第65話 第2部 魔境攻略計画~プロローグ
お待たせしました!
いよいよ第2部始動です!
ただ、少しペースを落として、2~3日に一度ぐらいの投稿になるかもしれません。
よろしくお願いします!
この異世界においても、世界の主役は、もちろん人類であり、その叡智と努力によって、文明を発展させて来た。
まあ、その努力の方向性がてんでバラバラであったが故に、合成の誤謬が生じてしまい、環境の劇的な悪化につながったのであるのだが。
合成の誤謬とは、個々の部分では正しいとされる判断や行動が、全体に適用されたときに誤った結果を生むという論理的な誤りのことだ。
言い換えると、誰もが自分の利益を守ろうとした結果、社会全体が崩壊していく。
合理性が、合理性を殺してしまうというシニカルな現象のことだ。
しかし今はそんなことはどうでもいい。
この異世界の星は、地球と違って人間文明が一定の場所に固まって偏在しており、人類による支配を阻む未開拓地が多く存在する。
その未開拓地の中でも、特に魔素が濃く、それによって強力な力を得た魔獣が闊歩するエリアがいくつか存在していた。
普段は、自然と人類との棲み分けが出来ているのだが、何かのタイミングでひとたびタガが外れると、人類に甚大な被害を及ぼす極めた危険な存在だった。
そのエリアのことを、人々は恐怖と敬意を込めて、『魔境』と呼び、魔境から魔獣が溢れて人類に被害を及ぼす現象を、大災害とんでいた。
かつて、魔境を征服すべく数多の勇者達が立ち向かって行ったが、その全てが虚しく終わり、帰って来た者は一人もいなかったのだった。
人類は、魔境とそこに棲息する魔獣と、なんとか共存を図るしか術はなく、時折発生する大災害による被害を最小限に食い止める努力に終始していた。
ところが、環境破壊の影響であろう、このところ、大災害の発生頻度が異常に上がっており、人々は不安に苛まれる日々を送っていた。
かつて、100年に一度の大災害と言われていた規模の大災害が、毎年のように発生するのだ。
たまったものではない。
タスクフォースの活躍により、これ以上の環境破壊は食い止めることが出来たが、既に破壊されてしまったものが元に戻るためには、数百年、数千年の時が必要となる。
環境破壊とはそういうものだ。
どこかの遠い星の親切な美女が、放射能除去装置をあげると言って妹を使者として派遣してくれるようなことは無い。
しかも、ダンジョン管理局の計測結果は、魔素の引き続きの増加を示しており、このままではこの星は魔素に飲み込まれてしまい、人類は絶滅を待つしか無い状況となっていた。
そこで、国王以下、この国の重鎮たちは、またもやユージたちタスクフォースの力を使うべく、準備を進めていた。
マイヤンが、ナーチャンに向かって何やら指示をしていた。
「元居た世界へ帰ることを諦めさせた、あなたの手腕、お見事でした。
その成果を早くも発揮する時が来ました。
いいですか、必ず勇者ユージを巻き込みなさい。」
その頃ユージは、最近お気に入りの夜のお店で、リリーちゃんを指名してご満悦だった。
「勇者ユージさま、今夜も楽しんでね!
ドンペリ開けていいかな?」
「もちろん、いいよ!
3本くらいいっとく?」
「まあ!格好いい!
ユージさまって、おじさまだけど、若造には出せない色気があってイケてるわ。
もう、ワタシユージさま以外の男は目に入らないわ!」
「何を言ってるんだよww
俺なんかただのおじさんだよぉ(笑)
君みたいな若くてかわいい子と、仲良くできるなんて、奇跡だよ、ふっ。」
満足気にそう言って、ユージはドンペリを一気に飲み干した。
それを見た黒服と、ヘルプの女性が大喜びして、口々にユージを褒め称えた。
気分を良くしたユージは、黒服に向かって言った。
「今夜も例のあれ、いっとく?」
「毎度ありがとうございます!シャンパンタワーですね!」
即座に、店内にアナウンスが響き渡る。
「3番テーブル、シャンパンタワー入りました!ドンペリです!」
「「「「「おーーーー!」」」」
店内に歓喜の声が響き渡り、ほどなくしてシャンパングラスが綺麗に積み上げられたテーブルワゴンがカラカラと運ばれて来た。
スタッフが一番上のグラスに注いだドンペリが、次々に下に流れて、すべてのグラスを満たしていく。
反射されるライトアップの光と、はじけた炭酸とあいまって、幻想的な光景を生み出す。
マイクを片手にイケメンの黒服がシャウトする。
「今夜も勇者のドンペリだ!」
「「「イエー!」」」
「シャ!シャ!シャンパンタワーだ」
「「「「「イエ!イエ!イエ!イエ!イエ!」」」」」
「勇者が世界を救ったぜ!」
「「「「「イエー!」」」」」
「ついでにお店も大繁盛!」
「「「「「イエー!」」」」」
「みんなで祝おうイッキ飲み!」
「「「「「オー!」」」」」
「どんどん飲もうぜドンペリだ!
今夜も勇者を狙い撃ち!」
狙い撃ちコールの大合唱が始まった。
それを聞きながら、ユージは余裕の笑顔でグラスを一気に煽る。
それを見た店中のスタッフと客までも、グラスのドンペリを一気に煽って、大きな拍手でユージを称えた。
「みんな、今日は俺のおごりだ!
心行くまで飲んでくれ!」
「「「「「ワ~!さすが勇者!さすが我らのユージさま!!!」」」」
店内に割れんばかりの歓声が上がった。
国王から貰った多額の報酬があったので、この程度の散財は全く問題無いのだが、なんと言うか、金の使い道としては、あまり褒められたものでは無い。
そしてユージは、気分良く千鳥足で今夜も一人家路につくのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
こんにちは、作者のアズマユージです!
『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!
もし「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら、ブックマークや感想をいただけると励みになります。
今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
これだけ散財しながら、アフター無しってのも、贅沢な金の使い方、なのかな?
しかし、束の間の平和を満喫していたユージに、新たな課題が突きつけられます!




