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スキルとは概念でしかない

 次の日から修行が始まった。

とは言えまずは釣りだ、五人家族だから10匹あれば、全員に魚は行き渡る、というか、別に貧乏ではないので餓えることはないのだが 、働いてる人優先で食事量が変わる、てっきりうちの家は長男教でご飯の量が違うと思ってたわ、昨晩のご飯は、次男のヴィルスよりも多かった、正直気まずいからやめてほしい、ヴィルスの視線が痛かった。


食い物の恨みは怖いって言うし、兄弟仲悪くなったりして欲しくないな。


 川に着くと次元倉庫ディメンションストレージに父さんの釣竿をしまうと、師匠からもらった釣竿で釣りを始めた。

糸をたらすと、本当に自動で進んでいく 、一瞬のうちにヒットした。




ずぶ濡れです……

30cmオーバーの大物でした。

これ近くにいる獲物から釣ってるから大物とか小物関係なしだわ、水に生えてる木がなかったたぶん死んでたわ。


自動釣り機、恐ろしい子……


そこで俺は腰ひもを取り、釣り竿と木を結んでから釣糸を垂らすことにした。


結果は10分で20匹だ、しかも30cm以上の大物もバシバシつり上げる。


 しかし、どうしよう、こんなに子供が持っていったらおかしいよな、

『とりあえず大物は次元倉庫ディメンションストレージで保存しといたらどうでしょう』


そうだな、それしかないか。


とりあえず全部次元倉庫ディメンションストレージに入れた。

『大物は三枚におろしますか』


はぁ? 下ごしらえできるの?

『獲物は素材ごとの部位に分けることが出来ます』


有能じゃないかナビさん、標準装備呼ばわりしてごめんなさい。


 さて、師匠のところいくか、俺は足早に遺跡に向かった。


「遅いよヴィクトル」

「すみません、この釣竿大物とか小物とか判別しないでつり上げるので、川に落ちてしまいまして」


びしょ濡れになったからちょっと嫌みをいってみる。


「そんなことないだろ、ギャング針の上にある重りにメモリあるだろ、そこでサイズ調整すれば良いじゃないか」

「ええと、師匠、そんな話聞いてませんでしたけど」

「うん、言ってない」

そう言うとケラケラ笑い出した。


ひとしきり笑った後、念の為に七つの祝福(ギフト)宿業の因果剣(カースオブカルマ)の事を話した。

驚かれただけで、修行が開始した。


 どんな魔法とか剣術教えてもらえるんだろう。

期待に胸を膨らませていると、師匠は物寄せで丸い球を取り出した。


「師匠なんですかそれは」

「まずはこの球体を追ってランニングな」

「え、剣術とか魔法教えてくれるんじゃないんですか」

「おまえ、体力一般人に比べて低いからまずは体力あげた方が良いんだよ」


まあ、確かに一般人5で俺2だしな

『この修行は理にかなってますね、まずは基礎体力をあげましょう、神の加護があるので体力上がりやすいですよ』


「わかったら行きな」

 そう言うと、球体を空に投げた、球体は俺を待つことなく進み出した。


遺跡の回りを3周ほどしたろうか、距離にすると5kmほどだ。


倒れました、見事に力尽きました。

これ地球の時の姿でも倒れる自信あるわ。


でこぼこの道なき道をランニングとか自殺ものですわ。


 俺が遺跡前の草むらで休んでいると師匠が傍らに椅子を出して座った。


「なあ、ヴィクトル」

「なんでしょうか」

正直喋るのもキツイ


「スキルってなんだと思う」

スキル、そう言えばなんだろう。

「ええと、技能ですか」


「ふむ、スキルというものはな、神の優しさだよ」

「どう言うことですか? 」

「甘やかしといった方が良いかな」

「地球にスキルなんかあったか? 」

「ないですね」


地球にもあれば便利だよな 。

あ、でも俺の場合、落ちこぼれそう。


「つまり、この星の神がこの星に住む物たち可愛さにスキルと言う物差しを授けたんだよ」


「そしてスキルにはレベルがありそのレベルごとに技がある」


LV1~3を初技(しょぎ)

LV4~6を修技(しゅうぎ)

LV7~8を絶技(ぜつぎ)

LV9を極技(きょくぎ)

LV10を神意(かむい)


