第29話 ネクストフェーズ~政治家なんて最小限でいいよね
タスクフォースの活躍は、まだまだ続く!
このところ、産廃屋関連のウンチク、じゃなくて情報についてもだいぶ書いたので、第2フェーズに突入です!
「イコタンさんのヒューマンリソース最適化策は、我々の当初の予想を大きく上回って、素晴らしい成果をあげました。
ただし、まだまだ労働力不足を払拭するには至っておりません。
今後5年間で65歳を迎える労働者は、約700万人。
一方、新卒で労働者となるであろう人数は、約400万人。
つまり、300万人分の労働力を創出しなければ、現状維持すら難しいということです。」
ナーチャンがモニターをさしながら、皆の前で説明している。
300万人かぁ。
「それって、東京ドーム何個分?」
「野球なのかコンサートなのかによって、東京ドームの収容人数は変わりますが、概ね5万人といったところでしょうか。
つまり、300万人は、東京ドーム60個分ということになります。
と言いますが、何でも東京ドーム何個分って表現するのは、バカっぽくないですか?
そもそも、東京ドーム何個分の広さだとか、東京ドーム何個分の水と言われて、正しいイメージ持てますか?
なんかでっかい野球場がたくさん、くらいの理解しか出来ないと思います。
それよりも、労働生産人口の何パーセント?
とか、〇ヨタ自動車何社分?
とか聞いてくれた方が、より正しい理解が得られるかと。
ちなみに、労働生産人口の約4%、〇ヨタ自動車40社分です。」
バカっぽくて悪かったな!
しかし俺は蹴られるのが嫌なので、言葉を飲み込んだ。
ほら見ろ!俺にだって学習効果ってものがあるんだぜ!
ナーチャンは、冷たい眼差しを俺に送りながら言った。
「まあいいです。
つまり、当面5年間で減少する労働力の確保という観点では、現在の施策は十分とは言えません。
100万人分は高齢者雇用と効率化でなんとかなるとして、せめてあと200万人ほどの人員確保を進めなければなりません。」
なるほど。
日本で圧倒的な規模を誇る、世界に通じる自動車会社の社員が40社分って、相当な人数だな。
それが現実に減るってのは、由々しき問題だ。
俺は気になった鼻毛を抜きながら、ひとごとみたいに思った。
「ですので、次はもっと大胆な施策を展開していきたいと思います。」
そりゃぁそうだな。
ちょっとやそっとじゃ、200万人なんて人数は出てこないよな。
でもどうしたらいいのかね?
「どっかで役にも立たずに遊んでる奴らがいればいいのにね」
無邪気に言った俺の言葉に、ナーチャンが強く反応した。
「それです!ユージさま!
遊んでいるつもりは無いですが、生産性向上に寄与していない、むしろマイナスな人たちと、それに付随する人員を削減しましょう。
行って来いで、大幅な効果が期待できます!」
なんか、都合良く遊んでる人たちがいたのね?
まさかそれって俺のことじゃないよね?
「それでは皆さん、よろしいですか?
リシュンさん、AGIの次の試験運用として、公的機関のAGI化を行えるよう、準備をしてください。
あわせて、国民の声を広く拾って、地域特性も考慮した公共事業を効果的かつ効率的に行えるようにしてください。
それが出来たら、政治家の95%、公務員の70%を削減します。
政治家は、高齢者が多いので、労働力としてはあまり役に立ちませんが、利権や選挙対策のために、ほとんど交通量の無い道路建設を強引に進めたり、特定の業種に都合良く補助金を出したりといった、国のためにならないことが出来なくなるので、間接的に効率化に寄与します。
我が国の政治家および秘書等の関係者の数は、おおよそ4万4千人です。
700人いる国会議員を100人に減らし、3万人いる地方議員を、1000人まで減らします。
これにより、関係者もあわせて、4万人以上の削減が可能です。
また、60万人いる国家公務員を30万人まで減らし、280万人いる地方公務員を100万人まで減らします。
なおその内、自衛隊・消防・警察などの当面必要な要員はほぼ現状と同じ70万人を維持し、その他の業務を可能な限りAGIで代替します。
なお、リシュンさんにはロボット工場も高度化して頂き、自衛隊・消防・警察に必要な人数の削減にも取り組んで頂きます。
なお、これらの施策は、段階的に進め、5年後における達成を目標とします。
いかがでしょうか?」
ナーチャンの大胆な提案を聞いて、俺は一抹の不安を覚えた。
「いいけどさ、それって、政治家とか官僚とかからの抵抗すごくない?
なんかいきなりハードル上がっちゃってるような気がするんだけど、大丈夫なの?
俺、また大臣連中から怖い顔で怒鳴られるのイヤなんだけど?
ってか、革命起こったりしないの?
ギロチンでクビちょんぱなんて、絶対ゴメンなんだけど?」
俺の、しごく妥当な意見に対し、ナーチャンが小さな声で行った。
「改革に犠牲は付き物です…。」
「ん?いま、犠牲って言った?
それって誰のこと?
まさか俺を踏み台にして、大胆なことしようってんじゃないよね?
俺、こう見えても勇者だよ!
俺がいなくなったら、誰がタスクフォースのリーダーを務めるのよ!
ちょっといい加減にして欲しいんですけど?
ねえ!バカなの?」
俺は口角唾を飛ばして訴えた。
するとナーチャンは笑いながら、
「いえいえ、犠牲とは政治家のことですよ!
官僚は優秀なので、新しい職場にすぐにでも順応するでしょう。
そのへんは、「しゃちょーさん1号」が適材適所を実現してくれます。
ただ、政治家はどうでしょう?
何人の方が使えるか…。
まあ、前にも言いましたが、平時であれば、少しは存在意義もあったのでしょうが、今は絶賛緊急事態宣言発動中です!
バッサリ行きましょう!」
なんかこの子、かわいい顔して過激なこと言うわぁ。
絶対怒らせたらアカンやつや。
気をつけよっと。
「そもそも、ユージさまの持つタレントである、ゲームチェンジとイノベートがあれば、大臣なんか恐れるに足らずです!」
何?俺ってそんなタレント持ってたの?
ゲームチェンジとイノベートって、革命と変革?
なんかすごいじゃん!
でも俺、聞いてないよ!
初耳だよ!
マジでそれぇ、早く言ってよぉ~!!
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こんにちは、作者のアズマユージです!
『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!
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今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!
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個人的な意見ですが、本当にAIが発達したら、政治家先生って、存在意義がかなり薄れると思うんですよね。
技術革新後の、新たな政治経済、国家運営って、どうあるべきなのか?
勝手に話が進んでいってますので、もしご意見あれば、感想でもなんでも、リアクションよろしくお願いします!




