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産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
開戦

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第93話 開戦〜連合軍陣営

立て直しを図る魔王軍に対し、連合軍はどんな手を打って来るのか?

今回は連合軍の作戦会議の様子をお伝えします!

「ションパイが取られたかあ。

中部人民共和国も油断したのかなぁ。

かわいそうだねぇ。

でもまあ、対岸の火事は美しいって言うからね。」


連合軍本陣に設置された大モニターを見ながら、ユージが言った。

それに対し、ナーチャンは冷たく言った。


「何を脳天気なことを言っているのですか?

中部人民共和国は、連合国側の大国ですよ。

しかも、港湾都市ションパイは物流の要衝です。

連合国全体にとっても、ロジスティック面での痛手となります。

決して対岸の火事なんかじゃありませんよ!」


そう言うナーチャンに、ユージは苦笑いをしながら言った。


「わかってるわかってる!

場の雰囲気を盛り上げようとしただけじゃん!

ただよジョークだよ、ジョーク!

それよりリシュンさあ、この後の展開はどう見たらいい?」


リシュンは、自信満々で答えた。


「ションパイを落とした魔王軍は、そのまま中部人民共和国の首都であるポキンには向かわずに、兵を返して我々の方に向かって来たらしい。

つまり、魔王軍幹部は今、ほぼ全軍でジャポネ王国と対峙している。

そして、魔王アサダと四天王も全員集結している。」


「さすがはリシュン!

良くこんなに早く敵情を把握出来たな!」


リシュンは、少し照れながら言った。


「いや、これは全部月影の庵旅団からの情報なんだ」


隣りにいた神楽耶がドヤ顔で割って入った。


「ハミータを潜入させておいたからな。

魔王軍の動向は手に取るようにわかるのじゃ。」


それを聞いた俺は、ビックリして言った。


「いや、それはいくら何でもバレるでしょ?

魔王軍の本陣に割烹着着た掃除のおばちゃんがいたら、誰がどう見ても怪しむでしょ?

魔王軍って、馬鹿なの?」


「まあ、そう興奮するでない。

ハミータには、七変化のタレントがあるのじゃ。」


「なんですと?

七変化?

そんなタレント持ってるんだったら、わざわざ掃除のおばちゃんに紛れて俺たちの様子を伺う必要なんか無かったんじゃね?」


俺の素朴な疑問に、神楽耶は苦笑いしながら答えた。


「いや、まあ、なんじゃ。

それは、奴の趣味じゃ。

たまに、家政婦に近い格好をしないと、落ち着かないらしいのじゃ。」


「なんじゃそれ?

まあ、いいや。

それで、魔王軍の様子はどんな感じだったの?」


「うむ。

どうやら、今回の開戦は、ロクローマルの独断専行だったらしいのじゃ。

血気盛んなロクローマルは、軍師サムの戦略を無視し、正面突破を図ったそうじゃ。」


それを聞いたリシュンは、したり顔で言った。


「うん、AGIの想定通りだな。」


「何?お前のAGIは、そこまで読んでたの?

ホントすごいな!」


リシュンは、やや苦笑いしながら言った。


「いやいや、完全に予想していた訳じゃ無いぞ。

軍師サムは、そんな単純で勝率の低い賭けには出ないのは間違い無かった。

ただし、ロクローマルの性格と魔王軍内での力関係、感情、過去の傾向などから、そういったことも十分に起こり得ると予想していたんだ。

そして、起こり得る可能性に対する対策、今回はロクローマルの正面突破に対するカウンター攻撃のための魔道防壁を用意しておいたって訳さ。」


それを聞いたユージは、やや考え込みながらリシュンに聞いた。


「でもさ、それって予想が外れたら全くの無駄になるんじゃないの?」


リシュンは、余裕の笑顔を浮かべて答えた。


「いやいや、戦局はいろいろな状況に変わり得る。

そこで、シミュレーションを繰り返すことにより、対策案を複数立てて、状況に応じて組み替えるんだ。


例えば、王都を守る魔道防壁は、魔王軍が総攻撃をかけて来る局面でも使えるし、味方が裏切って王都が手薄な時に攻め込んで来た時にも使える。

要するに、将棋の駒と一緒さ。

攻めにも守りにも使える駒は、出来るだけ貯めておいて、効果的に使うべきなのさ。」


俺は、感心して言った。


「なるほどな。

まあ、確かに守りを強化しておくのは有効だな。

で、次はどうなるんだ?

AGIはなんて言ってる?」


リシュンは、難しい顔をして言った。


「AGIによると、当面は睨み合いだな。

魔王軍は少なからず被害を出したものの、ションパイを取れたのは大きい。

戦場の生命線とも言える補給線を確保することが出来たんだからな。

これで、彼らは前線に大陣営を置いて、じっくりと戦況を見極めることが出来るようになった。

対する我々も、圧倒的な地の利があるから、余裕を持って対峙出来る。

そうなると、おのずと持久戦になるのが必然。

軍師サムが前線で指揮していて、ロクローマルが失態を犯して大人しくなっていると考えると、これが最も確率の高いと思われる。」


「なるほどな。

しかし、そうなると、一枚岩とは言い難い俺たち連合軍も、安泰とは言えないな。」


「さすがリーダー、鋭いな。

特に、ションパイを落とされた中部人民共和国の動向には注意が必要だ。」


「そうだな。

神楽耶さんさぁ、ハミータを中部人民共和国に派遣することは出来ない?

魔王軍が暫く動かないんだったら、中部人民共和国の首脳陣を見張っといた方がいいんじゃらない?」


それを聞いたリシュンは、すかさず言った。


「さすがリーダー!

やっぱりあんたは鋭いぜ。

確かに、動きが読める魔王軍よりも、今は中部人民共和国の方を監視しといた方がいいな!

神楽耶殿、どうだろう?

ハミータは行けるか?」


神楽耶は、深く頷いて言った。


「いいじゃろう。

アルノルトも依存無いかの?」


隣で腕を組んでいたアルノルトは、言った。


「良いでしょう。

確かにユージ殿の言う通りだ。

早速、ハミータに伝来を出しましょう。」


それに対し、リシュンが言った。


「それには及ばないぜ。

彼女には、リーダーが発案したスマホを持たせてあるから、それで連絡を取ったらいいぜ。」


それを聞いた神楽耶は言った。


「なんじゃと?

何だそのスマホという奴は?」


リシュンは、ドヤ顔で答えた。


「離れたところにいる相手に対し、双方向で連絡をすることが出来る魔道具だ。

まあ、実際はこんな小さいんだけどな。

この、手のひらに乗る魔道具を使うと、例え相手が星の裏側にいても、リアルタイムで会話することが出来る。

しかも、会話が難しい状況では、メールという手段で筆談をすることも可能なんだ。

すごいだろ?」


「何ですかそれは!

どんな仕組みでそんなことが出来るのですか?」


隣りでおとなしくしていたアルノルトが突然食いついて来た。


それを見た神楽耶は、呆れたように言った。


「またアルノルトの病気が出たか。

良いじゃろう。

そのスマホとやらを貸してたもれ。

わらわがハミータに指令を出すとしよう。」


その後、アルノルトの質問攻めにリシュンが閉口したのは言うまでも無い。


戦局は膠着状況。

サムとリシュン、2人の軍師による頭脳戦が始まります。



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