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まのわ ~魔物倒す・能力奪う・私強くなる~  作者: 紫炎
最終章6 救世少女編

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第千四十七話 神の力を受けよう

 黄金の竜頭巨人。

 岩の中から表れたものを一言で言うならばソレだった。

 外での戦いの後は重厚さを感じさせる装飾にしか見えず、その巨人はその場にいるだけで周囲に圧倒的な威圧感を与えていた。ロクテンくんと名付けられた風音のための強化装甲。ジンライや弓花であっても苦戦を強いられる圧倒的な戦力がその場に降り立ったのである。


『ゴーレムの強化装甲か!?』

『そういうこと。あの子はあれなしじゃあ、普通の戦闘だとちょっと頼りないからね』


 殺魅ジルベールにわずかな動揺が走り、そこを弓花が攻撃する。なお普通の戦闘では少し頼りないというのは弓花基準でのことであり、一般的に見ればまったくそんなことはない。

 そして、風音がロクテンくんへ向かって飛ぶと、竜頭の口が開いてチンチクリンを飲み込んだ。それからあぎとが閉じると中から小さな竜頭が現れた。それは覇王竜の仮面と呼ばれるもので、風音が中に入ったという証であった。

 続けて脚部に装着されたアダマンチウム製の爪が外れると、地面に置かれたドラグホーントンファーが代わって設置される。ジュエルカザネが薄く延びて全身を覆い、虹のネックレスの効果でオーロラのカーテンが出現し、さらには背にカルラ炎と後光が輝き、その姿に神聖なる気配を与えた。

 それから背には黄金翼と触手翼が広げられ、右手には龍神の大剣が、左手には黄金剣『黄金の黄昏』が出現し握られる。また黄金剣の中には神竜帝の剣ナーガスがコアとして存在していた。


『マスター。ロクテンくん・大魔王モードダッシュ、起動完了しました』

『ご苦労様、ナビ。スキル・リーヴレント化を発動させるよ。む、鎧の方のが来たか』


 そう口にした風音の前に、二体のコピージルベールが近付いていた。キングたちの相手を一体に請け負わせて、彼らはロクテンくんの排除を優先したのだ。


『そう簡単にやらせはせんよ』

『起動してすぐならば!』


 そう口にし合ってコピージルベールたちが飛びかかったが、ロクテンくんは肩部のスラスターから炎を噴射させてまるで瞬間移動のように高速移動をするとその場で彼らの攻撃を避けた。


『何?』

『こっちには遠隔視に鷹の目がある。ちゃんと見えてるよ』


 そう口にした風音の言葉に反応するかのように、ロクテンくんの腰や背のスラスターも起動し、そこから炎が吹き荒れて回転しながらコピージルベールの一体を龍神の大剣で斬り裂いた。


『それは殺魅のランドセルと同じ?』

『そうだよ。達良くんのはフューチャーズウォーからのMOD素材を持ってきたものだからね』


 そう言いながら風音がロクテンくんを操作してさらにもう一体へと攻撃を仕掛けたが、龍神の大剣の一撃をコピージルベールは斧を盾にして防ぎきった。もっとも風音は焦らずロクテンくんの左手を見て声を上げる。


『旦那様、左腕の方はよろしく!』

『任せろっ』

『何!?』


 次の瞬間、ロクテンくんの左手は風音の意思とまるで別の動きをしてコピージルベールを貫いた。それはリーヴレント化した風音の洗練された剣術とは別の、荒々しくも正道な王たる者の一撃。ナーガスを通じて風音は神竜帝ナーガへと左腕の操作を委ねていた。さらには、別のところでもコピージルベールの叫び声が響く。


それがしがゴブリンに負けただとォ!?』

『最後の一体。こちらも倒しましたぞ主よ』


 最後のコピージルベールはキングたち、弓花のしもべによって倒されたのだ。そして、全員が視線を殺魅ジルベールに向けると、一斉に動き出した。もはや敵は一体。それで終いだった。


『ちぃっ』


 その動きに慌てた殺魅ジルベールがその場で飛ぶが、ロクテンくんがバックパックのブースターを全開に吹かして接近し、左右の腕にそれぞれ握られた剣が輝き出す。


『旦那様、私に合わせて』

『分かったカザネよ』


 そして放たれたのは、口伝オダノブナガ流・バツの字斬り。交差する斬撃が、殺魅ジルベールの装甲に傷を付け、


「こっちからのも喰らいなさい!」

『やられはせぬ!』


 さらに弓花が神槍ライカクロマルで雷神槍を放つと、殺魅ジルベールはドリルを前に出して槍とぶつけ合う。激しい魔力光が飛び散り、ドリルから煙が上がった。


『くそ、今ので壊れたか』


 殺魅ジルベールがそう口にしたと同時に、短距離転移で槍の元に弓花が出現する。


『だが読めてるぞ!』


 殺魅ジルベールは出現した弓花に光剣の一撃を見舞おうとすでに動いていた。槍に帰還の楔リターナーズ・ステイカーの刻印がついているのは分かっていたのだ。であれば出現することも予想できていた。しかし、弓花の表情に焦りはなく、むしろ試すような視線で「どうかしらね」と呟くと、直後に殺魅ジルベールの脇腹に今度は神槍ムータンの雷神槍が直撃する。


