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産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
魔境攻略計画

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第79話 魔境攻略計画~ハミータは見た③

ハミータの報告は、今回で終了です。

これが、神楽耶がユージに同盟を申し入れるにあたっての、事前調査の内容です。

しかし、これでいいのか?

「違うよ、お客さん。

この国には、まだまだ貧しい国民が多くいて、ギリギリの生活をしているの。

そんな貧しい家族の中で、比較的かわいい女の子が、こういうお店で働いているの。

ユージさまの改革で、キャバクラ店は減ってしまって、このお店とお隣のお店の2軒だけになってしまったけれども、その分お店が大きくなって、働き口は増えたのよ。」


「つまり、貧困層を風俗産業で無理やり働かせてるってことじゃないのかな?」


ハミータの言葉に対し、そのキャバ嬢は言った。


「あたしには、難しいことはわからないけど、ユージさまがこうやってお店の売り上げを上げてくれることによって、あたしたちの稼ぎも多くなって、家の生活が助かるのよ。

そして、普段は真面目に働いてお金を貯めて、たまに発散しにこのお店にやって来るお客さんたちも、ユージさまにご馳走してもらって、出費が少なくなるの。

さすがのユージさまも、戦争とか災害とかが起きたら、なかなかお店に来れないけど、普段は毎週月水金の3日はこうやって来てくれるわ。

本当にありがたいのよ。」


「しかし、働き口が欲しいのは、若くてかわいい女性だけではあるまい?

単に自分の好みだけで、一部の庶民のみ優遇するのはいかがなものか?」


「それも違うのよ、お客さん。

ほら、あっちのコーナーを見てみて。」


低い衝立を挟んだ別のコーナーにも、接客スペースが広がっていた。

ただし、接客している女性は、中年というか、年齢層が高かった。

その脇では、男性が接客をしていた。

そして、さらに奥には、女装をした男性と思われる、ごつい連中が接客をしていたのだった。


「あっちは、熟女パブコーナーね。

若い娘だと、話がかみ合わないって客も多いのよ。

やっぱり、ある程度人生経験を積んで、接客の技術も磨いた熟女にも、結構なニーズがあるのよね。

それから、その向こうはホストクラブコーナーね。

客は女性ばっかりでしょ?

男女問わず楽しめるお店になっているのよ。

それからさらに奥は、オカマバーコーナーね。

オカマのおねえさんたちって、ホント面白いのよ!

私たちも、たまにあのコーナーに客として行っちゃうくらいなんだから!」


その時、ユージはシャンパンタワーの一番上のグラスを取って、ホストクラブコーナーのホストたちからの盛大なコールを受けながら、気持ち良さそうにイッキのみをして、空のグラスを掲げていた。

お店全体が一つになって、そんなユージを称えていた。


「ユージさま最高!」

「今日のお酒が飲めるのも、ユージさまのおかげです!」

「ユージさま、イケメンじゃないけどかっこいい!」


「今、イケメンじゃないって言ったの誰だ?次から指名しないからな!」


そう言ったあと、ユージは、つぶやいた。


「でもまあ、これでみんなが少しでも幸せになるなら、安いもんだ。」


そんなユージの様子を見ながら、ハミータは言った。


「なるほど。

若くてかわいい女性だけじゃなく、熟女から男性からオカマまでに職をあっせんしているということですか。」


「それだけじゃないのよ。

このお店は簡単な食事も提供しているから、裏方では調理係の人たちが働いているわ。

黒服の人数も多いし、お店が終わったら掃除婦として働いている人もいるわ。

酒屋さんだって、お花屋さんだって、おしぼり屋さんだって、このお店が繁盛することで潤っているのよ。」


「なるほど。彼は陰でこの国の経済を循環させているということですか。」


その後、ほどなくしてユージは店を出て、隣のもう一軒のキャバクラに入って行った。


「なるほど、ちゃんと2軒とも行って、貧困層の援助をしているんですね。

まあ、元はと言えば、王国に収められた庶民の税金を、報奨金として貰った彼が、今度は庶民に還元していると考えれば、義賊のようなものかもしれませんね。」


そしてハミータは、しばらく店の外でユージの出待ちをしていたが、1時間ほどでユージは店を出て、千鳥足でベースキャンプの方に歩いて行った。


「同伴出勤もアフターも無し。

確かに、自らの欲望のためにキャバクラに通っているのでは無いのかもしれませんね。」


途中ユージは、酔い覚ましのためか、公園のベンチに座って夜空を眺めていた。

その横顔は、知性に溢れ、いつもの昼行燈とは全く違う印象だった。

そして、フーッと息を吐いてから、小さくガッツポーズをして、さらにキリッとした表情を浮かべた。


「こ、この男!普段の姿は周囲を欺くための仮の姿なのか?

一体何を考えているのか?」


その時、ユージは一人思索にふけっていた。


「なぜ、今年だけサンマが美味しいのだろう?

噂によると、丸々と太っているのは、今獲れている群れだけで、次の群れはまた痩せっぽちのサンマかもしれないとのことだ。

きっとこれは、環境変化によるものだな。

8年も続いた黒潮大蛇行がようやく終息したことによって、サンマが豊漁になったらしい。

そして、黒潮大蛇行は、気候変動による海水温の変化が要因であるという説が有力だ。

よし!これからも、俺が美味しいサンマを食べるために、タスクフォースのみんなに環境改善を頑張ってもらうぞ!」


そう思うと、思わず小さくガッツボーズをしたユージなのだった。


「やはりこの男は、底が知れない。

間違いなく、人知れずこうやって次の戦略を考えているのだ!

そうでなければ、こんなにも次から次へと圧倒的な成果を上げることなんて不可能だ。

理由はわからないが、普段は無能を装いつつ、人知れず貧困層への援助を行いつつ、星空を眺めながら次なる構想を練っているというのか。

わからない。

ながらく諜報活動を行い、人の心を読むことについては、誰にも負けない自信があった私でも、この男が考えていることだけは理解不能だ。

だがしかし、彼こそがこの王国の叡智であり、神算鬼謀を有する唯一無二の英雄。

そして、この星の希望であることは、間違いが無い。

臥竜鳳雛と言うが、もしこの男の存在が公になれば、この星の未来が変わることになるのだろう。

よし、これは早速神楽耶さまに報告せねばなりませんね。」


そうして、ハミータによる盛大なる勘違いの結果、神楽耶率いる月影の庵旅団からの王国への同盟結成の打診が行われたのであった。

さて、次回は同盟締結のための、王国と旅団との正式会見の様子を描きたいと思います!



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こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

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今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!


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