ぼくは骨
ぼくは骨
ぼくは骨。土に眠るただの骨。
遠い遠い昔、人間が狩りをして自然と一緒に暮らしていた時代に、ぼくは住んでいた。豊かな森と動物。透明な川のせせらぎに優しい木もれ日。甘ずっぱい木の実にやわらかな新緑の匂い。湿っぽい土に舞い上がる木の葉。ぼくは自然と共に生きた。ぼくは暖かい日差しをあびながら、静かに寝ていた。
ふと、ぼくは真っ暗な場所で目を覚ました。
指がぴくぴくと動き、手足の感覚がある。どうやら体を丸めて横になっているようだ。足を動かすとざらざらした感触があるので土の中らしい。固まった首をきしませて見上げると、ひとすじの光がもれている。ぼくはぼんやりと光をながめ、そこへ手をあててみると、ぎょっとなった。
骨だった。あわてて体中を触ってみると、全身が骨だった。目や鼻は空っぽで口も歯がむき出し。頭をたたいてみるとこんこんと軽い音がした。ぼくはとほうに暮れた。ぼろぼろの服を着た骨がぼくだったのだ。どうして骨になったのだろう。お父さんとお母さんはどこにいるのだろう。座って考えていても、こんがらがるだけだった。とにかく行動にうつすことにした。ここから脱出すれば何かがあるかもしれないし、仲間に会えるかもしれない。ぼくは両手を光の部分につっこんだ。ぱらぱらと土が落ちてくる。光がちょっと大きくなった。その穴めがけ、頭を押し込んだ。最初は両側がひっかかっていたけれど、あちこち体を動かしていたら、首が地面からにょきっと出た。視界が一気に明るくなった。ぼやけた視界で見回してみると、一面が森に囲まれている。風にゆれる背の高い木々。ぼくはやる気がみなぎり、全身を外へ出そうとしたけれど、肩が引っかかってこれ以上抜けそうにない。いくら踏ん張ってみても首がとれそうになるだけだった。困って首をめぐらし、助けを呼ぼうとした。「助けて!」と叫ぼうとしたのに、ぼくができたことは歯をかちかち鳴らすだけだった。
ふいに、なにかに頭をつかまれた。ぐいっと引っ張られる感覚があり、体が一気に土の中から出た。見ると、茶色の毛におおわれたクマが立っている。クマが助けてくれたのだ。ぼくは感謝を伝えようと歯を鳴らした。
クマはぼくを見つめながら、しきりに木の枝の一部分を差していた。不思議に思いながらそこへ近寄ってみると、とても大きなハチの巣があった。クマは後ろに小さな子供を三匹連れていた。子供達はぼくをおっかなびっくり見ている。「困っている人がいたら迷わず助けろ」というお父さんの言葉を思い出した。毛むくじゃらの体をしたクマは人ではないけれど、まぁいっか。「待っていてね」と声を出す代わりに歯を三回鳴らし、木へそろりそろりと歩みより、ハチの巣を手でもぎ取った。ハチは怒ってやたらめったら刺してきたけれど、ぼくは骨。自慢の攻撃が効かないことが分かると、ハチはあきらめてどこかへ飛んでいった。
ぼくはハチミツたっぷりの巣をクマに渡した。お母さんはさっそく子供達にごちそうを与え、子グマ達は仲良く美味しそうになめはじめた。クマはぼくを見つめて、深く頭を下げた。それは「ありがとう」と言っているように感じた。ぼくは嬉しくなった。目覚めてすぐ、良いことをして良かったなぁと思った。親子クマと別れ、すがすがしい気持ちで森を歩きはじめたら、ふいに変化が起こった。
なんだかよく聞こえる。ぼくはあわてて頭の両側を触ってみた。耳があった。白いずがい骨に、耳が二つちょんと付いている。その奇跡におどろき、小踊りして喜んだ。川のせせらぎ、木々の葉ずれを楽しく聞きながら歩いていると、どこからともなく鳴き声が聞こえてきた。助けを求めているかのような声だった。
