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まのわ ~魔物倒す・能力奪う・私強くなる~  作者: 紫炎
ドラゴンイーター編

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第百七十五話 予定を決めよう

◎ハイヴァーン公国 首都ディアサウス クライルヌス病院


「カ~ザ~ネ~~!!」

 最初に飛び込んできたのはおっぱいだった。ふくよかで大きいのに形の良い、そんな奇跡のようなおっぱいが風音の顔面にヒットした。ダメージはゼロ。だが状態異常効果・窒息の発動により風音の顔はやがて赤く、続けて青く、最後に白くなる予定だ。そして眠りにつくのだ。永遠に。


「お、おおぉぉぉぉおおおおおおッ……グヘッ」

 この声はライルのものだ。最後のグヘは妹のエミリィの肘打ちである。

 病室に入り込んだ途端にティアラがぶるんぶるん震わせながら風音を抱きしめた光景を見てライルが思わず興奮してしまったのだ。それをエミリィは制裁したのだ。

「もう、恥ずかしいんだから」

 エミリィは兄の破廉恥な顔に顔を赤くしている。男の子なのだ。ぶるんぶるんしていれば目がいってしまうのは仕方あるまい。大目に見てほしいものだ。

「兄さんもナオキを見習いなさない」

 そう言われたライルは直樹を見る。確かに直樹の顔は冷静そのもの。だがライルは2年間の付き合いで直樹の表情が作られたポーカーフェイスであることを見抜いていた。姉を心配している振り(これ自体は本気である)をしておっぱいをガン見しているのがライルには分かった。直樹は要領のいい男だった。そして要領の悪いライルだけがいつもこうして痛い目を見るのである。

(チクショウ!チクショウ!!)

 ライルは心の中でののしった。直樹を、そして己の不器用さを。だが、ここで直樹を矢面に出しても直樹に心酔するエミリィには通じないことは過去の経験から分かっている。だから彼はここで泣くしかなかったのだ。


 だが、それは過去の話だった。


 ミシッという音が聞こえた。


「あんたの脳味噌を搾り出したらピンク色のものが出てきそうね」

「ははははは、まさか」


 弓花のアイアンクローを食らいながら直樹が冷や汗をかいて言い訳をしている。それはライルには新鮮な光景だった。その様子をエミリィが(あんなに気軽なスキンシップを)と悔しそうに見ており、ティアラも風音を抱き締めながら(おふたりはやはり)と、その様子をガン見である。ちなみに風音が弱々しくジタバタしている。ブルーに突入したらしい。


「ぶはー、死ぬかと思ったよ」

 ティアラのおっぱい固めから解放された風音が大きく深呼吸をしてそう言った。

「ごめんなさいカザネ。久し振りだったから、つい」

 久し振りなのでつい殺そうとしてしまったのだ。問題ない。おっぱいで死ねるのならば人類の半分くらいは問題ないはずだ。だが風音は残念ながらその半分には入っていないようだった。

「もういいよ。ま、4日ぶりだからね。久し振りティアラ」

 そう微笑む風音にティアラは感極まってまた抱きつこうとしたので、風音はふらっと避けた。『直感』のなせる技である。しかし、


「あんっ」

「うわっと」


 避けられた先にいたのは直樹である。ラブコメ空間が広がった。その後エミリィとティアラと直樹がちょっとラブッたりコメッたりしてたけど、どうでもよいので無視して話を続けます。


 今現在、風音達がいるのはジンライのいるクライルヌス病院の病室である。

 ブルーリフォン要塞奪還のクエストを終えた風音たちはクリオミネの街で一泊し、つい先ほどディアサウスに着いたのだった。その途中で風音は弓花にメールを送り、ジンライの病室で会おうと連絡していたのである。

 そして風音たちが病室に入ったときには他のメンバーは全員集合していた。ここに白き一団が5日ぶりに勢揃いとなったのを確認して、風音はここにきた本来の目的を口にする。


「それじゃあパーティ会議inディアサウスだよ」


 ようするに今後のパーティの行動スケジュールの確認である。いろいろと状況に流されてることも多く、予定していたにもかかわらずまだできていないこともあるのだ。

「ええと。まずは師匠の退院だよね」

 弓花がそう口にすると、その言葉に「迷惑をかけてすまんな」とジンライが言い、弓花が「そういうつもりじゃないんですけど」と慌てる。なお、ジンライの退院は二日後である。

「私はコテージの構造強化のためにハイヴァーンのウェルス大学にちょっと通う予定だよ。お爺ちゃん、大丈夫なんだよね?」

 風音の言葉にルイーズの腕の中に収まっているメフィルスが頷く。

『話はつけておる。ゴーレムコテージなんぞ見たこともないからな。楽しみだと言っておったよ』

 メフィルスはそう返した。どうやら大学の教授にメフィルスの個人的な友人がいるらしい。なのでメフィルスも同行すると言っていた。ティアラから離れても魔力を補充しておけば結構持つらしい。これはティアラの修行の成果でもある。

「大学に通うって、結構かかるものなんですの?」

 ティアラの問いに風音はとりあえず3日ぐらいは~と返す。勉強をしに行くと言っても現在出来上がってるコテージを専門家に見てもらって調整するのが目的だ。竜の里から戻ってからでも大学に寄ることはできるので一旦は3日と考えていた。

「私はその間バーンズ道場で修行かな。あ、風音。竜気を込められるか後で試してくれる?」

「あいよー」

 弓花の問いに気軽に返す風音。弓花の竜人化はウィンドウの能力のメールでやり取りの中ですでに話している。風音も感覚的にしか分からないので試してみないとなんとも言えないが『竜体化』スキルを通して生身でも竜気を出すことは可能のようだった。自力ではチョボチョボと出せる程度だがウィンドウの制御能力が働けば受け渡しは問題ないだろうと考えている。

