第98話 正面衝突〜魔王軍のリベンジ
やはり魔王軍には、軍師サムがいます!
他にも、キャラが増えて来たので、出番が少ないキャラもいるような気が…
登場を希望するキャラがいたら、是非リクエストしてください!
魔王軍本部では、サンドテーブルの前で、軍師サムが説明をしていた。
ちなみにサンドテーブルとは、実際の地形を縮尺で再現し、部隊の駒や旗を使って配置・移動を検討したり、作戦立案や訓練に使用するもので、現在ではデジタル3Dマップが使われることが多いが、魔王軍のデジタル機器はさほど先進的では無かったのだった。
「先の戦闘の分析を基に割り出したところ、10地点に、敵軍の魔道兵器、仮に”シールド発生装置”と呼びましょう、が設置されています。
ですので、まずは新たに開発したエネルギー変換阻害専用銃により、敵のシールド発生装置を無力化します。」
それを聞いた魔王アサダは、無邪気に質問した。
「なるほどですね。
しかし、そのシールド発生装置が移動しているということは無いのですか?」
魔王の質問に対して、軍師サムは得意のドヤ顔答えた。
「私の分析では、シールド発生装置を効率的に稼働させるためには、地形とのマッチングが必要です。
この、サンドテーブルをご覧ください。
彼らがシールド発生装置を設置した場所の標高は、綺麗に揃っているのがおわかりでしょうか?」
ジオラマを覗き込んだ魔王は、少し驚いて言った。」
「確かに、そうですね。これは、わざとですか?」
「もちろん、意図して設置されております。
しかも、わずかな誤差すら調整すべく、可動式の台座を用いるほどです。
つまり、高低差があると、上手く稼働しないか、もしくは効果が薄れるものと想定出来ます。」
「なるほど!では、場所が移動されている可能性は無いということですね!」
明るく言った魔王に対し、サムは少し首を振りながら答えた。
「もちろん、何事にも絶対ということはありません。
ただし、敵のシールド発生装置は、かなりデリケートな造りをしていることは確かです。」
魔王はさらに続ける。
「では、エネルギー変換阻害専用銃をたくさん用意して、多くの兵に持たせておけば良いのですか?」
その質問に対しても、サムは難しい顔をして答えた。
「エネルギー変換阻害専用銃は、今回開発したての兵器であり、いまだ量産体制は出来上がっておりません。
時間を掛けて、一丁ずつ作っているので、たくさん用意するためには多くの時間がかかります。
なにせ、敵には勇者ユージがおります。
彼には、未来が見えているとの噂もあるぐらい、戦略・戦術に長けており、時間を掛けると何をして来るかわかりません。
ですので、必要数が出来上がったところで、攻撃を開始した方が、得策と判断します。」
魔王は、サムの考えに賛同したようで、側に控えるロクローマルに聞いた。
「ロクローマルよ、サムはこう申しておるが、あなたはどう思われますか?」
初戦で失態を犯したロクローマルではあったが、時がたち、本来の勇猛さが戻って来た様子で、力強く答えた。
「前回は小賢しい敵の策略にまんまと嵌ってしまったが、決して我々が武力で劣っていた訳では無い。
あの、シールドとやらを何とかしてもらえたら、必ずや敵の軍勢を蹴散らせてみせましょうぞ!」
「それは頼もしいですね。
では、ハチオはどうお考えですか?」
それまでだんまりを決め込んでいたハチオは、にやりと笑いながら言った。
「つまり、アタシには、エネルギー変換阻害専用銃を使って、シールド発生装置を無力化して来て欲しいと、そういうことだね?」
すかさずサムが答える。
「ご明察。さすがはハチオ殿。話が早くて助かります。」
すこしおだてられて気分を良くしたハチオは、鼻で笑いながら言った。
「そりゃそうだろうよ。
敵だって、シールド発生装置の守備には万全を期しているに違いない。
そんな中、貴重な銃で、敵の重要兵器を攻撃するには、スピード、隠密性、狙撃能力、度胸が必要さ。
だったら、アタシの部隊を置いて他には無いじゃないか。
そこらへんの子どもにだってわかることさね。」
少し苦笑いをしながら、サムが言った。
「まあ、その通りです。
加えて言うと、この任務は非常に危険を伴います。
敵もバカじゃない。
と言うか、極めてやっかいな敵です。
罠が仕掛けられているかもしれません。
臨機応変な対応が求められます。
今回の作戦は、貴女の一撃に掛かっていると言っても過言ではありません。
ですので、ハチオさん。
全幅の信頼を寄せていますので、よろしくお願いします。」
「あいよ。
アタシの部下は優秀だからね。
まあ、任せておいてくれよ。」
そう軽く手を振って答えたハチオの顔が、やけに眩しく見えたのだが、この作戦がハチオの最期の戦いになることなど、この時考えた者は、誰も居なかったのだった。
いよいよ、頭脳戦の様相を呈して来ました!
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