声を頼りに行ってみると、大きな体をしたゾウが首を振っていた。長い鼻が木の枝にからまっている。食事をしていたら、こんがらがってしまったようだ。ぼくは「心配しないで」という思いで歯をかちかち鳴らし、一生けんめい木によじ登り、長い鼻を枝からそっとほどいてあげた。鼻をひと振りし、ゾウは輝く目をこちらに向け、高らかにぱおーと鳴いた。それは「ありがとう」と言っているように感じ、ぼくは嬉しくなった。
ゾウと分かれてすぐ、ぼくはまた違和感を覚えた。いい匂いがする。木の落ち着く匂い、すみ切った空気、甘い花の香りを胸いっぱいに吸い込んでみる。そっと顔の真ん中を触ると、突き出ていた。鼻が生まれた! その不思議な奇跡にすっかり上機嫌になり、ぼくは森を跳ねるように進んでいった。
突然、頭の上に何かが落ちてきた。見るとひな鳥が二羽、地面でもがいている。ひな鳥達を優しく両手ですくい、空を見上げるときれいな色の鳥が旋回していた。困ったような声で何回も鳴いている。足元には壊れた巣が転がっていた。事情を理解したぼくは巣を両目の中へ入れてひな鳥を一羽ずつそこへ置き、親鳥をあおいで歯をかちかちと鳴らした。鳥は警戒した様子でぼくの周囲を飛んでいたが、やがて安心したように鼻の上にとまった。ぼくは木にもたれて座ることにすると、親鳥はひな鳥達にせっせとえさを運ぶようになった。ひな鳥達は日に日に大きくなり、ぼくの目ではきゅうくつに感じるくらいとなった。やがて巣立ちをむかえ、二羽のひな鳥は目から力強く飛び出した。あざやかな鳥達は頭の上をくるくると回り、かんだかく鳴き、遠く広い空へと飛んで行った。
小鳥達の残した「ありがとう」という気持ちは、とても嬉しかったけれど、ちょっぴりさみしさも感じた。
目の部分に足りない感じを覚えながら歩いていると、急に視界がひらけた。目がはっきりと見えるようになったのだ。りっぱな木立、小さな芽吹き、空の青さ、透明な川、虫達の行進があざやかに映る。ぼくは走っていって、川をのぞき込んだ。ぱっちりの目がこちらを見返している。ぼくは新しく生まれた部分を使って、耳や鼻を見つめた。耳たぶをさわり、鼻をつまんだ。口だけがまだ喋れず、かちかちと鳴らすことしかできない。ぼくはだんだんとはっきりしてくる世界にわくわくし、森をひたすら歩き続けた。
いきなり目の前に動物が突っ込んできた。ぼくはあわてて横に逃げ、それは森へ消えていったけれど、また勢い良く戻ってきた。よけようと踏ん張っていると、その動物は目の前で急ブレーキをかけた。よく見るとそれはイノシシだった。イノシシは非常にあせっているようで、なんだろうとぼくが首をかしげているとイノシシはアゴをくいっと後ろに向けた。ぼくが背後を振り返ると、イノシシはぶるん、と怒ったように一声鳴いた。違うようだ。イノシシは頭を低くして、ぼくの腹近くで前足をおった。それは「背中に乗れ」という意味のようだったので、恐る恐るイノシシの背に乗り込んだ。すると乗ったとたん、ものすごいスピードで森の中を走りだした。飛ばされないように背にしがみついていると、イノシシはある物の前で停止した。
