの部屋の扉にたどり着いた。ドアを開けようとすると、違和感があることに、少女は気づきドアにC4爆弾を少量ドアに張り付け爆破それと同時に中に、フラッシュバンを投げ込み中へ、違和感の正体はドアとつなげてあった、手榴弾。ノブを回すと同時に爆発するシンプルな仕掛けだった。その奥側にはフラッシュバンで目を抑え蹲る一人の男。
「き、貴様・・・」
銃を男に向けながら、少女は聞いた。
「お前が、ジャン・ドルポーネ、だな。連行する、聞きたいことがある。抵抗したら殺す」
ジャンは、素直に手錠をかけられ、ネロに連行され外に連れ出された、外には一台の車が待っており数人の黒ずくめの男たちが、車から降りてくる。
「ネロ、あとはこちらで行う。帰れ」
そう言い残すと、男たちは車に乗り去っていく、少女は、スマホを取り出し一人の男に電話を掛けた
「マスター、任務完了帰還します。」
電話の相手は、少女のマスター
「マスターはやめてくれ、普通に読んでくれていいよ」
少女は、その時初めてはにかみながら、名前を呼んだ。
「フィルス・・・・さん。今から帰ります。」
「分かったお疲れ様。」
これが、私の生きる意味で、生きる時間。私はこれからも自分のため、マスターのため。多くの人間を殺していく。
これは、国から死の間際で救われ殺人人形とされた、少女達とその少女にかかわったマスター(主人)たちの話。