表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天眼の宝飾師  作者: 広大
第二部 天界の禁忌と更なる禁忌
20/25

ホメロの仮説

 私が最悪の事態を想像して言葉に出来ず混乱していると。


「何を考えて居るアステリア私達は神だ、よほどの事が無い限り命を奪う行為は憚られましてや赤子の命を奪うなど有り得んぞ、それに誰もアステリアのせいとは言って無いぞ私の仮説にはまだ保管するべき疑問があるのだ、アステリアよキャルが持つ石の波動が分かるかい。」


 ホメロ様に聞かれて気付いたキャルの波動を感じられない。

「分からない何故か感知できません。」


「やはり、アステリアよ星読みの為に使った石をテーブルに置いてから探りながらキャルに近付いてごらん。」


 私はホメロ様の言う通りにテーブルにキャルが持っていた瑠璃石を置きキャルに近付く。

「キャルの石を感じましたけど・・・違和感が・・・。」


「であろうな私も疑うしかなかったがキャルの石とキャルの持っていた石は全て同じなんだ、瑠璃石で波動も内包する魔力もな、だからアステリアは石を持っている間キャルの石の波動を感じ取れなかったんだ、キャルよ説明してくれるね。」


「私が持っていたその石は私の双子の妹の形見の石です、ヒト種に追われ一緒に逃げたのですがヒト種の攻撃で負傷させられました・・・その時ヒト種は私達が石を持つ種族とは気付いておらず私が傷付いた妹に近寄った時に妹から託されました『私はもう逃げられないから私の石を持って行って』と・・・私は言葉通りにまだ息の有る妹から石を取り出し羽衣を纏わせ直して持っていましたが、弱まった羽衣の力では隠し通せずにヒト種に一度は奪われましたが自分達には使えず私と共に利用されてしまいました・・・。」


「・・・そうか済まなかったな辛い事をきいてしまって、しかし私の仮説はこれで証明できるんだよキャルの石は二つで一つ、共鳴による増幅があの時に不測の事態を巻き起こしたのだ、まずアステリオの儀式が始まって最初の異変は天眼石ではなく宝珠の完成、それによりアステリオの肉体へ宝珠を受け止めれるよう干渉し始め全身を駆け巡る中、宝珠の外殻を創る前に予期せぬ星々の大規模移動星落としメテオによる攻撃が宝珠にも干渉した、アステリアの転移で肉体が消滅する瞬間に宝珠が術に干渉したが宝珠は術の干渉を受けない賢者の石だ受ける訳が無い、更にキャルの増幅された魔術が星道に干渉して融合、宝珠にエレメンツの力を与えてしまう元々星落としメテオは重・熱・風を巻き起こす、そして巻き込まれたモノは命・植・土・水・光・悪意の魔とそして聖の世界樹・・・全てのエレメンツに影響を与えその変化を宝珠が吸収してアステリオに与えた、それもアステリアが再構築すると同時にな、そしてアステリオは生を受ける種族全ての最終進化ともいえる容となった、アステリアの思いの力を読んだのだろうなこの宝珠は、賢者の石とは言い得て妙だなこの宝珠自体が賢者で使い手を選んでいるようだしアステリオが主人と主張し守っているのだろう。」


「そんな事が起こり得るのでしょうか・・・まさか、先の儀式の時勝手に儀式が始まってしまった原因って・・・その宝珠が・・・。」


「だったらアステリア、我等は全能か?もし全能なら賢者の石など造作も無く創れるはずだが・・・そんな事が出来る神など聞いた事も見た事も無いだろう?世界初で今後出来る者が現れるとは到底思えない、だがそれが現実だよ我等にも理解しがたい事は多々有る事なんだよ先の神々がヒト種に苦しめられたようにな、先の儀式の開始が勝手に行われたのなら猶更だこの宝珠は賢者としてアステリオの為に独立した思考で動くならば対話も可能かもしれん・・・待て・・・偶然・・・全てが?・・・我等は主様からの削魂の欠片・・・まさか!分魂か?ならば賢者の石となるか、これだけ偶然が重なるとは思えない!ならば必然か、やられたな主様はアステリオと我等に何かを託されたここまで来て何も言い出さないのならばやはり宝珠としての賢者の石が全てを知っているのだな、アステリアや皆よ起きた事を理解したならこれからの事を未来に目を向けて考えよう、まずは儀式を成功させねばならない始めに星読みからやり直し星の位置から儀式場所の特定と瑠璃石の必要力の算出だ、アステリアはキャルの石だけで星の位置の特定が可能であれば直ぐに取り掛かってくれ、龍体は向こうの天女にキャルとその仲間の天眼族の情報共有と仲間に接触し事情説明を天女にさせろ、私は念力で宝珠との対話を試みる。」


 私はホメロ様に言われた通りアステリオの儀式に最も星道が開く星の位置を特定しなくてはならないと思いながら疑問に思った事をキャルに聞く。

「ねえキャル、あなた一人の力であれだけの星落としメテオを発動できたの?」


「一人では無理です共鳴による増幅効果は魔力をかなり使います、あの時術を行使するために他の仲間が私に魔力譲渡の魔法を私の背に手を当てながら発動していました、そうしないと私と妹の石が共鳴増幅しないのです。」


 私と違いキャルは魔力を使う、私とホメロ様は光の力で術の発動が出来るが魔力は使えないのでキャルに魔力譲渡出来るのは龍神だけ、それに今ここに有る魔力は世界樹の周辺に張った結界内だけでアステリオの為に龍神が濃度調整した魔力、術の行使には足りないだろうこれはホメロ様と相談しなければならないと思いホメロ様の方を見るとホメロ様がまだ龍神と話してるので『あちらは深夜、龍神が魔力をこの星に満たすまで時間が有る』そう考え。


「ねぇキャル、少し時間が掛かりそうだからゆっくり待ってて。」

 ホメロ様から仮説とはいえアステリオの事を聞いて自分もかなり動転していたのだと思い『少し焦り過ぎた落ち着かなければ』そう考えてホメロ様達の会話を聞きながら御茶にしましょうとキャルに話掛けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