煌めく真っ赤に
一篇の詩がそっと
わたしの心に触れました
ほほえみ
ゆっくりと
語りかけて
むずかしい言葉は
ひとつもなく
拙い言葉も
ひとつもなく
かたまっていた
心が
ほどけてとけて
いきました
わたしの中で
煌めく真っ赤が勢いよく
巡ってゆき
はりつめたもの
頑なになったもの
つめたく
ちぎれたものに
流れ広がって
ゆきました
私は
一篇の詩に触れながら
ありがとうございます、と
言おうとして
ではなく
ありがとうございます、が
煌めく真っ赤に押しだれて
出ていました