表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
正面衝突

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/110

第100話 正面衝突〜第2幕開催

いよいよ、第2幕の開幕です!

勝敗の行方は如何に?

魔王軍の作戦は上手く行くのか?

ジャポネ王国の王城を取り囲む魔王軍の軍勢は約30万。

初戦で損耗した兵力をすっかり回復し、魔王アサダも本陣にいることから、士気も高い。

加えて、今度は軍師サムも参加しており、抜かりはない。


対してジャポネ王国側の軍勢は約10万。

数では圧倒的に不利だが、籠城戦の定石からすると、1対3の戦力さは、ほぼ互角と言って差し支えない。

戦局が長引けば、人族の他の国の軍勢が援軍に駆け付ける算段となっている。

それまでに魔王軍が王城を陥落させることが出来れば、魔王軍の勝利。

持ちこたえれば、ジャポネ王国の勝利となる。


ただし、魔王軍が中部人民共和国の経済と交通の要衝、海運都市ションパイを押さえたことが、どの程度戦局に影響を与えるかが未知数だった。

ロジスティクスが戦争に与える影響は極めて大きい。

その点で、ションパイ奪取は魔王軍にとっては大きな戦果だ。

一方で、初戦でロクローマルが敗退した点はマイナスであり、現時点では痛み分けと言ったところか。


そして遂に、戦局が動いた。


タスクフォースの本陣で、ナーチャンがユージに報告した。


「魔王軍より、通信が入りました。」


それを聞いたユージは、冷静に言った。


「敵は、なんと言って来ている?」


ナーチャンは、少し声を震わせながら、報告した。


「降伏せよ、と。」


「「「なんだと!」」」


ミーティングルーム内に緊張が走った。


しかしユージは、若干表情を緩めて苦笑した後、表情を引き締め直してから、ナーチャンに向かって言った。」


「では、返答してやってくれ。」


「はい、何と返しますか?」


「バカめ」


それを聞いたナーチャンは少し首を傾げて聞いた。


「今、なんと?」


ユージは、再度言う。


「バカめ、と言ったんだ。

全軍、戦闘準備だ!いよいよ開戦だぞ!心してかかれ!」


「「「オー!」」」


その返事を聞いた魔王軍の本陣では、ロクローマルが怒りをあらわにしてサンドボードに拳を叩きつけた。


「バカめだと?奴らはふざけてるのか?」


いや、ユージは昭和の国民的アニメの老艦長の真似をしただけだった。


「ロクローマル、そんなに興奮していたら、戦局を見誤りますよ。

それに、折角作ったサンドボードを壊さないでください。」


軍師サムはあくまで冷静にロクローマルを諫めた。


「しかし、我々をないがしろにしたことは事実です。

熊を刺激したらどうなるか、目にもの見せてやりましょう。

いつやるの?今でしょ!」


そして、降伏勧告を拒絶された魔王軍は、ハチオ軍による、魔導シールド発生装置襲撃を始めたのだった。


「狙撃隊、前へ!

目標は、敵の魔導シールド発生装置!

合図を待って一斉攻撃だよ!

みんな、抜かるんじゃないよ!」


「「「ラジャー!」」」


「よし、そろそろ頃合いだね。」


そう言ったハチオは、おもむろに立ち上がって大声で指示した。


「撃てっ!一斉射撃だ!貴重な新兵器だ、良く狙えよ!」


バシュッ、バシュッ、バシュッ、バシュッ!

ドガン、ドガン、ドガン、ドガン!


ジャポネ王国の城壁外に設置された魔導シールド発生装置が次々と破壊されて行った。

高さ、間隔を正確に同一に設置されたその装置は、簡単に狙い撃ちが出来た。


「ふん、勇者かなんだか知らないが、とんだ間抜け野郎だね。

どんな素晴らしいシールドも、発生前に破壊してしまえば、無用の長物さね。

さて、ワタシらはこのへんで退却して、後はロクローマルに任せるとするかね。」


そう言ったハチオの前に、一つの人影が立っていた。

その男は、身長こそ約170センチしか無いが、体重は100キロに迫る巨躯だった。

それが、無造作にハチオの前に佇む。


「何?敵か?このワタシが何の気配も察せられずに、こんなにも接近を許すとは、只者じゃないね。

誰だ!お前は?」


その男は、不敵に笑って答えた。


「俺は、ジャポネ王国のタスクフォースに、この男ありと言われている、タケシト・ミザワだ。

どうだ、驚いたか!」


それを聞いたハチオは、不思議そうにつぶやいた。


「タケシト・ミザワ?

聞いたこと無い名前だね。」


そして、傍らにいる兵士たちに聞いた。


「おい、お前ら。

こいつのこと知ってるか?」


しかし誰一人、タケシトのことを知らなかった。

それを知ったタケシトは、かなりショックを受けたようで、ブツブツ呟く。


「そうなんだよな。

だいたい目立つところはリーダーかリシュンかナーチャンが持って行って、俺はなんて言うか、日陰者的な存在なんだよな。

ああ、ムカつくぜ!

おいお前!この舞台の指揮官の、ハチオって奴を知ってるか?」


そう問われたハチオは、得意満面で答えた。


「そりゃあ、ワタシのことだね。

アンタみたいな三下と違って、ワタシはこのスタイルと美貌で有名だからね。」


そう言って、おもむろに振り向いて、上半身を大きく曲げて、交差した長い脚と形のいいお尻をタケシトに向けて見せつける、得意のポーズを取った。


それを見たタケシトは、思わず感嘆の言葉を口にした。


「なんてセクシーなポーズなんだ!

目の毒だぜ!」


そして、素早くハチオに近寄り、両手を合わせて、人差し指をピンと伸ばし、ハチオのお尻の中心を突き刺した。


「ウグッ!な、何しやがる!ううっ。。。」


突然の攻撃を受けてしまったハチオは、お尻を押さえて悶絶し、気を失ってしまった。

そして、そんなハチオを肩に背負ったタケシトは、ハチオの部下たちを簡単に蹴散らして、王城へと帰還して行った。


その様子を見ていたロクローマルは、顔を憤怒に染めながら言った。


「ハチオの尻を攻撃しただと?

しかも俺の得意なポーズで!

なんとも羨ましい!

いや違う、なんとも恨めしい!

全軍、突撃だ!!!

シールド発生装置はハチオ軍が破壊してくれた!

今度こそリベンジを果たすぞ!

行けえ!!!」


そして、タケシトが引き上げた後、岩や叢に擬態していた魔導シールド発生装置が唸りを上げ、初戦よりも広範囲で強力な城壁が展開された。

そして、ロクローマル軍の先鋒は、次々と城壁に跳ね返されてしまった。

しかし、前回の轍は踏まないと言わんばかりに、一旦停止し、被害を最小限に食い止めることに成功した。

しかし、棒立ちになったロクローマル軍には、さらなる試練が待っていた。




レアキャラのタケシトが、またもやいい仕事をしてくれました!

重要な対決において、伏兵の活躍は戦局を左右させることが、往々にしてありますね。

ドジャースのロハス選手の最終回同点弾のように。

それにしても、今年のワールドシリーズは楽しかったなぁ。

次はワールドカップに期待します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