第50話 資源循環が可能な社会へ~規格の統一
祝!記念すべき50話到達です!
そして今回もまた、メンバーによる勝手な深読みが…
タスクフォースのミーティングルームで、メンバーが駄弁っていた。
今日は比較的平和な一日だ。
「この間、スマホのケースが壊れたから、ネット通販で買ったのでござるが、機種が違ってたみたいで規格が合わなかったでござるよ。」
そういうサトータに、タケシトが首をうんうん振りながら言った。
「わかるわかる!
俺もさ、通販でTシャツ買ったら、3Lなのにピチピチだったんだぜ。
パーマだとちょうどいいサイズなのに、アセックサだと合わないとかって、困るよな!」
いや、お前の場合はもうちょっと痩せろよ、とも思いながらそんなあるある話を聞きながら、ふと思った。
「イコタンがさ、同じ業種の会社は2社までにするって言ってた(第19話参照)けど、それでも規格の問題は完全には解決しないねぇ。
いっそのこと、2社で競争はするけれども、規格は統一しちゃうってのもいいね。」
そう、無邪気に言った俺に、イコタンが立ち上がって言った。
「私は、間接部門の人員を削減して、生産性を高めるために同一業種の社数を極限まで減らす案を出しましたが、そうですね、無駄を省くためにも、さらに規格の統一を行うというのは、妙案ですね!」
ナーチャンがそれに続く。
「確かにそうですね。規格を統一して、部品も同じ物を使えば、在庫管理の手間も省け、さらに在庫自体を減らすことも可能ですね。
さらに言えば、リサイクルに適した規格にしたら、リサイクル率も向上して、資源循環社会へのシフトも進みますね。」
そう言ったあと、ナーチャンは一人つぶやいた。
「しょおもないつぶやきかと思いきや、その中にはワタクシたちの一歩も二歩も先を行ったアイデアがふんだんに詰まっているとは!
本当になんなんでしょうかね、このお方は。」
民間の力、というフレーズがあるが、確かに資本主義社会は過酷な競争の下に成り立っている。
他社に先駆け、他社より良い商品サービスを開発し、他社に負けない営業活動を行い、日々切磋琢磨するから新しいアイデアも出て来るし、便利で快適なグッズが多数生まれて来る。
だがしかし、絵空事も含めた、全国民の思いを収集し、まとめ、優先順位を付け、さらなる補完を、AIが行い、最も効率的で無駄の無い生産活動を行うとどうなる?
営業活動なんて、非効率業務の最たるものだ。
潜在的なニーズを顕在化させ、消費・契約へと誘うことこそ、営業マンの醍醐味なんだが、AIの愛ちゃんが会話の中で潜在ニーズを把握し、最適なソリューションを提供すれば、世の中の営業マンは絶滅するだろう。
営業マンの業務に占めるウェイトが大きい、顧客管理業務も必要無い。
競合先が減って、規格が統一されれば、放置プレイをしたら、顧客から逆選別をくらって他社に乗り換えられる、といったことは、まず生じない。
”乗り換えキャンペーン”などという不毛なキャンペーンも無くなる。
「そこまで考えての発言だとしたら、恐ろし過ぎる…」
本当のところは、ユージはそんなこと、全く考え無しになんとなく思いついたことを言ってるだけなのだ。
勝手にまわりが拡大解釈して、ユージを持ち上げているだけなのだ。
「まあいいけど、リシュンはまだかな。」
俺の言葉を聞いて、ナーチャンが顔を引きつらせて聞いた。
「まだ何かアイデアがおありだと?」
しかし俺は、笑いながら答えた。
「ちがうちがう。
たいしたことじゃないんだよ。
出来れば、リシュンにお願いしていた、新しいRPG”理想の幻想国家”が出来てたら、試してみようかなって思ったんだ。」
「理想の幻想国家?なんですかそれは?
なんとなく、誰もが知ってるRPGみたいな名前ですけど?」
「ああ、そう言われてみれば、ちょっと似てるかな。
でも、中身はちょっと違っていて、スタートはみんな今の世界の今の自分。
タスクフォースのみんなの意見で、理想の国を作って、その中でみんなが主人公、みんなが英雄になって、この星を救うって感じのストーリーなんだ。
そのゲームの中では、飢えも寒さも孤独も無い。
まさに理想の世界。
それを、AIとかロボットとかと一緒に作り上げるってのをゲームの中で体験できたら、すごくいいと思わない?」
ナーチャンは、驚いて言った。
「つまり、ワタクシたちの考えていることを、ゲームの中で体験してもらって、その良さを皆に実感してもらうと?
それによって、新たな施策へのアレルギーを取り除いて、理想の国、いえ、理想の星を作る一助とすると?
すごい…。
それなら、我が国の民だけでなく、他国の民の賛同も得やすくなりますね。
まさか、そんな秘策を練っていたなんて。
ユージさま、あなたって人は…。」
「いやあ、せっかくリシュンがいるんだからさ。
どうせだったら、みんなが楽しく遊べて、それでいて役に立つゲームを作って欲しいって言ったんだよね。
ほら、リシュンに頼んだら、タダじゃん?
やっぱ、タダっていいよね!
しかも、あいつ仕事早いから、すぐに作ってくれそうじゃん?
そしたら、勝手に話が進んじゃってさ。
なんかリシュンが張り切っちゃって、いつもより時間がかかってるんだよね。
ありぁ、相当作りこんでるな、きっと。
今から楽しみだよ!」
そういう俺を、いつも通りのジト目で見ながら、ナーチャンは溜息をついたのだった。
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