第3話 庭の外と崩壊世界
かつて、世界を守る「庭」というシステムがあった。
「庭」には、生贄が必要で、様々な子供達が選ばれた。
百人を超える候補者の中、最終的に残ったのは、クウメルという少女だ。
そして、そのお世話係として、とある男性が「庭」の管理人になるはずだった。
しかし、管理人は何者かに殺害され、お世話係の選考はやり直しになった。
「庭」は宇宙敵が世界に干渉するのを防ぐために、クウメルが持つオーラを増幅する役割がある。
しかし、クウメルは「庭」のシステムがどのような成り立ちで在るのか知らない。
説明するはずだったお世話係も、研究者も生きてはいない。
だから、「庭」を修復する事はできない。
庭の外に出たいと願ったクウメルは、システムを壊してしまったため、時間を戻さない限り、世界の状況も戻らない。
世界の状況は徐々に悪化していった。
クウメルを外に出した人々は「話が違う」と苛立った。
富める者を「庭」から引きずりだせば、追い詰められた世界がもとに戻るはずだと思っていたからだ。
しかしそれは、「宇宙敵」の先兵が流した真っ赤な嘘。
人々は悪化していく世界の状況を見て、自分達が騙されたことを悟った。