第101話 正面衝突〜敵もさるもの
これまでのところ、お互い誤算もあり、互角の戦いと言えるでしょう。
これからが本番です!
勝利の女神はどちらに微笑むのか?
ジャポネ王国j王城内に設置されたタスクフォースミーティングルーム内に電子音が響いた。
「敵軍による奇襲です!
魔導シールド発生装置が次々に破壊されています!」
それを聞いたユージは、無言で作戦書に目を落とす。
その背後で、ナーチャンはヘッドセットを装着し、深く息を吸ってから言った。
「しかし我々も、作戦準備、完了です。
タケシトさんから、敵将のハチオを捕獲したとの報告が来ました!」
「うむ。では、予定通りやってくれ!」
俺の指示を受けて、ナーチャンが続けて指令を出した。
「魔導シールド発生装置、第2陣、発動します!」
「魔導シールド、予定通り発動!
敵軍の進軍が止まりました!」
一方、魔王軍の本陣では、魔王アサダと軍師サムが難しい顔をして戦局を見つめていた。
魔王アサダは軍師サムに問う。
「敵のシールドが稼働しているように思えるのですが?」
それを受けたサムは、悔しそうに答えた。
「してやられました。
分析の結果からは、かなりデリケートな機械だと判断していたのですが、あんなにラフな設置で高い効果を発揮するとは、想定外でした。」
それを聞いた魔王は不安そうに聞く。
「では何故、前回はあんなにも精密に設置されていたのでしょうか?」
「恐らく、我々を欺くためのカモフラージュだと思われます。
前回は、設置にかけられる時間が非常に長かったので、一見無駄とも思われる偽装をする余裕があったのでしょう。
しかしまさか、あれほど強力なシールドを、あれだけ適当に配置しただけで発生させられるとは、思いもよりませんでした。
残念ながら、敵の技術力は、我々を大きく凌駕しているものと考えざるを得ませんね。」
そう説明された魔王は、さらに不安そうにサムに聞く。
「では、私たちは負けるのですか?」
それに対し、サムは少し微笑みながら答えた。
「ご安心ください。
いかに強固なシールドであっても、私が密かに開発していた”魔導バリスタ”の集中砲火によって、いずれ綻びが生じることでしょう。」
魔王アサダは、顔をパッと明るくして言った。
「おー!そんな兵器を開発していたのですね!さすが軍師サム!頼りになります。」
「いえいえ、2の矢、3の矢を用意しておくのは、当然の策です。
それより、ハチオが囚われたのが痛手ですね。」
魔王は、またもや顔を曇らせて言った。
「そうでした。ハチオは無事なのでしょうか?」
「あのハチオのことです。滅多なことでは死にはしません。
人族の世界では、捕虜の扱いを人道的にしなければならないという縛りがあるらしいので、奴隷にされたり性的暴行を受けたりすることは無いでしょう。
モニターを食い入るように見ていたユージがつぶやいた。
「やはり、初戦のようには行かないか。
この様子だと、カウンターは無理だな。」
ナーチャンが、冷静に戦局を分析する。
「敵もさるもの。
カウンターを避けた後、再びシールド発生装置を攻撃して来ています。
このままだと、持って1時間というところでしょうか。」
それを聞いたユージは、すかさず言った。
「1時間もあれば十分だ。次の作戦に移行しよう!」
それを受けてナーチャンが言った。
「ラジャー!
第2フェーズに移行します!」
指向性EMP兵器の一斉照射のための、エネルギー充填開始!」
そしてナーチャンは、メインパネルのボタンやキーボードを目にも止まらないスピードで操作して言った。
「エネルギー充填100パーセント、発射可能です!」
それを聞いたユージは言った。
「まだだ。」
ナーチャンが続けて言う。
「エネルギー充填110%!」
俺は、目をつむって静かに言う。
「まだだ。」
モニターが赤色点滅に変わり、ナーチャンは続けて行った。
「エネルギー充填120%!これ以上は危険です!」
それを待っていた俺は、強い口調で言った。」
「全砲一斉射撃!てっ!」
リシュンが開発した、指向性EMP兵器が、一斉に火を噴いた。
その次の瞬間、魔王軍のドローンが墜落し、主力戦車が停止した。
王城に対して発砲されていた- 多連装ロケットシステムも沈黙し、戦場は静寂に包まれた。
つまるところ、魔王軍の近代兵器は、完全に停止したのだった。
だがしかし、魔王軍全軍が静寂に包まれた訳ではなかった。
魔王軍の戦力の構成はと言うと、近代兵器が約半数、残りの半数は魔導兵器だった。
そして、指向性EMP兵器の一斉照射を受けても、魔導兵器は無傷で、その攻撃を続けていた。
それを見たナーチャンは、少し顔を強張らせて言った。
「敵戦力に多大なる被害が発生しました!
しかしながら、魔導バリスタは健在!
このままでは、約1時間でシールドが崩壊します!」
それを聞いた俺は、焦って言った。
「そんなの聞いてないよ!
リシュンはどこ言ったの?」
ナーチャンは悲しそうに答える。
「リシュンさんは、アルノルトさんとともに懸命に新兵器の開発を行っておられます。」
「じゃあ、とっとと完成させてって言ってよ!
このままじゃ、魔王軍がこっちに来ちゃうじゃん!」
しかしナーチャンは冷静に答える。
「さすがのリシュンさんも、そんなに次々に新兵器を開発するのは難しいのではないでしょうか?」
目鼻をすっぽり覆う、シュノーケリング用のゴーグルを頭にかけて、ユージが叫んだ。
「じゃあどうすんの?敵は俺たちの3倍もいるんだよ!
リシュンの新兵器で、ちゃっちゃと終わらせて、祝勝会するはずだったんだよね?
俺なんか、シャンパン掛けられてもいいように、ゴーグル買っちゃったんだよ!」
ナーチャンは呆れながら言った。
「いや、今はゴーグルなんてどうでもいいです。
それよりも、シールドが破壊された場合の作戦を確認しておきましょう。」
そう言って、モニターに新たなフェーズの作戦を投影したのだった。
新たなフェーズの作戦とは?
タスクフォースの次なる手は、奏功するのか?
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