「そして地球的感覚で言えばスキルは熟練度のはずなんだ、だがここでは魔物を倒した経験値でスキルレベルも上がる」


なるほど、訓練が要らないのがスキルの良いところなのか


「では熟練度はどこへ行ってしまったのか」

「スキルシステムに上書きされてるんじゃないんですか? 」

「ちがう、仮にそんなことをしたら、身体操作のスキルを持ってないやつは、動くことすらできなくなる」

「ということは、熟練度はあるということでしょうか? 」

「そういうことだ、分かりやすく実演しようか」


 そう言うと物寄せで槍を取り出した。

師匠に槍スキルがないのは昨日確認している。


師匠には槍術スキルはない、だが研鑽の結果、槍術スキルLV10の者と対等に渡り合えるようになったそうだ。


槍をブンブン振り回す突く、確かに、凄い動きだとてもスキルなしには見えない。


最初、スキルの技だけは使えなかったそうなのだが、LV10のものにスキル技を使ってもらって模倣することにした、何度か練習するうちに発動したそうだ。


「見せてやろう、槍術のスキルを! 」


初技(しょぎ) (ドチ)

その技は魔力の矛先を飛ばす技だ、魔力の矛先は大木を貫き後ろの木をなぎ倒して止まった。


「初技でこの威力なのか…… 」


 その言葉に気を良くした師匠は、LV2~9までの技を放つ

どれも素晴らしい威力でここら辺一体の木はすべて、なぎ倒された。


そして、師匠は10枚の土壁を作り出し

そこに向けて最後、レベル10の技を放った。


神意(カムイ) 神槍螺旋撃(テンペスト)


10枚の壁は一瞬のうちに粉々になった。



「一応今ので百分の一の威力だ、LV999が本気出したらこの国地図から消えちゃうしな」

そう言うとケラケラ笑う師匠、ぱないです。


神意(カムイ)か、かっこいいよな。

俺は足元に落ちてる木の棒を拾うと、師匠の真似をして、初技を使ってみる。


たしか、こうやって「初技(しょぎ) (ドチ)

その瞬間、矛先から小さい光が出て木を穿った。

「師匠! 今なんか飛びましたよ! 」


師匠の方を見ると顎が外れそうに驚愕の表情を浮かべている。

「おま、それ、できてるじゃないか……」

「え、でも、師匠ほどすごくないですよ」

「一般人はそのくらいの威力だよ」


「何となくできそうな気がして…… 」

「出来そうなって、おま」


超理解力ハイパーアプリヘンションによって先ほどの槍術はすべて理解されました』

「師匠、なんか祝福(ギフト)超理解力ハイパーアプリヘンションでさっき披露してくれた槍術はすべて覚えちゃったみたいです」


「まじか……」

『「マジです」』



「今度は神意(カムイ)を撃ってみな」


「さすがに無理じゃないですかね」

「まあ、失敗しても良いからやってみな」



神意(カムイ)神槍螺旋撃(テンペスト)

なにも起きない……

「あーなるほど」

「なにか分かりましたか」

「あれだ、槍術の熟練度が足りてないんだわ」

「つまり、形だけ覚えて撃ってるってことなんですか? 」

「そういうことだ、普通はあり得ないけど超理解力ハイパーアプリヘンションってのがかなりチートなんだろうな」


「じゃあ師匠槍術教えてください」

「ダメに決まってるだろう、きっちり基礎トレーニングからだ」

「そんなー」

「楽しようとするな、大体まず教えるのは剣術、次は魔法って決めてあるんだよ、っていうかそれ以上スキル関係は教えんし」

「なんでですか! 」

「称号を得る前に色々覚えると、ねらった称号を得られなくなるんだよ」

「でもスキルなんて概念でしかないんですから、称号なんてなんでもいいじゃないですか」


「あほう、称号はかなりのステータスアップになるんだよ、私の称号見てみなさい」


剣聖

攻撃力+100%

防御力+100%

HP+1000

物理ダメージ軽減 50%


魔導王

魔力+100%

MP回復速度+100%

MP+1000

魔法ダメージ軽減50%


「ふぁ、っていうか師匠の方がチートじゃないですか」


チートと言われて嬉しそうに笑う 師匠、骸骨だけどかわいいな。


「一応、ヴィクトルには剣聖か魔導王が付くように鍛えるつもりだから覚悟しときなさい」

「剣聖か魔導王ですか…… 」

「そりゃあ、(エイジリア)の弟子が釣り師じゃシャレにならんだろ」


俺 、十歳の誕生日まで生きていられるよね……







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