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異世界で英雄目指します。  作者: サブマリン一世
第一章
7/12

07

「ブーフォマール」は合計2本の大通り一番・二番 とそれを繋ぐ細かな通りにより成り立っている。


 北門を起点とし左右に分かれ半円状に伸びる一番通り


 同様に南門を起点として左右に分かれ半円状に伸びる二番通り


 この大通りは、それぞれ西門と東門で合流して中壁と内壁の間にも大通りを作り内壁門前で終わる。(内壁には居住施設と小規模の商業施設しかないので)


 外壁と中壁の間を裏通り

 中壁と内壁の間を表通りとも言う。


 外周は大人の足でも1時間半はかかる程大きく、内周でも50分弱はかかる


 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・


 俺は今、北側の門から入っていたので、二番通り(表通り)までは結構移動に時間がか・・・らなかった。


 魔獣を幼生体の時に捕獲し、人の手で育った魔獣は、人に懐くようになる。


 その魔獣(主に牛や馬系の)を利用した大型魔獣車が定期的に走っている。


 その中で、師匠は水行で瞳の色を変えて、碧眼より焦茶色に変わっていた。


(なんか師匠じゃないみたい・・・でもこれはこれで)


 なんて思っていたら、着いてしまった。


 それを利用し15分弱で目的地最寄の停車場に着いた。



 目的地、宿の名前を「ヤドリギ亭ブーフォマール支店」と言う。


 この街は比較的大きな建物が多いが、ヤドリギ亭は平均の2倍はあり、5階建て、煉瓦作りは圧巻だ。


 だが、驚いてるのは俺だけで、師匠はどんどん進んで行く。


 慌てて、付いていく。


 立派な二重扉を開け、中に入る。


「「いらっしゃいませ。」」


 と受付の男女が元気良く挨拶する。


 師匠は受付のカウンターに行き、女性の方に話し掛けた。


「宿泊を一人頼みたい。あそこの男だ。」


「はい、お一人様ですね・・・4等級のお部屋で飽きがあります。」


「ではそこで。」


「お支払いは男性が?」


「いや、私がする。あいつは姉の息子でな。冒険者に成りにきていてな・・・」


「そうでしたか。お支払いは魔石にしますか?マグスにしますか?」


「魔石で頼む」


 と言って師匠は袋から赤い拳ぐらいの大きさの石を取り出し、台に置いた。


「わかりました。・・・宿泊食事込みで半年程お泊りになれます。いかがなさいますか?正直ここで半年も提供できるかどうか・・・近頃何やら慌ただしくので」


「うむ、では三ヶ月分をマグスで頼む」


「かしこまりました。少々お待ちください。」


 女性が目配せすると、男性が後ろに下がった


 少しすると男性が袋を持ってきた。結構重そうだ。


「今回の魔石の買取が3万5000マグナです。宿泊費が16000マグナ、食事代12000マグナです。そして残りが7000マグナです。ご確認お願いします。」


「・・・うむ確かに7000マグナあるな」


「では、ご案内いたします。こちらです。」



 部屋は二階で真ん中ら辺に位置する所にあった。


 4等級の部屋には、シングルのベットと少し物を書くようの机のセットが一つ、収納クローゼットがある。

 ベットと枕にはふんだんでは無いが綿が入っている。が掛け布団は二つの布を合わせたものだった。

 もちろん魔導の品アシストアイテムは無かった。


 扉は部分的に金属性で鍵を含めて、第三者からの違法な魔術で動かない様になっている、と説明を受けた。


 鍵はフロントで預かってくれるそうだ。


 御飯は、日の出から一刻後から二刻の間で、昼食は弁当で、夕飯は日の入りから一刻後までだそうだ。


 今日は日の入りに近いのでまず登録だけ先にし、必要な買い出しは、明日行うことになった。


 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・


 冒険者ギルドとは?


