フラグを立てたら回収しましょう
……で、腹を満たしたところ。
「さて……俺らに出来ることは少ないが、一体全体、どうするっていうんだ?」
「考えてない!」
「身も蓋もないな……」
実際、私たちみたいにギルド単位と言うより、グループ、仲間内レベルの集団じゃあ出来ることは、ほんのわずかだ。
なんなら、私たちはたった二人だし。
「まぁ、困ってそうな人を見かけたら、何か手助けする。そんなんでいいんじゃない?」
「それもそうだ……な……」
「どした?」
急に何かに気をとられた様子のキサラギを見て、不思議に思った私は、キサラギの見ている先を見る。
すると、そこには……。
「なぁ、お嬢ちゃん?」
「俺らが見たところ、初心者だろぉ?」
「あ、あのっ……」
「可哀想だなぁ、楽しみにしてたゲームが、いつの間にかおかしなものになってたとはよぉ」
「あぁ、全くだなぁ」
「まぁ、安心しな?右も左も分からねぇお嬢ちゃんに、俺らが色々と、て・ほ・ど・き、してやるぜぇ?」
「あのっ、そのっ……」
どこからどうみても、柄の悪いチンピラとそれに脅されてる女の子です。本当にありがとうございます。
「わ、わー。こんなことってあるんだねー(棒)」
「せ、せやなー(棒)」
「……フラグ回収、してしまった」
「解決しよっか……」
フラグを立ててしまったので、回収します。ほっとけないし。
「ちょっと、あんたら?」
「あぁっ?」
「誰だぁ、てめぇ?」
て、テンプレだ……実はわざとなのでは?
「そこの子、いやがってるでしょ?」
「なんだとおめぇ?」
「俺らはよぉ、優しく教えようとしてるだけだぜぇ?」
「なら、せめてまともに話しなさいよ……」
「大丈夫?」
「す、すみません……」
よし、キサラギが女の子を無事に保護してくれた。
「おいこらおめぇ!?なにしてんだぁ!?」
「いたいけな少女の保護」
「勝手にしてんじゃねぇぞ、あぁ!?」
ここまでテンプレにはまってると、笑っちゃうんだけど。
「ククク……」
「あぁ!?笑ってんじゃねぇぞ!?このアマ!」
「あぁ?」
ちょっとムカつくなぁ……お仕置きしないと、わかんないのかなぁ?
「じゃあ、対人戦やる?」
「ああいいぜぇ?おめぇなんか、ボッコボコにしてやんよ!」
おっ、のったのった。思い切りやれそう。
「二人まとめてでもいいよぉ?あんたらなんて、一捻りよ」
「いったなぁ?」
「なら、乗らないわけにはいかねぇな?」
「覚悟しろよぉ?」
「そっちこそ!」
そんな私たちを女の子は心配そうに、キサラギはこのあとの展開を察して遠い目をしている。
「可哀想に……」
「本当にすみません、迷惑をかけてしまって……」
「ああいや、可哀想なのはチンピラの方で……」
「……えっ?」
可哀想なのは、チンピラです。
大事なことなので私も繰り返して言うよ!
感想モラッタ……ウレシイ……