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終わらせる夜

 あなたはゆっくりと目を閉じた。

 終わりかな。

 終わりだといいけど。

 

 いや、きっと。


 あなたが初めてじゃない。

 何度だって他にも殺してきた。

 それは私の為。

 私だけの為。

 誰でもいいの。

 夜が綺麗に見えたら。

 理由は何だっていいの。

 でもなんだか、あなたは違った。

 

 初めてあなたを殺した時、とても不思議だった。

 あんなに疲れてる目、初めて見た。

 皆怖がるのに。皆怯えるのに。

 あなただけは。

 素直に、心の底から、殺してあげようと思った。

 なのに。

 そんな時に限って、あなたは死ななかった。

 夜が終わらなかった。

 

 夜が終わらない理由。

 ひょっとして、私のせいだった?

 私があなたの為だなんて思って殺したから?

 そんなの。

 そう思ったんだから、どうしようもない。

 

 それにしても。

 穏やかな顔してるね。あなた。


「もう、殺させないでよね」


 さすがにそろそろ、可哀想だから。

 終わってよね。夜。


 そう思いながら、今度はちゃんと夜が終わる気がした。


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