 起源は古く、太古の狩猟組合や傭兵組合が雛形だと言われ、魔獣魔物が出現した1000年前には既に活動していたが、規模はまだまだ小さかった。

 主に毛皮や骨、肉を狩人が持って行き市民などが必要に応じ買い取る。受付は会員で持ち回りであった、と伝えられている。


 だが、魔獣魔物の発生に伴い需要の増加で規模が大きく拡大して行き、

 専門の職員を常駐させ、誰からでも依頼を受け付け斡旋すると言う形になった。


 そして今では、分室も含め無い街はないと言われるまでに成長していった。


 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・


 ギルドに入ると、すごい数の人に圧倒される。スペースが全く無い訳ではないが、それぞれ獲物(武器、死体の意味で)を持っていたりで迫力満点だ。


 師匠の簡単な説明では、入り口から右手には団欒と食事のスペースがあり、異世界の通過「マグナ」を払うと入れる。

 もちろん、飲食代は別だ。


 団欒スペースには個室もあり、パーティーはあそこで取り分について話すこ事がステータスになるそうだ。


 左手にはおっきな板に紙が貼ってあり、人集りが出来ていた。

 あそこには依頼が貼ってある。

 ただ今回は公の依頼なので行く必要はない。


 説明を終えると師匠は団欒スペースに入っていった。

 そして、お茶と菓子を頼みくつろいでいる。


 師匠曰く

「私が行くと面倒になる」らしい


 まぁ美人だし、視線や口説きが嫌なんだろう


 そう言った訳で師匠以外の異世界人と初めて会話する事を余儀無くされ(受付で)、俺は入り口付近に設置された札を取った。


 札には2-3と書かれている。


 同じ所に設置されてる説明板には最初の番号が受付の番号、後ろが待っている人数 だそうだ。


 二番と塗られ矢印の床の線に沿って並んだ。


 前に並んでる男たちはパーティを組んでいるようで、嬉しそうに話していた。赤毛や茶色などもいるが、金髪(ややくすんでる色合い)が多い。黒もいるが寧ろ目立つぐらいの数しかいない。


 盗み聞きはあれだが、灰色狼(アッシュウルフ)がうまく狩れて毛皮に良い値が付きそう、ゴブリンの魔石が意外と大きくかったなどなどであった。


 そんな事を聞いていると思ったより早く列が進み俺の番になった。


 受付は据え置きの長いテーブルに仕切りを打ち付け、隣の一番受付と三番受付と直接見える事はなく、若干プライバシーが意識してある。


 イスがこちらに二脚置いてある、革張りで結構良さそうだ。


 一部テーブルは上方に可動でき、職員と冒険者間で行き来が出来る様だ。


「はじめまして、私二番受付担当アイリと言います。本日はどういった御用で?」


 メガネが似合うキリッとした女性だ、掛けて無いけど。

 髪はやはり金髪で肩口で切り揃えてあり、知的に思える。


「あっ、あの登録をしたいのですが・・・」


 緊張で吃っちゃった・・・


「かしこまりました。それでは測定室にお連れします。ベティー、ヘルプお願い。新規行ってくるから。それではこちらです。」


 さすが社会人!スルースキル高い!


 受付のアイリさんは受付の横の机を上げこちらに来て、案内する。


 右手の団欒スペースより奥に一枚扉があり、そこを開けると左右に部屋があった。


 左は半開きで扉が空いていて、「職員室」と書かれていて、左の方は「測定・管理室」と書かれている。


 今回の左の「測定室」に用があるが左の「職員室」では職員達が慌ただしく動いていた。


 みんな目が血走っている。一種の殺気まで出てるよ。


「くっそ、まだA級パーティは来ないのか!中核の編成が終わらんとC級以下が配置出来ない!先にB級を偵察に回してもいいか!?」


「うちで要項作成します。資料回して!」


「局長、もう張り出しいけますか!?こっちも溜まってきてますよ」


「パニックを起こしてどうする。それもパーティ「ナイツ」が到着してからだ。」



 パレードの影響か・・・

 鬱になっていてもしょうがない。今は少しでも早く力を付けるしかないんだ




「こちらです。えーと・・・」


「すみません。カナデっていいます。」


 名乗り忘れてた!!


「失礼しました。それではカナデさん、こちらです。」

 アイリさんはほんの少し微笑み扉を開ける。


「カナデさんは、魔力持ちですか?」

 アイリさんが銀色で50cm程の金属性の棒を確かめながら聞いてきた。


「はい、魔法使えますよ。」


「それでは測定は簡単ですね。この棒を握って魔力を流してください。それだけで大丈夫です。そしたら適性がわかり、こちらのステータスカードに記載されます。外で待っていますので終わりましたら、お呼び下さい。」


 俺は一杯流せば、良い結果が出ると思い、両足先から「体内魔力」を集め、ヘソ下で合流させ腕まで持って行く。そして5本指先から絡みつかせる様に流して行く。


 思ったより流してづらい・・・出力をあげる。

 ある一点で急に流れが良くなったのでそこで止める。


 棒を見てみると、少し剣の面影が見えるぐらいに変形していた。


 (へー魔力の量に応じて変形するんだ〜)


「終わりました。アイリさん」


 少し疲れたが、気にならない程度だ。熊の時とは比べるまでもない。


「!!・・・でっでは次に戦闘技能試験を行います。」


(この娘、なんて魔力を内包しているの!!七護武家の当代並よ!!きっと所縁のある方なんだわ。でも何故このタイミングで・・・)


 一旦外に出て、裏に周ると大きな練習場があり、何人かが打ち合っている。周りは石壁で囲まれており、入って来たところとギルドの裏口に当たる所は開いている。扉の類はギルド側の壁のみある。