『馬鹿な!? クッ』


 それは弓花が短距離転移する前に放った一撃だった。殺魅ジルベールが転移した瞬間を狙うことは、弓花にも当然読めていたのだ。だからその次のもう一手を打っていただけのこと。そこに続けて弓花の突きが迫り、それを殺魅ジルベールはどうにか避けたが、上空から巨大な影が迫るのを感じた。


『神の雷、食らえ!』

『ぉぉおおおっ、避ける間が!?』


 間に合わないと察した殺魅ジルベールは、風音のロクテンくんの振り下ろした一撃を砕けかけたドリルで受けると、そのまま真下に弾き飛ばされる。


『防がれたか。けど』

『やっちゃいなさいキング!』

『承知しましたぞ!』


 そして床に激突した殺魅ジルベールに、キングが龍神の片手斧を持って飛びかかる。


『はっ、ここで雑兵にやられるなどあり得んな』

『そうした油断こそがこの結果を生んだのだと知れ!』


 そう叫んだキングだが、次の瞬間にその場で吹き飛んだのはキングであった。その様子を見た風音と弓花が目を見開く。それはキングが弾かれたということだけを見てのものではない。もっと別の変化もその場では起きていた。


『何アレ?』

魔力の川ナーガラインから魔力が送られてるのはさっきからだけど』


 魔力の川ナーガラインの供給があるとはいえ、殺魅ジルベールが一度に出力できる魔力量は限られている。だからそれを上回る攻撃を行えば倒し切れるはずで、ロクテンくんが投入された時点でそれはクリアできた問題のはずだった。


『しかし、トールもユキトも死に、ジンライは表返り、ハガスも倒れたか。随分と追い詰められたものだな』

『そう。後はアンタだけだよ。ジルベール!』


 風音がロクテンくんを操作して龍神の大剣を向けると、殺魅ジルベールが笑う。同時に殺魅ジルベールは身に纏う鎧が鳴動し始めていた。


『さて、確かにもうそれがしが最後のようだがな。しかし忘れたのか。それがしは神だぞ。そして、もはやアヴァドンの復活は間近であり、魔力の川ナーガラインの魔力量の使い過ぎを気にする必要もない』


 すさまじい量の魔力の奔流が空より滝のように落ち始めるのを風音は感じていた。それは殺魅ジルベールへと吸収され、併せてハガスの素材でできた鎧が内部の人形と絡み合い、肥大化していく。そして、竜と鎧と機械を融合させたかのような、まるでロボットのような姿へと変わったジルベールに風音たちが驚きの顔をしていると、ジルベールが笑った。


『ははは、どうだカザネよ? 竜と人形と機械の融合体。イシュタリアの遺産のひとつ、神機兵マキーニを模したものだが、これでようやく本気が出せる。魔力の川ナーガラインの力を十全に使えるよう、器に造り変えた』

『こんの。最後の最後で弓花ッ』

「分かってる!」


 風音のロクテンくんと、威力を重視して解放神狼リバティフェンリル化した弓花が神機兵マキーニジルベールへと攻撃を仕掛けるために降下する。キングや銀狼たちも一斉に飛びかかろうと駆け出したが神機兵マキーニジルベールに焦りも動揺もない。


『これより本来の神を相手にするのだ。光栄に思えよ。さあ、受け止めろ神の一撃を』


 その言葉と共に神機兵マキーニジルベールの全身から光が放たれ、風音と弓花、それにキングたちが吹き飛ばされ、そのまま風音たちは塔を覆う黒い光の壁へと激突する。


『グッ。何、今の反則!?』


 激突の衝撃に顔を歪めながらも風音がそう口にする。

 今のは全方位に放たれた攻撃な上に、それはこの塔を覆う黒い光の壁にまで到達していた。完全に逃げることが不可能な攻撃だった。その上に事態はもうギリギリの状態だ。風音は上空で開き始めているアヴァドンの召喚門を睨みつけながら考える。


(もう開き始めてる。どうする? このままだと間に合わない。だったら)


 であれば外の状況を無視してでも外からジンライたちを呼ぼうかとも風音は考えたが、今の全方位攻撃に周囲の黒い光の壁があってはジンライとてどうしようもない。生身では一撃で倒されるような攻撃であるのに、避けようがないのだ。解放神狼リバティフェンリル化して巨大狼になっていた弓花もギリギリ耐えられたような威力で、弓花のしもべはキング以外、今の一撃で全滅していた。


(私たちでやるしかないか。無理を押してでも突撃して……え?)


