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天眼の宝飾師  作者: 広大
第二部 天界の禁忌と更なる禁忌
11/25

創造神ホメロ

「我はヒト種を過小評価していたのだろうか・・・アステリアの教育も・・・残酷な事をしてしまったのは我の甘さが招いたのか・・・」


 光の星の力の波動を全身に浴びながら我は考える、第一世代の創造神様方にヒト種の恐ろしさを随分と聞かされた事を、第三世代として生まれた我としてはどこか絵空事のように思えていたのだ。


「我が身に返って来なければこれ程分からない事も無いのだな・・・」


 抜けていた力が戻って来る、力が漲る事で思考もゆとりが出来て冷静に物事を見つめる事が出来て来る、そして体の中心部から何かが力強く湧き上がる。


「これが怒りか、怒りという感情か・・・この思いを知っているから第一世代の神々は警告を発していたのだな、くっ・・・我は何と愚かな・・・アステリアよ済まない。」


 我のこの怒りのぶつける場は最早無いしそんな事を出来る立場でも無い、なればこれからの事を良く考えなくてはと思う。

 あの時何が起こったのか、アステリアからの叫びのような救援要請に答えて飛び、真っ赤に燃え上がる村を中心に、かなりの広範囲に数々の真っ赤に燃える巨大な何かが落下していたのだ。


「我にもわからないあれは何だ、何の現象だったんだ。」


 一瞬だけ感じた膨大な魔力、その魔力の波動はヒト種の発する波動だと瞬時に感じ取ったがそれまでだった、アステリアからの要請が第一だった。

 一つの星に我がどこまで手を出せるのか、どこまで変革干渉が許されるのか。


「冷静且つ迅速に考えて対策をとらねばならんな、あ奴らの起こしたこれ程の事案我一人の思考では答えは出せん、急ぎ戻ってアステリアと龍体に話を聞きながらアステリオの為にもこれからの道筋を模索しなければ。」


 光の力の体内循環を確認して急ぎアステリアの元に飛んだ。


「急ぎ戻った、待たせてしまい済まないなアステリア、どうせ誰に聞かれる事も無いんだし鷹揚な話し方は疲れるので普段の言葉使いに戻させてくれ。」


「至急の御戻り有難う御座います、ホメロ様の御戻りを御待ちしてからこれからの事を相談したく思い、まだ何一つ決めてはおりません、ですので・・・」


 アステリアの悲痛な焦りが多分に感じられ、落ち着かせなければ先に進めないので、あえて話を打ち切る。


「待て待てアステリア、私はアステリオの状態を何一つ理解しては居ない、まずは私にアステリオを調べさせて欲しい。」


 アステリアは暫し黙考して口を開く。


「なればホメロ様、折角お創り頂いた舞台と祭壇、篝火等々普段村には有り得ない物を消して頂き、未だ村と周辺の森以外何一つ造られておられないならば、森を抜けた先に草原を創って頂き、そこにテーブルセットとこの子を寝かせるバスケットを御創り願えますでしょうか?ティーセットなどは私が普段使っている物をこちらに飛ばせますので。」


 ああ私はまたもや・・・アステリアに焦るなと言っておきながら、彼女の心情を慮ってやれなかった、悲劇の中心にあった舞台と祭壇を創りし私が、あの一瞬の時には完全再現のみに注意していたのは仕方ないとはいえ、その後修正する時間は多大にあったはず・・・

『何が神か。』

 矮小な自分に嫌気がさす、アステリアにそんな心境を気付かれてはいけない、そう思いながら静かに返事を返す。


「わかった、すぐに願いを叶えよう。」


 私は力を開放しながらアステリオを調べてとにかく行動する事だと自分に喝を入れ、皆と一緒に飛ぶのだった。


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