第16話 初めての任務~世の中、そんなに単純ではないんだな
昨日、すごく嬉しいことがありました!
なんと、初のブックマークを頂きました!
めちゃくちゃ嬉しいです、ありがとうございます!
是非これからも、温かく見守ってやってください!
ところで、今回はリシュンの素晴らしいテクノロジーに対し、ナーチャンが大きな不安要素があるとの指摘が入ります。
その不安要素とは?
果たして、その不安を取り除く解決策はあるのか?
難しい顔をして、ナーチャンが言った。
「確かに、リシュンさんのテクノロジーには、目を見張るものがあります。
だがしかし、もし仮にAGIが合理的・理性的に思考を始めたら、どうなると思われますか?」
「どうなるって、今より便利で過ごしやすい社会にしてくれるんじゃないの?」
ナーチャンは、悲しそうな顔をして、首を横に振った。
「もし、今のこの星の環境を抜本的に改善するとしたら、まず直面するのは人口増加問題です。
2000年前からの、この星の総人口の推移をごらんください。」
モニターに、縦軸を人口、横軸を時間軸の折れ線グラフが表示された。
「なんじゃこりゃ!ここ100年から200年の間で、アホみたいに増えとるやないか!」
「確かに!これは指数関数的な増加だぜ!このままじゃさすがに不味いだろ!」
「これは普通じゃないでござる」
「ちょっと何言ってるかわかんないんですけど」
「そうです。普通じゃありません。
18世紀の産業革命後、人類は大量生産大量消費の社会への変革を急ぎました。
機械化・工業化が進み、交通インフラも整備され、食料生産も飛躍的に増加しました。
その後、医療技術の進展による死亡率の低下、さらには公衆衛生の進歩による感染症対策の普及など、人が死なない世界になったにもかかわらず、発展途上国では多産が継続され、結果的に爆発的な人口増加が問題となったのです。
先進国では少子高齢化が大きな社会問題となっているにもかかわらず、全世界では爆発的に人口が増加していることが大問題となっている。皮肉なものです。」
なるほどね。
「しかし、この星にしてみたら、たまったもんじゃないな。
勝手に際限なく増殖するなんて、まるで、体を蝕むがん細胞みたいじゃないか。」
「さすがはユージさま!
その通りなのです!
地球環境にとって、人類はがん細胞と同じなのです。
しかも、これからも増殖を続け、数年後には100億人を超えると予想されています。
わかりますか?
45億年といわれている星の歴史の中で、人、つまりホモサピエンスが生まれたのは約30万年前。
それでも、10億人に満たない人数の人が、少しずつ安定的に増えていた時代は、星と人との共存は出来ていたのです。
ところが、たった200年の間に、爆発的に人口が増えてしまいました。
そして山を削り、海を埋め立て、化石燃料を無計画に燃やすことによって温室効果ガスを大気中に充満させるという、星にとっては害悪でしか無い行動を取り続けたのです。
つまり、人類こそ、環境破壊の根源であり、真っ先に排除すべき。
というのが、真っ当なAGIの出す結論となるでしょうね。」
「あかんやん!
人類を救うために開発した技術が、人類を滅ぼすって、どんな皮肉だよ!
しかも、ロボットまで勝手に作れちゃうんでしょ?
だったら戦闘用兵器を作ることなんて、訳無いじゃん!
あー、ダメだ!もう終わりだ!
リシュン!おい!なんてものを開発してくれたんだ!
このアホ!」
俺は頭を抱えた。
何がタスクフォースだ!何がリーダーだ!
俺の心無い一言が原因で、リシュンがとんでもないものを作っちゃったよ!
どうやって誤魔化すんだよ!
世界を救う勇者どころか、人類を滅ぼす大魔王になっちゃうよ!
奴は、とんでもないものを作って行きました。それは、あなたの心です!
なんて、上手いこと言っても、絶対誰も許してくれないよ!
変なパクり方してるから、ちっとも上手くないけど…。
「あー、もうダメだ。もう終わりだ!リシュンのせいで、俺は天下の大罪人として後世に語り継がれることになるんだ!最悪だ!」
「おいおい、俺に文句を言ってもらっちゃ困るぜ。
善悪はそれを用いる者の心の中にあり、だ。
要するに、結果がどうあれ、俺が作ったものは素晴らしいんだ。
問題は、それをどう活用して役立てるかってことじゃないのか?」
リシュンの根拠の無いながらも自信たっぷりな発言を受けて、ナーチャンが言った。
「その通りでございます。
為せば成る、為さねばならぬ何事も。為らぬは人の為さぬなりけり。
かの米沢藩主上杉鷹山が言った言葉でございます。
それでは、サトータさん、リシュンさんのテクノロジーを、上手く管理する方法をご検討願います。」
「おやすい御用だ、でござる。」
なるほど、今はファシリテーター役じゃないから、ござる言葉なのね。
でもなんか、後から取って付けた感満載なんですけど?
ってか、おやすい御用なの?ホントに?俺、死刑になんないの?
俺は、すがるような目で、サトータを見上げて言ったのだった。
「大丈夫なの?ホントに?じゃ、よろしく頼むわ。」
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こんにちは、作者のアズマユージです!
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人類滅亡の危機を救えるか?
次回はサトータさんの腕の見せ所です!
しかし、上杉鷹山って、すごいけど、今の世界なら完全なるパワハラだよね。
まあでも、今も昔も、偉人と言われてる人は、みんな多かれ少なかれパワハラ要素ありますね!




