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TO チェリー

真っ青になったちえりは謝罪覚悟ですぐさま着信相手を確認する。そしてついでにみえた時間は……


「あれ……」


普段ならまだ夢の中の午前七時二十五分。まだそう焦る時間ではなかった。


「瑞貴センパイがいっぱい……と、真琴にお母ちゃんもだ……」


んんん? なんで瑞貴センパイの番号知ってるんだっけ? と嬉しい反面、心当たりのないちえりは斜め上方に首を傾げると見慣れぬ光景が広がる。

すると再度犬が手元でわめきはじめた。


"ワンワンワン!!!"


着信音に感情などあるわけないが、なぜか焦っているような、怒っているような……そんなマイナーな感じがヒシヒシと伝わってくる。


着信<<<桜田瑞貴


「は、はいっ! ただいまっっ!!!」


(なんで!? なんで瑞貴センパイが!?)

震える手で通話ボタンをタッチしたちえり。


「もしも……」


『チェリー!? 良かった! って寝てたのんねべね(寝てたんじゃないだろうな)!?』


「え? え? 寝ったっけ(寝てた)……よ……?」


『ばかっ! メールしたべっ(メールしただろ)!!! すぐ昨日面接受けたビルさ来い(ビルに来い)っ!!』


ツーツーツー……


鬼気迫る瑞貴の声に恐る恐る古い順にメールを確認すると……


"ちえり、お母ちゃんもお父ちゃんも心配してる……(泣き顔文字付き)"


"明日朝一で上に掛け合ってみるからちゃんと起きていつでも会社に来れる準備だけしとけよ!"


"返事ねぇけど……もう寝たのか? 目覚ましコールしてやっからちゃんと起きろよ?"


"今から会社行く! 期待して待ってろ!!"


"おっはー! 都会の孤独な朝はどうだい? もう帰ってきたいだろ~?そうだろ~??? ってか! ちえりってば兄貴の会社の面接だったの!?"


"寂しい朝を迎えている貴方に……百パーセント出会える!"


間違いなく最新のメールには悪意を感じ、即刻削除した。

実家の母と父のメールに和み、親友からの言葉に笑っていると……見過ごせないその途中の瑞貴からのメールに飛び上がった!


「そうだっ! 私瑞貴センパイの会社に掛け合ってもらってる最中だったぁあああっ!!!」



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