gr 00 1-4
イキリ、国際政治学者みたいな顔をして、中学校の教科書レベルをカタる。いや、その基礎の基礎の基礎単語ですら碌に語れやしなかったの巻。
それではどうぞ。
だがここでタクヤは奇妙な挙動を見せた。ポンと何かを閃いたとばかりに手を打った。いかにも高尚なことを思いついたとばかりに、わかりやすく得意気な顔をすると、タクヤはフッとばかりに余裕をかまし、「やれやれだぜ。これだから教養のない無知な人間、いや、猿どもとはお困りものなのだよ。全く“民(某自称・国○政治学者が此の国の国民の事を時折こう呼ばうるのだが、タクヤがそう呼ぶのも此のお方の影響である。其処に同じ国の同胞、同じ国の国民、同じ国の同じ人間に対する敬意が感じられるかどうかは人に因ろう。が、ただ、此の国の多くの者の眼に彼の人が、誰に対しても何に対しても常に上から目線で物申している様にしか見えないのは共通した認識であるらしい。高飛車で高慢で傲慢で尊大な女王様キャラ。タクヤから見れば「そこが痺れる憧れる」のであろう。コイツは何処からどう見ても、まかり間違っても、調教される側などでないドSなのだけれども。ちなみに彼女のイニシャルは“L”。本来ならば“R”なのだろうが、彼女の氏名がアルファベットで表記されている箇所では、ご本人の監修が入っている上で全てRではなくてLなのだからそうなのであろう。其処には強い拘りすら感じないではいられない程である。其の方が賢そうに見えるという事であろうか? 加えて「自分は死神と親しい存在である」とでも信じているのかもしれないし、あの誰に対しても常に上からという姿勢は、「私には下衆の生殺与奪など自由自在のノートがある」という確信にでも由来しているのかもしれない。死神のバディでデ○ノートを所持しているのは夜○月――下の名前を初見で読める者は矢張り天才なのだろうか――ラ○トの方なのではあるが。主人公のライバルである世界的な名探偵の方ではなく。LとかRとか、左だとか右だとかはともかく、月と書いてラ○トという初見殺しのキラキラネームは、やはり“L”にとってはさぞかし眩しいものなのかもしれない。本人的にはクールで尖ってて格好良いとでも、まるで中学二年生みたいに感じているのかもしれない。……何だか厨二病の最初期の症状を見るかの様ではある。ちなみに彼女はアラフォーである。「その歳になって発症しちゃったのか?」「該当する年齢から干支が二周以上もしてからな遅れて発病って……」「それとも、四半世紀以上も患ったままの今日に至るなのか?」という感はあるが、この年齢不相応な若々しさも信者にとっては彼女の魅力なのだろう)”ー一般大衆というやつは………。全くもって頭の中がお察しだね。本当に頭の中たかが知れているものだね。君はかの『肉〇カーテン』なるワードを聞いたことはないのかね?」ときた。報道陣誰もが「はあっ?」という反応を隠せないところに、タクヤは更に「大陸の大国はナンダカンダで向こう側からはいろいろなことが…、フフフフフ、やっぱり君たちにはわからないのかなあ? レベルが高すぎちゃったのかなあ? モレないズレないというか…」ときたもんだ。だが、次のレポーターAの「ああ、『鉄のカーテン』って言いたいのか。それで情報が伝わってこないという事が…」という呟きに、タクヤはかーっと顔面に血流が増加する感覚を覚え、人を小馬鹿にした得意顔はたちまちのうちに通常のヤンキーモードに戻り、「テメエっ! オレのことバカだと思ったろ? なあ、オレのことバカだと思ったろ? オレのこと頭がワリいと思っただろ? 言うに事欠いて、モンキーだと? テメエ死にてえのか? テメエは死にてえのか? ああっ?」と、彼のまた別に自称するところの“キレたナイフ”さながらにキレだし、それこそ必殺の大車輪を繰り出しそうな勢いになったところで、セキュリティーが止めに入った。「は、離せ! 離しやがれ!」とタクヤは叫んだが、セキュリティーに羽交い絞めにされた彼はあっさり向こうの側に、捕まった宇宙人のように連れ去られていった。レポーターBはこう呟いたものだ。「アレって、喧嘩最強なんじゃなかったの? そのわりには呆気なく捕まって連れていかれちゃったね」と。そして、「なんだって、あんな、ゴミくそヤンキーのどチンピラが……」というのがその場に残されたマスコミュニケーション一同の共通した感想だった。
国際政治じゃなくて、コイツじゃやっぱり『キ○肉マン』までが知識の限界だったようです。
今日も御一読頂きありがとうございました。
それではまた明日午後10時にでもお目にかかりましょう。