表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

2kill

 夜は好き。

 静かで暗くて、儚くて。

 終わりって感じがして。すごく好き。

 好きなんだけど、なんだか違う。

 なんだろ。

 でもともかく。

 この夜に血を。

 綺麗だからね。似合うからね。

 でも、なんだか今日は変だ。

 

 暗い夜に、遠くに人影。

 とぼとぼ、とぼとぼ。

 重くゆったりした足取り。

 どう生きてきたらあんなに疲れるの。

 かわいそうで仕方がない。

 いい。あの人がいい。

 今日であなたの疲れは終わり。

 ゆっくりしていいよ。

 

 さ、さ、さ、さ、さ、さ。

 

 私はあなたに近付く。

 ふいにあなたは足を止める。

 危ない。

 さっと電柱の裏に。

 あなたは振り向いた。

 夜と同じぐらい暗い私が電柱の裏。

 わかりっこない。

 ほら、あなたは首をひねるだけ。

 

 さ、さ、さ、さ、さ、さ。

 

 一気に私は近付く。

 

 けど急に、あなたはまた振り向いた。


 ちょっとだけ、私は驚く。

 でも構わず私はあなたのお腹を貫く。


 ずぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ。

 そして、ずぽっ。


 おめでとう。これでもう終わり。

 綺麗。綺麗だね。赤。

 

 でも、そういえば。

 あなたが振り向いた時。

 私は何故か思った。


 さっきは振り向かなった。


 さっきって何?

 分からない。

 変なの。

 でもいい。

 夜が綺麗だから。

 私は満たされたから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