表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
初めての任務

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/109

第25話 初めての任務~飲ミニケーションって大事だと思うんだ

昔、ほぼ毎日会社帰りに飲んでました。

あの金を貯金してたら、なんてことは思いません!

会社帰りの一杯、これ無くしてサラリーマン生活なんかやってられるか!

なんて言うほど、ストレスが溜まってたのかもしれません。

「皆さん、初めての任務、ご苦労様でした。

思えば、ワタクシが召喚魔法を使ってユージさまをこの世界に召喚してから、多くのことがありました。

(中略)

ということで、ささやかではありますが、ぜひこの会をご堪能ください。

皆さんのこれまでの活躍と、今後のさらなる飛躍を祈念して、ワタクシの挨拶の言葉に代えさせて頂きます。」


マイヤンさまの、長い挨拶が終わった。

なんか、神妙な顔してるけど、たぶんみんな全く聴いてないな、これ。

国際的なスポーツの祭典の閉会式で、挨拶が長すぎて校長先生ってあだ名が付いた会長みたいだな。

朝礼で偉い人が、

「今日みなさんにお話ししたいことは、3つあります。」

とか言って話していたけど、翌日までその3つを全部覚えていた試しが無い。

でも、特に仕事には支障が無かったから、覚える必要が無い話だったってことだろう。

ってか、毎日3つ言われて、それを全部覚える能力があったら、今頃英語ペラペラになってるよ!

かのニーチェも、「忘却は行動の条件である」って言ってたしな。

なんてしょうもないことを考えていたら、式次第は進んで行った。


「はい、マイヤンさまのありがたいお言葉でした!

それでは皆さん、お手元にグラスをご用意ください。

張り切ってご唱和ください!

我々タスクフォースの初任務の成功を祝して、カンバ~イ!」


パチパチパチパチ


マイヤン王女の挨拶の後、タケシトの音頭で、皆が乾杯した。

しかし、乾杯した後に拍手するって、新入社員の時にはビックリしたが、今ではなんとなく拍手が無いと盛り上がらないって言うか、落ちつかないって言うか、ちょっと物足りなく思ったりするから不思議なものだ。


「リーダー!仕事にはケジメが大事だぜ!

一仕事やり遂げたら、パーっと宴会しなきゃなんないでしょ!

