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第15話 初めての任務~リシュンの発表にドン引きだわ

さあ、人類の危機を救うべく、タスクフォースが動き出します!

今回は、リシュンが中心のお話です。

「それでは、第3回タスクフォースミーティングを開始します。

本日は、最初にリシュンさんのテクノロジーについての開発結果の報告、続いてイコタンのヒューマンリソースのソリューションについての報告をお願いします。」


ナーチャン、なんかカタカナ多すぎないか?

昔いた会社でもいたんだよな。

コンサルの真似なのか、妙な流行りのビジネス和製英語満載のプレゼンをして、得意気な顔してるやつ。

あれ、やり過ぎるとホント腹立つんだよな。

ソリューションって何だよ!

解決策案とかさ、みんなにわかりやすく言っても、バチは当たらないと思うよ、ほんと。


リシュンが、すっくと立ちあがって言った。

「今回は、生産性の向上と労働力の増強をテーマに、テクノロジーを使った成果を発表する。

まずは、生産性の向上だが、次世代型AIとして、AGIを開発した」


ブーッッッ!!!

俺は飲んでいたコーヒーを派手に噴き出した。


「いやいやいや、AGIを開発したって、そんな大それたこと簡単にやっちゃっていいの?

それ、世紀の大発明だよ!下手したらノーベル賞もんだよ!

ってか、ノーベル賞どころの話じゃ無いよ、それ!

AIが人間を超えるシンギュラリティ突破しちゃってるじゃん!

人類の転換点ブッチしちゃってるじゃん!

無いわぁ!いくら何でも、それは無いわぁ」


今のAIは、特定の分野に特化して人間に近いことができるものだけど、チェス用に開発されたAIに将棋をさすことは出来ない。しかも、過去の事例を集積して最適の結果を導くものであって、人間のように

持てる知識をフル活用して、柔軟に思考し、前例の無い未知の課題に対応することはできない。

それが出来るのは、次世代型AIである、AGIなのだ。

ちなみに、AIとは、アーティフィカル・インテリジェンスの略だが、AGIは、アーティフィカル・ジェネラル・インテリジェンスの略だ。

そうなのだ。ジェネラルなのだ。何でも出来るのだ!

シンギュラリティとは、技術的特異点と訳されており、AIか人間の知能を上回って、人間中心社会に超劇的な変化をもたらす転換点のことを言う。

昨今のAIの進化からすると、あながちSFの空想だと笑ってられないから、恐ろしいのだ。


「そうは言っても、出来ちまったもんは仕方ないだろ。

加えて、演算機能を圧倒的に強化するために、量子コンピューターも開発したぜ!」


いやいやいや、それ最強じゃん!怖いもん無しじゃん!

A5ランクの焼肉と特上寿司を、ビンテージ物のワインと純米大吟醸酒を飲みながら食うみたいな話しだよ!

言い換えれば、マイヤンとナーチャンとイコタンの性格がすごく良くなって、俺に尽くすのと一緒だよ!


いてっ!いてっ!


「ユージさま、ワタクシの性格に何か問題でも?」

「私だって、不器用だけど真面目で一生懸命な子って言われています!」


だって、二人ともすぐ蹴るじゃん!

俺は、心の声を飲み込んだ、つもりだったが、筒抜けだった。


「それは、ユージさまが余計なことを考えるからです。」

「その通りです。」


「わかった!わかったから、続きが聞きたい!」


リシュンが、話を続けた。

「まずは、量子コンピューターで従来のスーパーコンピューターを圧倒的に凌駕する高速処理を実現した。しかも、課題だったノイズやエラーについても解決済みだ。

ちなみに、素因数分解をやらせたら、スーパーコンピューターだと数千年かかるところを、量子コンピューターはものの数分で終わらせてしまうんだぜ!すごいだろ?

ただし、それぞれの得手不得手もあるので、今回開発したのは、量子コンピューターとスーパーコンピューターのデュアル処理型だ。」


そう言えば、どっかの女性政治家が、「2位じゃダメなんですか?」と役人を攻めた挙句、スーパーコンピューター「京」の開発計画を一時的に凍結させたってことがあったな。


「さて、俺のテクノロジーのすごさは認識頂けたかな?

しかし、問題の本質はここからだ!つまり、これにより何か出来るかが重要だ!」


その通りだよ。どんなに実現にはかなりの時間がかかると言われているものを作ったって、上手く活用しなければ、学術的成果以外に役にはたたない。

AIがチェスや将棋で人間に勝ったところで、生産性向上には直接繋がらないのだ。


「では、続けよう。

俺はこのAGIを活用し、まずは現状社会の生産性を低下させている事象を洗い出し、その改善方法を編み出すことに成功した!

その内容は追い追い話すとして、実はもう一つ、みんなに伝えるべきことがある。」


この短期間でAGIと量子コンピューターの開発なんているとんでもないことをやってのけた上に、まだ次があると?


「それは、ロボットが自律的に運営する無人ロボット工場だ!

さっきのAGIと組み合わせて活用することにより、自己複製のみならず、進化的なロボット開発が可能になるぜ!」


ここまで来ると、もう驚かないよ。

最強AGIと自律的ロボット工場なんて、完全にSFの世界じゃん!

それが実現するだと?

ちょっともう、何言ってるかわかんないんですけど?


「そう、AGIによって、徹底的に社会の無駄を省き、生産性を飛躍的に向上させる。

あわせて、機械化が可能な事項については、自律的ロボット工場で試作品を製作し、実地でテストを行った上で、複製品を大量生産する。

これで、生産性の向上と労働力の増強は実現できるぞ!」


なるほど、そりゃ尤もだ。

しかし、近未来の地球でも、技術的には実現できる可能性があるんだよな。

AGIは、あと5年以内に開発できるってまことしやかに言われてるもんな。

そして、AGIが本当に開発されたら、ロボットがAGIの指示によって、自発的にロボットの開発を行うことも夢じゃないんだよな。


ってことは何か?

現状をあまり悲観しなくても、10年後には、AGIとロボットがすべて課題を解決してくれるってことか?

じゃあ、心配いらないじゃん!

遊んで暮らせるんじゃん!


「いいえユージさま、そんな簡単な話ではありませんよ。」


ナーチャン、相変わらず俺に厳しい…。



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こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

もし「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら、ブックマークや感想をいただけると励みになります。

今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

なんか、近未来の先取り的な?話です。

でも、もしかしたらあと数年で実現できてしまうかも!

と思うと、夢があるようで、それでいて少し怖いような話ですね。

さあ、これからどうなっていくのか?

プロットを作らずに、勢いと思いつきで書いているので、私にもわかりませんw

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