そこには見たこともない固くて大きな四角い箱があった。灰色の棒が何本も立ち並び、恐ろしく重々しい雰囲気をかもし出している。そこから世にも悲しげな叫び声がもれている。のぞき込むと、まだ若そうなイノシシがそこで暴れていた。ぼく達はその箱をゆすったり、ひっぱったり、けったりしたけれど、それはびくともしない。かみ付いてもムダだった。ぼくには歯が立たないと、あきらめの心がしのびよったけれど、苦しげなイノシシ達の声を聞いていると、なんとしてでも助けてあげたかった。箱の横側に付いている棒を力いっぱいひっぱてみると、下に少しすき間が開いた。棒をゆすらずに考えてみると、ピンときた。ぼくはそれを全力で持ち上げた。ぎぃーっとぶきみな音を立てて、箱の棒が開いた。若いイノシシは身を低くして出口までそろそろと進み、一目さんに逃げ出した。ぼく達もすぐにそれにならい、安心して笑い声を上げ、楽しく森を走った。
鼻を鳴らしながら「ありがとう」とイノシシは言った。ぼくも嬉しくなり、笑顔で「良かったね!」と叫んでそれに返した。
イノシシ達と別れて上機嫌で歩いていると、ふと新しい事実に気付いた。ぼくはさっき喋らなかっただろうか? 小さく声を出してみた。耳に入る「あー」という音。森の木立に向かって大声を張り上げた。広い静かな木々の中に叫びが吸い込まれていく。体はまだ骨だったけれど、ぼくは嬉しくてはしゃぎまわった。疲れると大の字に転がり、肩をふるわせて笑った。
森の中を数日歩き回って、ぼくは色々な動物達とも仲良しになった。この森がとても気に入ったので、家をたてることにした。一から作ると大変だから、川のほとりにあるくぼみを利用した。くぼみをきれいに掃除し、そこにわらのクッションをしく。今までに友達になったクマやゾウ、鳥やイノシシ、他の動物達も手伝ってくれた。その頃には動物達が伝えたいことが全部分かるようになっていた。土で壁を作り、枝と葉っぱを木から分けてもらい、それらを屋根やとびらにして、わらを一部もりあがらせ、寝床とする。木の実や果物をおいて中を色とりどりにし、細い葉を編んで壁にかざる。鳥がどこからか持ってきたきれいな石も家に付けた。思ったよりもすてきな家が完成した。ぼくは暖かい家の中で丸まって眠った。幸せだったけれど、夜一人ぼっちになると、やっぱりぼくと同じ人間に会いたかった。そして、骨ではなく人間になりたかった。
その日は朝から雨が降っていた。昼から強風が吹くようになり、とうとう嵐になってしまった。ぼくは枝をたてて壁を強くし、内部のわらを増やした。雨水が中に入ってこないか警戒していると、葉っぱで組んだとびらが開いた。嵐のせいだと思ったら、外には体を震わせた動物達が立っていたので、あわててみんなを家の中に入れた。多くの仲間が集ったせいで狭い家の中はぎゅうぎゅう詰めだったけれど、みんなで身をよせあったら気持ちがほっとした。ぼく達は物語を話し合った。クマは身ぶり手ぶりをまじえながら森の神様という話を聞かせてくれた。
『森の神様は気まぐれで、お調子ものでした。森を守るのが役目なのにふざけたことが大好きで、たまに動物達にイタズラをおこないました。いきなりウサギの耳を引っ張ったり、サルの尻を叩いたり、キツネに風邪を引かせたり、今のように嵐をおこしたりします。びっくりする動物を見て神様は大笑いをしているとか。ですがほんとうは優しい神様で、森でおこなわれた親切はちゃんと見ていて、お願いごとをかなえてくれる時もあるそうです』
ぼくはその話を興味しんしんに聞いた。他にもとても小さな女の子が冒険する話や、のけ者のひな鳥が白鳥に育つ話、見えない服を着た王様の話を聞いた。