よろしく頼むよ!」


タケシトの発案で、タスクフォースの初任務を祝したささやかな宴会を行うこととなった。

どういう訳か、場所は我々の仕事場兼住居であるタスクフォース本部のリビングルーム。

食事は、俺が用意するという、かなりチープな宴会だ。

極秘プロジェクトの情報漏洩を防止するためとのことだが、たぶん出掛けるのが面倒くさいとか、酔っぱらってもすぐに寝れるとか、安上がりとか、諸々の事情があるのだろう。


ちなみに、今日のレシピは、こんな感じだ。


・温野菜サラダ

根菜類を中心とした野菜を蒸すだけ、簡単だ。

最近は、電子レンジ調理できる蒸野菜のツールがあるから便利だ。

マヨネーズにケチャップを同量、少しウスターソースを混ぜて、気持ちニンニクペーストを入れるだけで、自家製ソースも完成。


・枝豆←ナーチャンからのリクエスト

枝豆は、塩もみして産毛を取っておく。

事前に端っこをハサミで切っておくと、見た目がキレイで、塩味が付きやすいのだが、俺は面倒なので気にしない。

沸騰したお湯に一つまみの塩を入れてから枝豆を投入して、再沸騰してから30秒待つ。

ざるにあけて熱いうちに塩を振って、自然冷却する。

そうすると、歯ごたえがしっかり残った、甘くて美味しい枝豆の完成だ。

茹で時間が短すぎると固くて青臭く、長すぎると柔らかくなって歯ごたえが無くなるので、要注意だ。

ちなみに、枝豆は銘柄と鮮度で味が変わって来る。

少し高くても、大きな豆がしっかり入った、新鮮なものを買って来て欲しい。


・冷奴←同じく、ナーチャンのリクエスト

冷奴は切って盛って、しょうがとネギを乗せる。あとは、お好みで醤油かポン酢で。

絹ごしと木綿で好みが分かれるが、俺は基本的に夏は絹ごし、冬は木綿が好きだ。

そもそも豆腐は安いので、スーパーでちょっと高級な豆腐を選んでも、300円もしないので経済的だ。


・刺身盛り合わせ

刺身は、それこそ切って盛るだけだが、包丁さばきには注意が必要だ。

力を入れずに奥から手前にすっと引き、最後に包丁を立てて切り取る。

ノコギリみたいにギコギコしちゃダメだ。

一匹丸のままだと卸すのが面倒で、ゴミも臭くなるので、基本的にさくになったものを買ってくる。

マグロは、少し塩締めすると、味が良くなるから不思議だ。

タイはさくのまま少し塩を振って、上下から出汁昆布で挟んで、キッチンペーパーで包んでからラップして、1時間ほど置くと、昆布締めになって美味しい。

昆布が無い時は、昆布茶を振ってもまあ美味しくなる。


・イワシの煮付け

イワシは、丸のまま、醤油・砂糖・酒・みりん・水を入れて煮て、しょうがを入れてアルミホイルで落し蓋をする。出来上がったら皿に盛って、針ショウガを乗せる。

煮魚も焼き魚も、盛り付ける時は手前を腹側にして、頭は左側に来るようにするのが基本だ。


・ローストビーフ

ローストビーフは、軽く表面に塩コショウ、お好みでハーブ各種をすりこんでから加熱するのだが、俺の場合はノンフライヤーを使う。

70℃で30分加熱すると、綺麗なローストビーフの出来上がりだ。めっちゃ簡単で失敗無し!

ソースは、いろいろあるけど、俺は単純に辛子醤油で食べるのが好きだ。

和洋折衷で、意外と美味しいのだ。


・自家製アイスクリーム

アイスクリームは、卵黄と砂糖をボールに入れて白っぽくなるまで良く混ぜてから、別の鍋で牛乳と生クリームを沸騰しないように注意しながら加熱して、さっきのボールに少しずつゆっくり混ぜながら入れる。あとは、タッパに移して、冷めたら冷凍庫に。30分置きくらいにかき混ぜると、滑らかになるが、そんなに神経質になる必要は無い。


分量は、全部適当だ。

一人晩酌に特化した、男の料理は、細かいことに拘らない方がいい。

失敗もほろ苦いスパイスだ。


事前の仕込みを少しやっておいたので、1時間ほどで料理が出来上がる。

手際の良さと時短も、男の料理にとって大切だ。


マイヤンは、こんな庶民の食べ物なんて食べたこと無いみたいで、美味そうに一心不乱に箸を運んでいる。

それにしても、驚いたり惚けたり、表情が豊かだ。


ナーチャンは、相変わらず酒癖の悪さを発揮して、手当たり次第に絡みながら、豪快に酒を煽っている。

あの細身のどこに入るが不思議だが、料理もがっつり食べている。


イコタンは、テーブルの端に座って、黙々と食って飲んでしている。

今回の任務の最大の功労者だというのに、謙虚なものだ。


リシュンも、喜んで食べているが、なんか、ワイルドに食べて飲む姿も、何故か絵になる。

テーブルマナーは悪いが、格好いい。

AIは、こういった不公平も改善してくれるのだろうか?


サトータは、例の浪人姿で、タケシトと肩を組んで、笑いながら酒を酌み交わしている。


「リーダー、どれも美味しいです!」

「ビールがすすむぜ!」


皆が満足してくれたら、俺も満足だ。


宴会部長のタケシトが、

「それじゃ、宴もたけなわではありますが、これにて中締めにしたいと思います。

まだ、料理も残っているので、時間のある方は引き続き楽しんでください。

それではリーダー、よろしくお願いします!」


「みんな、今回はありがとう。

ここにいる全員の力をあわせて、なんとか初めての任務を成功させることが出来たよ。

俺なんかがリーダーでいいのかって、いまだに思っているけど、それはともかく、また皆で頑張って、祝杯をあげられるようにしような!

それでは、一本締めでお願いします。

お手を拝借!よおーぉ!」


パン!と皆がタイミング良く柏手を打った。


頑張って働いた後の、気の置けない仲間との、他愛のないやり取りだ。

仕事が上手くいった後の宴会は、サラリーマンの醍醐味だしな。

ながらく、この感じを忘れていた気がする。

もしかしたら、俺はこの世界、このチームを結構気に入っているのかもしれない。

「なんか、こういうのっていいな…。」

そう独り言ちて、俺は眠ってしまった。


そして宴会は、日付が変わってもダラダラと続くのだった。






☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

もし「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら、ブックマークや感想をいただけると励みになります。

今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

酒はともかく、皆でワイガヤで食事を囲んで好き勝手なことを言い合う会って、楽しいですよね?

酒飲めないけど、飲み会に参加するのは好きって人、結構いましたよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