「明後日にはワシも復帰する。そのときは修行の成果、見せてもらうぞ」

「はいっ」

 ジンライの言葉に弓花が頷く。

「ナオキとライルもな」

 ジンライが男子ふたりにも視線を送る。

「はいッ!」「まかせな爺さん!」

 ジンライの言葉に直樹とライルが元気よく返す。それをジンライはうんうんと笑顔で頷く。頷きながら直樹と、特にライルがどこまでついてこれるのかと考えていた。ジンライの笑みはエスの笑みであった。

「ああ、そうだ。それと」

 ライルがエミリィを見ると、エミリィも頷いてふたりで立ち並んだ。風音と直樹はすでにそのことを聞いているので様子を見守り、また他のメンバーも察しは付いたので、静かにふたりの言葉を待った。

「俺、今日から(仮)ではなく、正式に白き一団に入ることをお願いしにきました」

「私も同じです。このパーティに入れてもらえるようお願いします」

 そう頭を下げる。無論、その言葉に拒絶する者はいない。ルイーズが「よろしくね」と言ったのを皮切りに全員がよろしくと返した。ジンライも照れながらよろしく頼むと返した。

 その後、何故(仮)をとる気になったのかというルイーズの問いには、やはりブルーリフォン要塞での経験が大きいと話していた。あの戦いで自分たちでもやれることがあるのを確認し、そして与えられたものを使いこなすにはやはり今のままではダメだと思ったのだという。

 続けて当然のようにブルーリフォン要塞の話に移ったが、その内容を聞いて弓花、ティアラ、ルイーズ、メフィルスは「そりゃ随分と無茶なことを」と思ったという。止むを得ない事情があったのは理解できるが、それにしてもだ。だがジンライはとても羨ましそうな、今にもよだれを垂らしそうな顔でその話を聞いていた。このバトルマニアは少し自重すべきだろう。

 だが風音がストーンミノタウロスを呼べることを知ると途端に満面の笑顔で修行が捗るなと言ってきた。練習用に呼べということらしかった。

 なお、ティアラはルイーズと召喚術のお勉強。このディアサウスには大きな図書館があり、今もティアラは召喚術の勉強漬けとなっているらしい。ようやく昨日にショッピングを楽しむことで息抜きができたと言っていた。

「こういうところでもないとできない勉強もあるしねえ」とルイーズ。

 魔術においては非常に有能な人なのだ。ちょっと男癖が特殊なだけで。とはいえ、ディアサウスではそちらは自粛の方向とのことである。以前にやらかして先代王の命でハイヴァーンでは存在が記録抹消状態となっているらしいので公的にはシンディの祖母とは名乗れないのだとか色々あるらしい。

 その他のメンバーだがライルと直樹は弓花と同じように道場に通い、その後ジンライから稽古を付けてもらうそうだ。

 最後にエミリィだが、彼女は魔道弓の先生のところにいくという。竜翼弓の竜気の正しい使い方を教わるのだそうだ。またブルーリフォン要塞内で即席に作った竜牙の矢ではなく、魔鋼も使用した魔道弓使いとして使える矢を造り方も併せて聞こうと思っているとのことだった。そして、この魔道弓の先生というのは大学にいるらしく、エミリィは風音と一緒に出掛けることとなった。


「それじゃあ4日後かな。ディアサウスを出て今度こそドルムーの街でドラゴンステーキを食べるよ!」


 その後はドルムーの街で黒岩竜のステーキを食べるという予定が入っている。なんでも高位のドラゴンの肉を食べると旨さのあまり口の中から光が飛び出すという話だ。どういう理屈だと風音は思ったが、ブレスの効果が一時的に出るらしい。

 そしてその後は、ようやくの東の竜の里入りである。だが竜の里へ行くにはギルドマスターの愛竜の力が必要だ。なので日程の方を詰めるために風音はその後、冒険者ギルドへと向かうこととなった。


名前:由比浜 風音

職業:魔法剣士

称号:オーガキラー・ドラゴンスレイヤー・ハイビーストサモナー

装備:杖『白炎』・両手剣『黒牙』・粘着剣『ガム』・魔法短剣・竜鱗の胸当て・ドラグガントレット・銀羊の服・シルフィンスカート・プラズマパンツ・竜鬼の甲冑靴・不滅のマント・不思議なポーチ・紅の聖柩・英霊召喚の指輪・叡智のサークレット・アイムの腕輪・蓄魔器・白蓄魔器

レベル:31

体力:114

魔力:205+420

筋力:55+10

俊敏力:48+4

持久力:31

知力:62

器用さ:39

スペル:『フライ』『トーチ』『ファイア』『ヒール』『ファイアストーム』『ヒーラーレイ』『ハイヒール』

スキル:『戦士の記憶』『夜目』『噛み殺す一撃』『犬の嗅覚』『ゴーレムメーカー:Lv3』『突進』『炎の理:三章』『癒しの理:四章』『空中跳び:Lv2』『キリングレッグ:Lv3』『フィアボイス』『インビジブル』『タイガーアイ』『壁歩き』『直感』『致命の救済』『身軽』『チャージ』『マテリアルシールド』『情報連携』『光学迷彩』『吸血剣』『ダッシュ』『竜体化[竜系統]』『リジェネレイト』『魂を砕く刃』『そっと乗せる手』『サンダーチャリオット』『より頑丈な歯[竜系統]』『水晶化[竜系統]』『偽りの威圧』『ストーンミノタウロス』『メガビーム』『空間拡張』


風音「ようやくドラゴンステーキが食えるのかぁ」

弓花「ま、そこに行くまでにまだ結構かかりそうだけどね」

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