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産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
開戦

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第97話 開戦〜魔王軍の巻き返し

ところで、もっと登場させて欲しいキャラはありますか?

出来れば、読者の皆さんと一緒に物語を進めて行きたいと思っています。

気軽にコメントしてくれると嬉しいです!

「軍師サムよ。

現状の膠着状態は、いつまで続くのですか?

そもそも、今の状態が長引いたら、どちらが有利なのですか?」


そう問われたサムは、腕を組みながら魔王アサダに説明を始めた。


「籠城戦の膠着状態では守る側が初期的には有利です。

ですが、兵糧・援軍・士気・季節要因などの複合的な要素によって、攻める側が有利になることもあります。

ただし、籠城戦というのは、単なる持久戦ではありません。

知略と準備の勝負でもあるのです。

したがって、これからは彼我の知恵比べとなります。」


それを聞いたアサダは、少し安心したように言った。


「では、そなたを抱える我が軍が有利ということですね。」


しかしサムは、難しい顔をして返した。


「いえ、敵側には、勇者ユージがおります。

彼の行動は、合理的には考えられない傾向があります。

しかも、後から考えると、非常な妙手であることが多い。

加えて、彼を支えるスタッフも、極めて優秀。

少数精鋭で、とても侮ることは出来ない逸材揃いです。

一瞬たりとも、気を抜くことは出来ません。」


「そうですか。

それはやっかいですね。」


「しかし、ご安心ください。

初戦で失った軍勢は、既に補充が済んでおります。

彼我の戦力差は、約3倍。

しかも、人族の他国は、先のジャポネ王国との戦いで疲弊しており、援軍は期待出来ないでしょう。

確かに、地の利は敵方にありますが、現時点では我々が有利と言えましょう。」


魔王は、パッと顔を明るくして言った。


「そうなんですね!

少し安心しました!」


その顔を見て、サムは思った。

魔王と言うと、冷徹な強面を想像するが、この魔王は全く違う。

部下を大切にする、優しい御仁だ。

先代魔王に男子が生まれなかったが故に、彼女が魔王を継ぐしかなかった。

しかし、この可憐な少女は、健気にもその宿命を受け入れ、魔王たろうと奮闘している。

しかし、時折覗かせる、少女の面影を見ると、絶対に守り通さなければならない珠玉であると思わざるを得ない。

人徳だ。

先代魔王に抜擢され、今や押しも押されぬ魔王軍の軍師として君臨するサムは、その恩返しを果たさなければならないという義務がある。

しかし、それ以上に、この少女を守りたいと、心の底から感じている。


ちなみに、組織のリーダーには、様々なタイプがある。

自らの才覚と力に頼り、協力に部下を引っ張って行く者もいれば、優秀な部下に業務をすべて丸投げし、自らは地域との交流や人脈形成に注力する者もいる。

リーダーシップに王道は無いし、他人の真似で上手くいくとは限らない。

ただし、サムが一番感じるのは、自分に無い才能を、魔王アサダが持っているということだ。

その才能とは、人としての魅力だ。

確かに、サムは己の才能には自信を持っている。

いついかなる状況であっても、冷静に最適解を見付け、着実に遂行していく能力は、誰にも負けない。

しかし、一人に出来ることには限界がある。

多くの人を上手く動かしてこその組織力なのだ。

そして、この人のためなら、苦労も厭わないと、心の底から思わせることによって、人はその能力の2倍3倍の力を発揮する。

それを、自然に出来る魅力が、魔王にはある。

その彼女から、全幅の信頼を寄せられていることを常日頃からひしひしと感じているサムだったが、今目の前で不安を感じる彼女の姿を見て、改めてこの戦争に勝つためにすべてを投げ打つ思いを強くしたのだった。

そして彼は、魔王を安心させるべく、続けて言った。


「魔王様、ご安心ください。

前回の戦いで敵が使ったシールドの正体は既に解析済みです。

あれは、魔道兵器の一種で、エネルギーを物質化したものです。

しかも、極薄い膜のようなものを形成することにより、省エネと強度を両立させるという優れものです。」


それを聞いた魔王は、驚いて言った。


「では、我が軍は、敵の城壁を突破出来ないのですか?」


「いえいえ、既に解析済みと申し上げたのは、その対策も講じているという意味でございます。」


「そうなんですか!して、その対策とは?」


「はい。

専門的な説明をすると長くなるので、かいつまんで単純化してご説明します。

魔道兵器とは、魔石から生じる魔力をエネルギーに変換することによって、強力な動力源とする兵器です。

魔石の質にもよりますが、ほぼ無尽蔵の燃料の供給を受けて莫大な力を発揮することができます。

ただし、このエネルギー変換を阻害してしまえば、無用の長物と化すのです。

そこで、私はエネルギー変換阻害用の専用銃を開発しました。

先般の戦いにおいて、魔道装置がどこに設置されているかはわかっています。

次の戦闘を開始する際には、敵の城壁発生装置を、専用銃で狙撃することにより、シールドの発生を防ぐことが出来ます。

そうすると、前回の二の舞となることは無いでしょう。」


「なるほど!それは素晴らしいですね!」


「シールドの発生を防ぐことが出来れば、ロクローマルも、その実力を如何なく発揮してくれることでしょう。

初戦の敗戦を挽回しようと、士気が上がっているロクローマル軍が、獅子奮迅の戦いをしてくれることは必定。

小賢しい策さえ対策してしまえば、実力勝負では我が軍が圧倒的に有利です。」










軍師サムの城壁対策は奏功するのか?

ロクローマルは名誉挽回できるのか?

対するタスクフォースはどう出るのか?

緊張が高まって来ました!



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こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

もし「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら、ブックマークや感想をいただけると励みになります。

今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!


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