第30話 ネクストフェーズ~俺ってタレント持ってたんだ
ユージのタレント、忘れてましたね!
さて、どんなすごい能力が秘められているのか?
「はい、最初ワタクシがタレントのご説明を差し上げた際、ユージさまもタレントをお持ちであることを申し上げたはずです。
第5話をご参照ください。
その後、しつこく内容を聞かれなかったので、ご説明しなかっただけです。」
ナーチャン!君、シレっととんでもないことを言ってるよ!
俺にタレントがあるなら、聞きたいに決まってるじゃん!
めちゃくちゃ気が利くナーチャンが、そんなうっかりミスしないよね!あり得ないよね!
「フフッ。
実は、メンバー紹介のシャクが長くなって、冗長な感じがしたので、ユージさまのタレントの説明は省略させて頂いたって訳です、テヘッ!
ですので、これから説明しますね!」
テヘッ!やあらへん!
省略させて頂いたって訳ですって、勝手に省略してどないすんねん!
タケシトのタレントかって説明しとったのに、なんでリーダーの俺のタレントの説明を割愛すんねん?
どないなっとんねん?
「おっかしぃやろ!ありえへんやろ!」
なんか関西弁になってもうたで!
しかしナーチャンは、まったく動じずに俺のタレントの説明を開始した。
「ゲームチェンジとは、そのものずばり、革命を起こすことができるタレントです。
従来のルールや常識、勢力図を一瞬で覆すことの出来る能力です。」
「すげーじゃん!ってか、そのタレント使ったら、何でも出来ちゃうじゃん!俺って最強?」
「はい、何でも出来ます。
ただし、威力がすごいため、その反作用も大きいです。
ひとたび発動すると、全身の毛根が死滅して、すべての毛が抜けてしまいます。
再生することはありませんので、一生ツルツルのままです。」
「………。」
「2度目は、さらなる試練が待ってます。
男性としての機能が喪失します。
そして、3度使えば、どうなるかはもうおわかりではないですか?」
ナーチャンが、寂しそうに言った。
俺は思わず、
「ぜんっぜん使えなねーじゃん!
なぁーんで体中の毛が抜けるの?
ヌードマウスじゃん!
ってか、男性機能が喪失って何?
3度目使えば死ぬってこと?
一度だって使いたくないわ!
こんなタレント返上するわ!」
「ユージさま、タレントの変更は一切できません。
残念ですが、ユージさまは、このタレントと一生お付き合い頂くしかないんです。
諦めてください。
でも、大丈夫です。
ユージさまには、もう一つのタレント、イノベートがございます。
イノベートとは、新しいアイデアや技術で、革新を起こすことです。
つまり、今までにない新しい価値を生み出すことができる能力です。」
「いいじゃん!
で、そのタレント使っても、毛は抜けないんだろうな?」
「はい、毛は抜けません!大丈夫です!
ただ…。」
「ただ、何だよ!やっぱ死ぬのか?」
「常識を超えた強い力を持つ方の宿命と言いますか、あんまり勝手に使われるとストーリーが壊れるからと言いますか、やはりこのタレントにも、反作用がございます。」
「ストーリーって何だよ?
俺ツエー系でもいいんじゃないのか?
俺はその方が楽しいと思うぞ」
ナーチャンは申し訳なさそうに言った。
「はい、そういったジャンルはございますが、それは主人公が節度を持っていらっしゃる方の場合に限られます。
ユージさまの場合、あまり強い力を条件無しに持たせたら、調子に乗ってハーレム作ったり、贅沢三昧したり、R18本になってしまう懸念がございます。
ですので、この世界の守護神さまが、制約を設けたものと思われ…。」
俺の自由にさせたらなんだって?
ハーレム作ったり、贅沢三昧の自堕落な生活を送っでこの物語の品位を損ねるってか!
そんなことする訳無いだろ!
無いと思うぞ…。いや、無いんじゃないかな…。無いといいな。
「たぶん、やるな。でしょうか?」
「おーい!だから勝手に心の中覗くのやめろ!
失礼しちゃうわ!」
なんか、都合が悪いせいか、女言葉になっちゃったよ。
「まあいいや。
で、そのイノベートの反作用って、どんなもんなんだ?」
「はい!イノベートの反作用はゲームチェンジほどハゲしいものではありません。」
?なんか今ちょっと、おやじギャグぶっこんで来てなかったか、こいつ。
ナーチャンは少し照れたような顔をして言った。
「何度でも発動できますが、発動した場合、約1週間は下痢とくしゃみが止まらなくなります。
トイレを我慢していても、くしゃみをしたら、身が出てしまいます。」
「やっぱ使えないやつ!な~んで俺だけそんな反作用ある訳?
他のメンバーも強力なタレント使ってるのに、ピンピンしてるじゃん!
どういうこと?」
俺は必死のパッチで訴えたのだが、無駄だった。
折角タレント持ってても、使ったら毛が抜けるなんて、嫌に決まってるでしょ!
あのアマ、なぁにが『大臣なんか恐れるに足らずです!』だよ!
全然大丈夫じゃねーじゃねぇかよ!
やっぱ、革命の犠牲って、俺のことじゃねぇかよ!
もっと言うと、俺の毛根を犠牲にするって言ってるのといっしょじゃん!
プンプン!
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やっぱり何かありましたね。
さて、タレントに制約がある中、タスクフォースはどんな手を取るのか?




