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第13話 初めての任務~ちょっと横道に逸れた感じ?

今回は、ちょっと緊張をやわらげる内容にしてみるつもりです。

みなさん、わらび餅って作ったことありますか?

慣れたら意外と簡単ですが、作りすぎ注意です!

「今までの話は理解できたけどさ、みんな、なんか頭使い過ぎてお腹すかない?」


イコタンは、目を輝かせながら言った。

「そうですね!やはり脳を活性化させるためには、甘い物は必須ですね!

ぜひ、おやつの時間にしましょう!」


それに便乗してタケシトが、

「甘い物いいねぇ!でもドーナツは相方のネタだから、俺は関係ねーよ。」


「相方って何?誰なのそれ?カロリーがなんとかって話だろ?

ってか、昨日暇だったから、材料探して用意しといて、さっき作って冷蔵庫で冷やしてるんだが、みんな食べる?」


「ユージさまの手作りとなると、睡眠薬や催淫剤などが混入していないか、気になりますね。」


「ナーチャン!しないよ、そんなこと絶対しないよ!」


「失礼。ゲスな方なので咄嗟に思い浮かべてしまいましたが、そんな犯罪を犯せるほど、肝は据わっていませんでしたね。ヘタレのチキンですからね。」


「おい!犯罪を犯さないってのは合ってるが、ヘタレのチキンってのは、どこのどいつのことだ!言わせておけば際限なくバカにしやがって!目にもの見せてやるぞ!」

俺は最大限ドスを効かせた低い声で、ナーチャンを威嚇した。


バシッ!バスッ!ドスッ!ボコッ!


「ひえ~!ごめんなさい、ごめんなさい!もう調子に乗ってイキりませんから!痛い!許してぇ~」


俺は必死で懇願した。


「ちなみにワタクシは、こう見えてこの国でも屈指の戦闘力を誇るファイターです。

そして、ユージさまのメイド兼チームメンバー兼護衛でもありますので、お忘れなく。」


聞いてねぇよ!そういうの、早く行ってよぉ!

ってか、護衛が護衛対象をボコっていいの?おかしくない?


「わかった!わかったから痛くしないでくれる?顔をぶたないで!わたし、リーダーなんだから!」


「それを言うなら、私女優なんだからだと思いますが、わかりました、ボディにします。」


いや、どこのいじめっ子だよ!


「とにかく、俺が作ったスイーツ食べるの?食べないの?」


「いただきます!」

「しょうがないですね、もし何か入っていたら、覚悟してくださいね。」

「俺も食うぜ」

「太っちゃいそうだけど、いまさらだから食うよ」

「拙者も食べるでござる」


結局みんな食うんじゃん…。

ってかサトータ!ござる言葉が復活してるぞ!


じつは昨日、キッチンで冷蔵庫や戸棚をあさっていたら、日本の食材に良く似たものを見つけた。

その中で、片栗粉、砂糖、きな粉、黒蜜を用意した。

まずは、鍋の中に、片栗粉と佐藤と水を入れて、ダマにならないように良く混ぜる。

片栗粉と砂糖は同量。水は、その3倍ほどが適量だ。

次に、中火で火を通すのだが、この時しっかりと混ぜながら加熱することが大切だ。

濁っていた材料が、透き通って粘りが出てきたら、弱火にして、さらに一生懸命かき混ぜる。

ここ、一番大事なところね!

ちょうど良い硬さになったところで、熱いうちにスプーンで適度な大きさに丸めて、

冷水に放り込む。

ここでの手際の良さもポイントだ。

粗熱が取れたら、水から出して冷蔵庫に入れるが、あまり冷やし過ぎると固くなるので、食べる少し前に作る方が美味しい。

次に、きな粉と砂糖をお好みで混ぜるが、ほんの少し塩を入れると、味が締まってより美味しくなる。

最後に、器に盛り付けたわらび餅に、きな粉をたっぷりとかけてから、黒蜜を流し込むと、完成だ。


「さあみんな、召し上がれ!」


皆、大人しくテーブルに座って、目の前に置かれたわらび餅を、おっかなビックリ食べ始めた。


「美味い!素朴だが、あっさりさっぱりしていて、こういう時にピッタリだな!」

「素晴らしいスイーツですね!特にこの、きな粉と黒蜜のハーモニーがたまりませんね。あっさりと主張の少ないわらび餅を、濃厚な黒蜜と香ばしいきな粉で包んで食べる。最高の組み合わせです!」

「これ、美味しいよ!お店で出せる味だよ!しかも、形が丸いから、カロリーゼロ!」

「これはなかなかイケる!しかも冷たい麦茶との相性が抜群!でござる」


気に入ってもらえたようで何よりだ。

本来、わらび餅はその名の通り、わらび粉で作るものだが、わらび粉が希少で高価なものなので、他の芋系でんぷん粉で代用されることが多い。

ちなみに片栗粉は、じゃがいものでんぷんから作った粉だ。


「しかしユージさま、意外な一面もおありなのですね。

これは美味しいです。まさに庶民の贅沢です。

てっきり、お食事はスーパーの半額の総菜に、缶詰やインスタント、スナック菓子等のジャンクフードばかり召し上がってらっしゃるのかと思っていました。」


俺は腰に手をあてて、どや顔で言った。

「ふふっ。驚くが良い!

俺だって、離婚後は暇を持て余して、いろんなことにチャレンジして来たんだ!

料理だって、最初の数年は結構凝ったものを数多く作ったもんさ!」


「なぜそれが、半額の総菜ばかりに?」


半額半額言うな!夕方の値下げの時間にばっかり買い物してたら、パートの女の子から半額おじさんとか言われそうで、結構気にしてるんだから!でも貧乏なんだよ!出来るだけ食費は抑えたいんだよ!もう放っといてくれ!

また殴られたら嫌なので、俺は心の中でそう叫んだ。


「声に出さずとも、お考えになられていることはすべてわかるのですが、まあ見逃して差し上げましょう。でも、なぜ最近はお料理をされないんですか?」


「空しいんだよ…。時間をかけて料理を作っても、食べるのは自分だけ。

美味い!今日の味付け最高!

と自分で言っても、誰も反応してくれないんだよ。マスターベーションなんだよ。」


マスターベーションは嫌いじゃないが、それとこれとは別である。

ん?なんかナーチャンからの冷たい視線を感じるぞ…


「しかも、張り切って作ったら、下手をすると2~3日は同じものを食い続けることになる。

なので、徐々にモチベーションが下がって、料理しなくなっちゃったんだよ…。

でも、ここはいいなぁ。

簡単でも、俺が作ったわらび餅を、みんながリアクションしながら食べてくれる。

久しく忘れていたよ、この気持ちを。」


俺の目尻にうっすらと浮かんだのは、きっと涙じゃないと思いたい。




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こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

もし「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら、ブックマークや感想をいただけると励みになります。

今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

最後は悲しい一人暮らしライフの話になってしまいましたね…。

でも、自炊は大切、僕も良く自炊します!

さて、次回はいよいよ国家財政についてのリサーチ結果の続きです。

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