あっという間に時間が過ぎていき、嵐は去っていった。外に出てみるとあざやかな虹が出ていた。体をのけぞらせて青空と虹をながめてから、みんな「ありがとう」と口々に言って帰っていった。ぼくは胸が暖かくなった。ほほに水滴が一つ落ち、ぼくはその冷たさにびっくりした。顔に触ってみると皮ふができており、ふさふさとした髪も生えている。ぼくは近くの水たまりで顔を映した。十歳くらいの子供が元気そうに、ぱっちりとした目でぼくを見返していた。にっこりと笑いかけると、子供も笑顔をうかべる。ぼくってこんな顔だったっけ! まだ体は骨だけど、着実に人間に近付いている。クマのお話を思い出した。森の神様がいるなら、感謝しなくちゃ。
翌日に両親のことを考えながら森を散歩していると、ひどくびっくりすることが起こった。ばったりと人間にでくわしたのだ。だけど、ぼくが知っている人間とずいぶん違っていた。顔がしわだらけの男の人で、髪は何かをぬっているのか、てらてらと光っている。歯は黄ばんでおり、口には煙が上がる不思議なものをくわえている。その匂いが強烈で、目から涙がにじんだ。変な服のすそをいじりながら、男の人は口を開けた。
「迷ったのか? 名前は?」
ぼくは首を傾げた。何を言っているか全然分からなかった。せっかく人間と会えたのに、喜びが急にしぼんでいった。男の人はぼくに歩みより、腕をつかんだ。がらがら声がまたひびいたけれど、意味は通じない。ぼくが「何を言っているの?」と伝えようとしたら、男の人はネコがひっくり返ったかのような大声を上げた。視線は骨がむきだしのぼくの腕にそそがれている。男の人はそのまま絶叫をあげながら逃げていった。
「変だなぁ。おじさんも中は骨なのに」
ぼくは口をすぼめた。たしかにまだ人間と同じじゃない。だけど、おどろいて逃げるようなことじゃないと思った。なんとなく嫌な気分になり、とぼとぼと森を歩き続けた。
きっと森のどこかにぼくの知っている人間達のすみかがあるだろう。そこで自然の命を分けあいながら生きていて、木の実やきのこ、山菜や魚を取り、時には狩りを行う。ぼくが人間になったらその仲間に入り、人間と動物、みんなで協力し合って暮らしたい。ぼくが骨となる前と同じように。そう思いながら散歩をしていたら、灰色の箱があった。前にイノシシを助けた時の箱にそっくりだった。横がせり上がっており、中には何も入っていない。横切ると変な男の人がくわえていた煙の匂いがした。ぼくの胸はぎゅっと苦しくなり、小走りしてそこを通った。しばらくして、森がひらけた。
「あれ……?」
その場所はゆるやかな坂になっており、草が刈り取られ、じゃり道が広がっている。前方にあるのは大きくなめらかな白い箱。かべの一部にはすき通った薄い板が付けられていて、箱の上には三角の茶色い板がのっている。家のように見えるけれど、ぼくが知っている家とは違っていた。あんぐりとながめていると、そこから二人の人間が出てきた。白髪のおばあさんが穏やかな表情をして、ぼくと年が同じくらいの女の子の手を引いている。二人はゆっくりと道を進み、何やら話していた。赤い服を着て、ふっくらとした足をした女の子はおばあさんの手を離れ、小石がしき詰められた道を楽しそうにぴょんぴょんととんだ。女の子はおどるようにぼくと反対側の道を歩いていく。おばあさんは曲がった背でゆったりとその後を追った。その向こうにもたくさんの白い家が並んでいた。森がなかった。そう、この先は森でも草原でもなく、奇妙な家ばかりだった!
