あわてんぼう将軍
あわてん坊将軍と呼ばれているヨシモネは、身分を隠し今日もオエドの悪の成敗に励んでいる。
ヨシモネは町人の1人に目をつけた。ピアスを幾つもつけた実にチャラい町人である。
むむむ。あの人相は天下の極悪人タゴサブロウではないか!とヨシモネは刀を抜いた。
「成敗!」
お目付役が、止めるまもなくヨシモネは町人を成敗してしまった。
「ちょちょちょ、待ってくださいよヨシモネ様。その町人は善人ですよ」
「そうなの? なんかチャラいから、てっきり…。どうしよう。たたっ切っちゃったよ。峰打ちだけど。」
「もう。全然似てないじゃないですか。タゴサブロウは、髭面の大男でしょう?この町人、シュッとしてるし、髭なんかないですよ。あー、目を回して伸びてるじゃないですか。可哀想に」
「でも、ピアスをいっぱいしててチャラいし…」
「こら。すぐに成敗しちゃうのヨシモネ様の悪い癖ですよ。ところで誰だろ?、この人。 ちょっと、この人のX垢をチェックしてみますよ… あ、この町人裏アカでヨシモネ様をdisってますよ!」
「見せて、見せて。あ、本当だ。親の七光のボンボンて書いてある!ちょんまげが曲がっててダサい。とも書いてあるよ! これって、成敗ありだよね?」
「アリだと思います。ヨシモネ様のちょんまげはイケてますよ。成敗オケです」
こうして、今日もオエドの平和は守られたのだった。




