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産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
異世界召喚

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第7話 異世界召喚~新メンバー登場③

イコタンの2つめのタレントの、「フィナンシャル」です。

みなさん、お金の話はお得意ですか?

大事だとわかりながらも、普通に真面目にやってれば、きっとなんとかなる!

と思って放置しがちですよね。

なんとかせねば、です。

それはともかく、後半は、新キャラの紹介です!

「はい、かしこまりました。

フィナンシャルとは、その名の通り財務関連全般の能力でございます。

具体的には、資金計画、資金調達、採算管理、キャッシュフロー管理、資金運用などです。」


う~ん。なんかすごそうだけど、あまり良くわからない…。

そもそも、お金の管理なんて、小難しい顔をした真面目な担当者が、胃潰瘍になりながら黙々とやってた仕事だってくらいの印象しか無いしなぁ。

転職してからは、自暴自棄になって、宵越しの金は持たねえ主義を貫いて来たしなぁ。

まあ、でもなんだ。

きっと役に立つんだろう。


イコタンは、ジト目で俺を見ながら言った。


「ユージさま。お金は社会の血液です。

どれだけのお金を投資できるかによって、どれだけ大きな仕事が出来るかが決まると言っても過言ではありません。

こつこつお金を貯めることも大切ですが、今の王国が直面する課題を解決するためには、多額の資金が必要となります。

そして資金を集めるだけではダメです。

お金の流れを把握して、資金ショートしないように上手に支払いと回収をコントロールしなければなりません。

そして、投資したお金を何倍にもして回収することによって、新たな投資、つまり大きな仕事ができるのです。

フィナンシャルとは、それを可能にするとても大切なタレントです。

おわかりいただけましたか?」


「はい。おっしゃる通りです…」


なんか、怒られた…。

でも、この手の話って、大切な割には疎かにしている人が多いと思う。

金勘定ばっかりやってる奴とは仲良くなれる気がしないが、あまりに無頓着な奴とも付き合えないからな。

そう言えば、おねーさんのいるお店に行って、さんざっぱら高い酒頼んだ挙句、

「じゃ、割り勘な。ってか、今日は持ち合わせ無いから、お前払っといて!」

なんて、悪びれもせずに言われたことがあったな。

そしてそいつとは、その後疎遠になって、結局金は帰って来なかった…。

まあ、授業料とか手切れ金とか思うしか無いよな。


「ユージさま、この件はもう少しレベルの高い理解の仕方をお願いします。」


「はい、サーセン…」


また怒られた(泣)


まあしかし何だ。

とにかく優秀そうな仲間が増えて何よりだ!

これで俺の「オールフォア俺、俺フォア俺」ライフの実現に、一歩近づいたのは間違いない。


「よし、わかった!わからないけどわかった!」


なんか、哲学的な表現だな。俺ってすごくね?


ナーチャンが表情を崩さず言った。

「いえ、まったくすごくないです。むしろ、バカっぽくてかっこ悪いかと。」


うっせーよ!

どっかのお笑い番組で、卒業生が恩師に送る感動の歌として、こんな感じの曲が流れたエピソードが語られたのを見た気がするよ!

感動のセレモニーが台無しだよ!


「バカっぽくて悪かったな!

日々自堕落な生活送ってると、頭が悪くなるの!飼い慣らされた子羊のようになっちゃうの!」


「いえ、ユージさまの場合は、子羊と言うよりも…」


「わーっっ!それ以上言うな!どうせ豚とかカバとかエロ猿とか言って、俺をディスるんだろ!

それより、次の仲間を紹介してくれ!」


「よくわかってらっしゃいますね。かしこまりました。

それでは、次のメンバーをご紹介いたします。

ケル・サトータです!

タレントは、ファシリテートとアドミニストレーションです!


サトータと呼ばれた男は、深紅色の半着に、シルバーグレイの馬乗り袴。

草履を履いたすり足で前に進む。

長く伸ばした紅色の髪を乱暴に束ね、腰には、大振りの刀を履いている。

そして、おもむろに口を開いた。


「どうも、拙者、貴殿のもとでタスクフォースの一員として働くよう仰せつかった、ケル・サトータと申す者でござる。

よろしく頼むのでござる。」


おい…。なんだその浪人言葉は?

しかも、名前がケル・サトータ?

かっこから話し方まで、そのまんまじゃねえか!

著作権侵害は大丈夫なのか?


「細かいことは気にしないでござるよ。

ここは異世界、何でもありの世界でござるから、拙者は気にしないでござるよ。」


いやいやいや!

あなたは何でもありでいいかも知れないけど、俺は何かあったら困るの!

重大なコンプライアンス違反がありましたって、中身も言わずに謝りたくないの!

いくら注目されても、そんな注目のされ方はゴメンなの!


「そんな時は、切り捨てゴメンでござる。」


いやだから!

人を切り捨てといて、ゴメンで済ますって、どんなルールなの?

切られた方はたまらないよ!

明治4年の太政官布告で正式に廃止されるまで、武士には「切り捨て御免」制度が認められていたのだ。

たった150年前の話だよ?ビックリするよねぇ。

とは言っても、これは身分制度を維持するためのもので、正当防衛とか、名誉回復とか、はっきりとした理由と証拠が必要で、滅多やたらに横行していたものでは無いみたいなんだけどね。

そんなことはどうでもいいや。


「いやいや、切り捨てたらダメだからね?もっと罪が重くなるからね?ホント頼むよ!」


「ユージさまがそう言うなら、わかったでござるよ。」


いや、俺が言わなくてもわかってよ!危ないなぁもう。

うちのメンバー、ホントに大丈夫なのか?


「わかったくれたらいいや。

で、サトータのタレントについて説明してもらえる?」


「おっしゃる通りですね!それでは、私のタレント、ファシリテートについて説明しましょう!」


「おい!何明るく爽やかにしゃべってんの?ござる言葉はどこ行ったの?」


「ああ、それも含めて説明しましょう!

私のタレント、ファシリテートは、会議やグループワークなどの司会進行役として、決して発言者の意見を否定せず、皆が自由闊達に自分の意見を述べやすい環境を作りつつ、話が拡散しないよう、議論の方向を上手く誘導して、有意義かつ前向き建設的な会議を行えるよう、サポートする能力なのです!」


いやホント、さっきと同一人物?

ござる言葉は、どこに行ったのだ?




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

もし「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら、ブックマークや感想をいただけると励みになります。

今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ユージ以外の初の男性キャラ、サトータが登場しました!

次回は、サトータのもう一つのタレント、アドミニストレーションについての説明からスタートすると思います、たぶん。

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