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gr 00 3-26

ユ○ヤ…、もとい、タクヤ対警察権力、国家権力、宗教権力篇、ノーモーションですがスタートです。


講演回数を重ねれば重ねるほど劇場には観客は増え、原作が存在するまんまパクリの、自分が如何にスゴいチーターかの自慢が、自らによって語られれば語られるほど、タクヤは誰からも尊敬されるスーパースターにしてスーパーアイドル、救世主にして勇者――人によっては神として崇められる存在となっていった。その様を見て当のタクヤは「くっくっく。どいつもこいつもせいぜい俺の信者となり、肥しになるがいい」とほくそ笑む。「このまま信者を増やしてゆけば、オレって世界征服とか出来ちまうんじゃね?」「そしたら、女どももオレのこと放っておけなくなって、ハーレムとか出来ちまうんじゃね?」との身のほど知らず野心まで抱くようになっていった。

 もっとも、そんな野望はあっけなく潰えるのだが。

 運命の日、その日も得意気にタクヤは、「いかに自分がスッゲーヤツか」自慢のエピソードを披露していた。

(オレってやっぱスゲー。スゲーなんてもんじゃねえ)

 スラスラと滑らかに口から出てくるエピソードがまさか自分のことなどではないなどとは露ほども疑ってはいない。

 この単細胞がいつものように悦に浸っていると、劇場の全て扉がバタンと開き、何だかワラワラと人が入ってきた。

「誰だよお前ら! こっからがいいとこだってのによ!」

 条件反射的にタクヤは叫んだのだが、

「…なにそのカッコウ…」

 お揃いのフルプレイの甲冑を着込んでいた。

「何か見たことがあるが…」

 どう見ても兵隊に見えた。

 客どもがざわついている。信者どもの声が耳に入ってきた。

「憲兵だ」

「憲兵がどうしてここに?」

 タクヤはビビった。

おまけに最後に入ってきた奴なんかは何だかえらく貫禄があった。えらい厳めしくてえらい立派な鎧を身に着けていた。ただの兵士には見えなかった。

 嫌な予感しかしないので、

「あっ、あのう。あなたたちはどなた様でしょか?」

 口調を改めた。異世界に転生したからといって「強いヤツにはとことん弱く、弱いヤツにはとことん強い」という性根の部分にブレはない。何にも変わっていない。

 客がざわざわしている。ざわつき具合からして、最後に入ってきた奴はやっぱりさぞかし身分が高いっぽい。

 信者どもの声が聞こえる。

「総司令だ」

「総司令官だ」

「なんだってここに総司令官が?」

 タクヤは改めてビビった。

(それって絶対エラいヤツの肩書じゃん!)

 出入口がハルバートを手にした兵士によって封鎖された。

(そんなのがフル武装した兵隊をこんなに連れて来るって……)

 タクヤは恐れ慄く。

 まあ、コイツの場合はいくらでも思い当たることはあるだろう。実際しでかしているのは本当にセっコい、小物感満点なのばっかりなのではあるが。


まあ、この先どうなるのかというと……。

次話にご期待くださると作者は喜びます。

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