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産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
産廃屋としての矜持

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第27話 産廃屋としての矜持~この国の課題

ちょっとうんちくが多くて読みにくいかも知れませんが、結構切実な問題なので、もうしばらくお付き合いください!

「サーマルリサイクルとは、廃棄物を焼却した熱を利用し、ボイラーで水蒸気を作ってタービンで発電するものだ。

ちなみに、廃棄物は、800℃から1000℃程度の高温でゴミを燃やした後、排ガスを再度1000℃程度まで熱する。

これにより、無害化する訳だが、やっかいなことにゆっくり冷やしていると、折角分解したダイオキシンが再合成してしまう。

そのため、1000℃まで熱した排ガスを、ボーラー内に通してエネルギーを吸収してから200℃程度まで急速冷却し、バグフィルターと呼ばれる装置で有害物や飛灰を除去した上で、煙突がらクリーンガスを放出する。

簡単に言うと、こういった仕組みだ。」


あんまり簡単じゃないし、1000℃とかってすごく熱いぐらいしかイメージわかないけど、なんとなくわかった気がするよ。


「まあ、この際仕組みはどうでもいい。

問題は、安定的に高温を保つ必要があるってことなんだ。

低温だと燃え残りが多く発生するうえ、ちゃんと無害化出来ない。

高温過ぎると、機械が壊れる。

つまり、適正な温度帯を常に維持する必要があるんだ。」


なるほどねぇ。結構デリケートなのね。


「そして、最近のごみ出しルールの徹底により、別の問題も生じている。」


ふーん、そうなの?いろいろ大変だね。


「リーダー、鼻くそほじってないで、真面目に聞いてくれよ。

プラスチックの分別をしっかりしたことで、生活ごみのカロリーが減ってきてるんだ。

高温を維持するために、ゴミのカロリーが足りない時には重油を使ってバーナーを焚く必要があるんだ。

プラスチックってのは、原油を原料とした製品だから、かなりカロリーが高い。

ゴミの中に一定量のプラスチックが混ざっていると、重油の使用量がかなり減るんだよ。」


「なんだよ!

リサイクルが難しいプラをコストをかけて分別したら、重油を使わないといけなくなるって、何やってるかわかんないじゃん!」


リシュンは困った顔で言った。

「そうなんだよ。まあ、本当かどうか知らないが、焼却の現場では、せっかく分別して回収したプラゴミを、生ごみに混ぜて燃やしてるところもあるって話すらある。」


「何それ?分別意味ないじゃん!ってか無駄じゃん!」


「そうなんだ。

だから、リサイクルはエコ、とか分別は正義、とかのイメージに囚われないで、真に重要なことを徹底して行うことが大切だってことだな。

ちなみに、チンジローが実施した、レジ袋の有料化なんて、国民の意識改革には有効だったと思う。

だけどな、役所が発表しているプラスチック使用量年間25万トンの削減効果って話は、マユツバだと思うぞ。」


「まあね、本気でやるなら、もっとレジ袋の値段上げないとね。

1枚3円とか5円とかだったら、やっぱ買っちゃうしね。

1枚100円って言われると、ちょっと考えちゃうけどね。」


「まあ、現状の選挙制度がある限り、難しいだろうな。

と言うか、この件を議論しだすと、キリが無いのでヤメた方がいい。

話を戻そう。

実を言うと、一見良さそうなサーマルリサイクルも、難しい問題を抱えているんだ。」


「やっぱそうなの?どれもスッキリ行かないねぇ。」


「そうなんだ。

まずは、サーマルリサイクル設備が非常に高額だということだ。

基本的に、焼却炉は発電をしない単純焼却と、発電焼却にわかれるんだが、単純焼却を発電焼却にするのに、何十億円という費用がかかる。」


「10億円単位!そりゃまた高いねぇ!

でもさ、電気作って売ったら、すぐに元取れるんじゃないの?

このところ電気代バカ高いじゃん?」


「いや、ことはそう単純じゃないんだ。

電気は、新電力を含む電力会社経由でしか売ることが出来ないのは知ってるか?

その中で、太陽光発電やバイオマス発電などは、FITフィット制度と言って、一定の条件を満たすと、発電した電力を電力会社が高単価で買い取ってくれる制度があるんだ。

クリーンエネルギーの生産を推奨するための制度だな。

ただ、高値で買い取った分の負担は、電気料金に上乗せされる。」


「なんだよ!結局俺たちが負担してるんじゃないかよ!」


「そういうことだな。

まあでも、リーダーの寂しい一人暮らしだと、そもそもたいして電気代使ってないから、あまりわからないかもしれないけどな。」


おいお前!俺にケンカ売ってるのか?

あまり舐めてると、ナーチャンに殴ってもらうぞ!


「ユージさま、情けないです。ご自分でおやりになってください。」


俺だって出来たらやってるよ!

だってリシュンって、背が高くてイケメンで、いかにもケンカ強そうなんだもん。

絶対負けるもん…。


「リーダー、話を続けてもいいか?

という訳で、ゴミ発電をしても、かなり安値でしか買い取ってもらえないんだ。

つまり、高いコストを掛けてゴミ発電施設を作っても、売電だけじゃ資金回収できないってことさ。」


「じゃあ、作る意味無いじゃん!

単純焼却の方がよっぽどいいじゃん!

ってか、その金誰かに転嫁できないの?」


「基本的に、産廃については、ゴミを出した企業、つまり排出事業者が処分費を負担して、一般廃棄物の処分費については、行政が負担するんだ。

産廃に限って言うと、サーマルリサイクルをしているからといって、処分費を高くもらえる訳じゃない。

最近、セメント会社が安値で廃プラスチックを集めて、セメントを作る際の助燃材として使っている。

セメント会社が使った場合、ゴミが燃料となって、燃え殻はセメントになるので、完全なリサイクルになるから、排出事業者側も都合がいいんだ。」


「じゃあ、それこそ焼却炉作る意味ないじゃん!セメント会社に全部任せちゃえばいいじゃん!」


「そう考えるのは当然だが、セメント会社も万能じゃない。」


リシュンの説明は続く。






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こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

もし「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら、ブックマークや感想をいただけると励みになります。

今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!

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廃棄物処理って、結構複雑なんで、参入障壁が高いって言われてるんですよね。

もう少し、説明シーンは続きます。

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