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産廃屋のおっさんの異世界奮戦記〜適当に異世界に召喚されたのに、世界を救えなんて無理ゲーじゃね?〜  作者: アズマユージ
正面衝突

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第99話 正面衝突〜ユージの意外な一面

N党の立花容疑者、逮捕されちゃいましたね。

私には真実はわかりませんが、死者を政治の道具に使うのは、人の道を外れているように思います。

それはさておき、魔王軍の作戦は奏効するのか?

タスクフォースはどう迎え打つのか?

その頃、タスクフォースのミーティングルームでは、ナーチャンがこれまでの戦いと現状について、様々な分析を試みていた。

ただ、彼女にはどうしてもわからないことがいくつかあった。

そこで、傍らで何やらぶつぶつ言っているリシュンに質問したのだった。


「リシュンさん、魔導シールド発生装置を設置する際、なぜあそこまで正確に標高を整えたんですか?」


それを聞いたリシュンは、頭を上げて答えた。


「ああ、あれか。

あれは、リーダーの妙なこだわりだな。

なんでかわからないが、自ら重機を操縦して地ならしをしてから、レベル測量機を使って正確に地面の高さや高低差を図ってたんだよ。」


ナーチャンは、不思議そうに首をかしげて聞いた。


「確か、あの装置を開発した際は、そんなデリケートなものじゃないっていうお話でしたよね?」


リシュンは苦笑いをしながら言った。


「戦場で、しかも最前線に設置するのに、そんなデリケートなものは使い物にならんさ。

まあ、今回は敵にとっては初見の武器だし、準備するための時間はたくさんあったからな。」


ナーチャンはまだ疑問が解消されないようで、続けて聞いた。


「でも、あのぐうたらなユージさまが、そこまで真面目に仕事らしきものをされた訳はなんなのでしょう?」


「さあな。

なんか、作業員としての血が騒ぐとか、産廃屋にとってこんなことは朝飯前とか、久しぶりの労働は気分がいいぜとか、すこし興奮しながらやってたんだよな。

まあ、キッチリ揃えた方が、若干防御力も増すし、止めるまでもなかったから好きにやらせておいたんだ。」


まだモヤモヤしていたナーチャンは、続けてリシュンに聞いた。


「では、設置にあたって、極めて正確な間隔を測量されていたのは何故ですか?」


「まあ、それもあまり意味は無いな。

だいたい100メートル間隔で適当に設置したら、十分機能するんだよ、魔導シールドってやつは。」


「ではなにゆえ?」


「うん、なんかライトアップした時の美しさが違うとかなんとか言ってたな。

適当っぽいけど、意外と几帳面な一面もあるんだよな。

しかし、リーダーにとっては、緊迫した戦争も、花火大会の延長ぐらいにしか考えていないんじゃないかな、知らんけど。」


それを聞いて呆れたナーチャンは、肩をすくめて言った。


「それでいて、普通は思いもつかないような発想をするんですから、本当訳がわからないですね。」


それにはリシュンも同意見であったようで、苦笑いをしながら言った。


「ホント、底が知れないお方だぜ。」


ちょうどそこに、ユージがやって来た。


「おっ!二人して何駄弁ってるの?さぼり?」


すると二人は、同時にリアクションした。

「違います!」

「アンタに言われたく無い!」


ユージは、ヘラヘラ笑いながら、二人に言った。


「あはは、ジョークだよ、ジョーク!

ナーチャン、そんな怖い顔してたら、お嫁に行けなくなっちゃうよ!」


そう言われたナーチャンは、さらにムキになって言った。


「セクハラです!ホントやめてください!」


そう言ってから、自分が冷静さを失っていることに気づいて、少し深呼吸をしてユージに言った。


「まあ、今回だけは許してあげます。

しかし、今度ふざけたことを言ったら、二度と立てなくなると思ってください。」


「おー、怖い!

二度と勃たなくなるなんて、考えただけでも恐ろしいよぉ。」


「違います!!!

そういう意味じゃありません!!!!!」


得意のローキックを放とうとするナーチャンの前に、両手を差し出して静止しながら、ユージは続けた。


「ごめんごめん。もう言わないから蹴らないで!ねっ!

そんなことよりさあ、魔王軍の動きはどうなの?

さすがにそろそろ何か仕掛けて来るんじゃない?」


まだ不機嫌なナーチャンだったが、気を取り直してユージの質問に答えた。


「敵軍の動きから推測するに、そろそろ2度目のアタックを仕掛けて来るかと思われます。」


「でもさ、俺が頑張って設置した、魔導シールド発生装置があれば、こないだと一緒で撃退できるんじゃない?」


それを聞いたリシュンは、すかさず言った。


「リーダー、それはちょっと楽観的に過ぎるんじゃないかな。

前回は、敵方の戦力はおよそ10万だっただろ?

しかも、搦め手無しの正面突破。

まさに、シールドの餌食にしてくださいとばかりの攻撃だったから、上手くいったんだ。」


「そうなの?

でも、敵が増えてもシールドの範囲を広げたら大丈夫なんじゃない?」


そう言われたリシュンは、少し考えながら言った。


「敵の軍師は、かなり有能な奴だろ?

初戦の結果を知りながら、またもや数に頼った正面突破でやって来るとは思えないんだ。

何か、初戦とは違った作戦を取って来る可能性が高い。

そうなると、シールドのみに頼っていては、心もとないと思うぞ。」


そう聞いたユージは、軽く言った。


「とりあえずさ、敵が3倍なんだったら、シールドも3倍、いや、5倍くらいに増やしたら?

前は暇をもてあそんでたから、気合を入れて設置したけど、もう飽きちゃったから、適当な間隔で置いときゃいいじゃん。

でもって、岩か叢かなんかに偽装しておけばさ、やつらは気づかないんじゃない?」


リシュンは少し考え込みながら言った。


「まあ、そうだな。

リーダーが拘らないってんなら、設置は簡単だ。

わかった、手配しておこう。」


「それとさ、こないだリシュンが開発した指向性EMP兵器があるじゃん。

もし、シールドが破られたら、あれをぶっ放せばいいんじゃね?」


しかしまだ不安気なリシュンが言った。


「そうなんだが、魔王軍の兵器に対して、指向性EMP兵器が通用するか、イマイチ確信が持てないんだ。

前回の戦いは、人族を相手にしていたから、近代兵器を無力化することに特化した武器を開発したんだ。

しかし今回は魔王軍だ。

どんな兵器を持っているのか、新兵器を開発したのか、不安要素を挙げればキリがないんだ。」


それを聞いたユージは、軽くつぶやいた。


「だったら、魔王軍の戦い方に詳しいアルノルトと一緒に考えたらいいじゃん。

それとあれだ、ハイブリット型って言うの?

電気とガソリンの両方で動く車みたいにさ、いいとこ取りって感じにしたらいいよ!」


そう言われたリシュンは、軽く苦笑いしながら言った。


「簡単に言ってくれるぜ。

でもまあ、それもアリか。

ちょっとアルノルトと相談してみるわ。」


そう言って、リシュンはミーティングルームを後にするのだった。

軍師サムの読みは外れるのか?

第二戦の行方はいかに?



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こんにちは、作者のアズマユージです!

『産廃屋のおっさんの異世界奮戦記』を読んでくださりありがとうございます!

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今後も、異世界×環境問題×おっさんの奮闘を描いていきますので、よろしくお願いします!


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