ぼくは森の中へすぐに戻った。先ほどの光景を考えていると、胸がどきどきして頭がこんがらがった。土の中で眠っていた間に、いったいどうなってしまったのだろう。
見なれたぼくの家へ全速力で帰っていると、動物達が大あわてでこちらへ走りよってきた。動物達は混乱状態で「森が、森が……!」と叫んでいた。ぼくはパニックがうつってしまい、うろたえて事情を聞き出せなかった。みちびこうとする動物達の背に、からまる足でついていくのが精いっぱいだった。
熱が顔をさっとなで、こげ臭い煙が鼻をふさぐ。視界は真っ赤にそまり、耳はぱちぱちとはぜる音を聞いた。全身がふるえだし、歯はかちかち鳴った。
「火事だ……!」
やわらかな緑の木々はあれくるう炎にのまれていた。火は恐ろしい勢いでどんどん広がり、自然をこがしていく。動物達は逃げまどい、うろたえ、どうしていいか分からないようだったので、とにかく安全なところへ避難するよう叫んだ。動物達によると炎に巻きこまれたものはいないようだった。ぼくはどうしたら火が消えるかを考えた。火が嫌いなのは水だ。問題はどこから水を持ってくるのか。すぐにピンと来た。
「みんな、川を使うんだ!」
ぼく達は大急ぎで穴を掘ってみぞを作り、小川から水を引いた。火をはばむように水を流す。小川から流れた水は火にぶつかり、すさまじい音を立て、煙を上げた。ぼく達は水を火にかけ続けた。クマは飛び込んで水しぶきを起こし、ゾウは鼻から水を噴出させた。小鳥は羽ばたきで水をかけ、イノシシは後ろ足で水をけり上げた。他の動物達もできる限りのことをした。火の進行はくい止められたものの、一向に弱くならない。ぼく達はくじけかけた。
「おい、火事だぞ!」
その時、反対側から人間の声がした。言葉は通じなくても、その人がひどくあせっているのが分かる。何人かの怒鳴りあう声がした後、うなるような音がひびき、大量の水がかけられる音が聞こえた。それにはげまされ、ぼく達もけんめいに水を流し続けた。
動物達の努力が実って火はみるみる小さくなり、やがて消えた。だけど、森の多くが燃えてしまった。ぼくの家も灰となった。すみかを失った多くの動物達。悲しくて涙があふれた。大声で泣き、体を震わせる。こぶしで何度も地面をたたき、胸を強くおさえた。すると、それはやわらかい感触がした。あわてて服をめくってお腹をのぞくと、ぽっこりとしたヘソがあらわれた。両手はイモムシのような指にかわり、足も丸くふくらはぎがついている。ぼくは涙でにじむ視界で、全身を見渡した。どこの部分も骨じゃなかった。
ぼくは人間になった。人間になったんだ!
望みがかなった。悲しみの奥からうれしさがこみ上げる。とつぜん、声が聞こえた。そこへ顔を向けると男の人が立っており、もうもうとした煙越しに手を振っていた。ぼくを呼んでいるのだ。向こう側へいけば、人間といっしょに暮らせられる。知っている人はいなくても、人の輪に入れる。あの女の子の笑顔が浮かぶ。――だけど。
ぼくはまっ黒こげになった森をながめた。動物達がとほうに暮れた表情を浮かべ、身をよせあっている。命の住まいである森は、一体どうなってしまうのだろう。黒こげのままなのだろうか。ぼくは顔をゆがめ、首を横にふった。そんなのは嫌だ!
森がぼくの家であり、帰るべきところだった。動物達が大好きだった。絶対になくしたくないし、失いたくなかった。
ぼくは知らずに、こう叫んでいた。
「森の神様! お願いをかえていいですか。森を元に戻してください! 動物達に暖かい森を、もう一度あげてください!」
うららかな日差しにしずくがきらめき、優しい風が葉をそよがせる。
奇跡の森と呼ばれている森は優しく広がっていた。木々の間をぬい、動物が一頭現れた。動物はゆっくりと足を進め、前足をおって地面に鼻を付ける。そのすぐそばには小さな骨。土に眠るただの骨があった。骨は自然を抱きしめるように、そっと横たわっていた。