「教官を連れて来ますので。お待ち下さい。」


 アイリさんは、樽の上で寝ていた30歳ぐらいの男性を起こしに行った。

 赤毛で癖っ毛、無精髭が生えてる野暮ったい人だ。


「起きて下さい。仕事の時間です。教官お願いします。ア・レ・イ・ダさん!!」


「ふわぁ〜あ・・・なんだアイリっチか。俺ッチ今日はそんな気分じゃないんだ〜。アイリっチがやれば〜」


「いいんですか?私先日、某酒場でツケをふm・・・」


「あーっわかったわかった。やってやるから、その事は局長には内密に・・・」


「では改めて教官、戦闘技能試験お願いします。あの娘です。」


 すこし顔近付けた。

 あっ恋人か。。。


(この娘、もしかしたら七護武家の所縁ある方かもしれません。)

(わかった。様子を見てみるよ〜)


「俺は今日だけ教官をすることに(無理矢理)なったギルド専属A級冒険者アレイダよろしくね〜。二つ名は「矛盾」ね。聞いてきた事ある?」


「いえ・・・ごめんなさい。えーっと、カナデです。よろしくお願いします!」


「カナデちゃんね・・・武器は何使う〜?真剣でもいいよ〜レベル差で怪我しないし〜」


(ちゃん?・・・まぁそういうタイプの人もいるよね。ね!)


「じゃあこれでお願いします!!」


 と腰に佩いていた山刀を触る


「りょーかい。それじゃー準備してね。」


 そういうと、アレイダさんは壁に立てかけてあった刃が潰してある直剣と円形の盾を装備した。


 俺は、山刀を抜き、刀を前に無手を後ろに構えた。魔力回路も活性化させる。


「お互い怪我しない様に。よーい始め!!」


 アイリさんが号令を掛ける。


 アレイダさんは盾を前に出したまま動かない、剣は外に向いている。


 俺は、脚に魔力を流し込み加速させる。


(スキル:瞬足を習得しました。 有効化します。)


 その中で右手に持った山刀の柄を左手の掌を当てる。


(突破 を選択しました。)

「アクティブ!」


 刀と一体となり、アレイダさんの盾に突っ込む。


 アレイダさんから驚きの空気を感じたが、構えを変えない。


 突然あと二歩の所でアレイダさんが盾を突き出し、一歩前に出た。



 タイミングずれるが修正が間に合わ無い。


 さらにインパクトの瞬間に円形の盾を滑らすように動かし、攻撃を流した上に右手の直剣を盾の影から刺す様に放ってくる。


 辛うじて、山刀を叩きつけ直接ダメージは入らなかった。


 そのまま返す刀で足から腰に逆切り上げで答え、再びの追撃を恐れて間合いを開ける


「いや〜やるね。カナデちゃん、びっくりして危うく食らう所だったよ〜。」


 そう言いながら今度は剣を前に盾を外に向ける構えをとった。


「こちらもあんな受け流しを貰ったのは初めてです。」


(生まれて始めての戦闘だからと言う事は忘れてる。)


「一応僕の二つ名「矛盾(タテとホコ)」だからね。まだ負けられないよ〜っと」


 今度はアレイダさんが攻めて来た。


 直剣を左から右に薙ぐ、そのまま切り上げに移った。


 俺は剣を防ごうと右手を前に半身下段に構えていた。

 ドスっと言う音と共に左側の壁まで吹き飛ばされた。


 アレイダさんをみると、盾の縁で殴られ、足でも蹴られてた様だ。


「攻めはまぁまぁだけど、守りは甘々だね。まるでハチミツを煮込んだようだよ〜。僕ハチミツの煮込んだの好きだけど。」


 アレイダさんは手で立てと合図し、また最初の様に盾を前に剣を外に構える。

 俺は「突破」では回避がギリギリになるし、なにより読まれやすいと思った。


 スキルなしで魔力回路を使い加速する。山刀は両手で持ち、鋒をしたに向けて加速して行く。


 間合いに入ったところで一瞬魔力回路を切って速度を下げる。


 そして直ぐに活性化させ一気に魔力を足に注ぎこむ。


 俺は飛び上がりそのまま斬りおろそうと・・・で来なかった。


 アレイダさんが盾を両手で持ち、腰を入れ思いっきり突き出している。

 今回は吹っ飛ば無かったけれど、身体が動かない。

 そのまま地面に崩れ落ちた。


「だめだよ〜攻めていても反撃は来るんだからね〜油断してちゃ〜。あっ、やりすぎた?」


 俺はそこまで聞いて、気を失った。


 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・


遅くなりました。新キャラガー、とか言ってましたけ、あんまり出せませんでした。


スキル:瞬足・・・任意発動、任意終了。直線的に高速移動する。障害物は越えられないが、悪路でも移動速度は変わらない。終了時間に比例して魔力か生命力を使用する。

器に比例して速度が上昇する

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