 直後、目の前で唐突にウィンドウが開き、それを見た風音の目が見開かれた。


『これってどういうこと!?』


 それはガイエルからの届けられた、パーティ登録申請であった。

名前:由比浜 風音

職業:竜と獣統べる天魔之王(見習い)

称号:オーガキラー・ドラゴンスレイヤー・ハイビーストサモナー・リア王・解放者リベレイター・守護者


装備:風音の虹杖・ドラグホーントンファー×2・鬼皇の竜鎧・不滅のマント・不思議なポーチ・紅の聖柩(柩に飾るローゼ)・英霊召喚の指輪・叡智のサークレット・アイムの腕輪・白蓄魔器(改)×2・虹のネックレス・虹竜の指輪・金翅鳥の腕輪・プラチナケープ・守護天使の聖金貨・金色の蓄魔器


レベル:66

体力:225+35

魔力:722+950

筋力:162+70

俊敏力:210+80

持久力:109+40

知力:155+10

器用さ:151+10


スペル:『フライ』『トーチ』『ファイア』『ヒール』『ファイアストーム』『ヒーラーレイ』『ハイヒール』『黄金の黄昏[竜専用]』『ミラーシールド』『ラビットスピード』『フレアミラージュ』『テレポート』『カイザーサンダーバード』


スキル:『見習い解除』『無の理』『技の手[8]』『光輪:Lv2』『進化の手[5]』『キックの悪魔:Lv2』『怒りの波動』『蹴斬波』『爆神掌』『コンセントレーション:Lv3』『ゾーン』『戦士の記憶:Lv2』『夜目』『噛み殺す一撃』『犬の嗅覚:Lv2』『ゴーレムメーカー:Lv6』『イージスシールド:Lv2』『炎の理:三章』『癒しの理:四章』『空中跳び:Lv2』『キリングレッグ:Lv3』『フィアボイス:Lv2』『インビジブルナイツ』『タイガーアイ』『Wall Run』『直感:Lv3』『致命の救済』『身軽』『チャージ』『マテリアルシールド:Lv3』『情報連携:Lv4』『光学迷彩』『吸血剣』『ハイ・ダッシュ』『竜体化:Lv5[竜系統][飛属]』『リジェネレイト』『魂を砕く刃』『そっと乗せる手』『サンダーチャリオット:Lv4』『より頑丈な歯:Lv2[竜系統]』『水晶化:Lv3[竜系統]』『魔王の威圧:Lv3』『ストーンミノタウロス:Lv2』『メガビーム:Lv3』『真・空間拡張:Lv2』『偽銀生成』『毒爪』『炎球[竜系統]』『キューティクル[竜系統]』『武具創造:黒炎』『食材の目利き:Lv5』『ドラゴンフェロモン[竜系統]』『ブースト』『神猿の剛腕』『二刀流』『オッパイプラス:Lv2』『リビングアーマー』『アラーム』『六刀流』『精神攻撃完全防御』『スパイダーウェブ』『ワイヤーカッター』『柔軟』『魔力吸収:Lv3』『白金体化』『友情タッグ』『戦艦トンファー召喚:Lv2』『カルラ炎』『魔物創造』『ウィングスライサー』『フェザーアタック』『ビースティング』『弾力』『イーグルアイ:Lv2』『ソードレイン:Lv4』『空中跳び[竜系統]』『暴風の加護:Lv2』『最速ゼンラー』『ソルダード流王剣術・極』『タイタンウェーブ:Lv2』『宝石化』『ハウリングボイス:Lv2』『影世界の住人』『知恵の実』『死体ごっこ』『ハイパーバックダッシュ』『ドリル化:Lv3』『毛根殺し』『ハイパータートルネック』『爆裂鉄鋼弾』『ウィングアーム』『Roach Vitality』『黒曜角[竜系統]』『空身[竜系統]』『神の雷:Lv5』『雷神の盾:Lv5』『Inflammable Gas』『神速の着脱』『触手パラダイス:Lv2』『ハイライダー』『リーヴレント化:Lv3』『DXひよこライダー召喚+:Lv5』『ミラーシールド』『由比浜 風音:Lv4』『硬化』『極限耐性』『ダンジョンメーカー:Lv4』『神之眼』『明鏡止水』『お供え物を強要する能力』『後光』『お賽銭箱』『天之岩戸』『ゴーレム守護兵装カザネハート』『共生進化』


風音「ゲームならノーミスクリア不可能なクソゲーだよ」

弓花「一気に飛び込めばいけるかしら?」

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